第46話 契約、金
「お兄ちゃん。私を連れて行って」
美桜ちゃんが泣き止み、顔を洗ってから、俺は美桜ちゃんにそう言われた。
「連れて行ってってどこに?」
「お兄ちゃんの目指してる場所、思想、未来全部」
えぇ……それってヤンデレとか言う奴になるんじゃないか?
「条件付きでなら、良いよ」
「条件?」
「そう。条件」
これだけは出さないと俺が動けない。
「俺にもプライベートな時間を設けること」
「それはもちろん」
「俺がやる事、やってる事を誰にも言わないこと」
「うん……?」
「俺の言う事を絶対聞くこと」
「うん」
「今後、俺が追加しても文句言わないこと」
「分かった」
取り敢えず、これだけ言っておけば大丈夫だろう。
「じゃあ、行こうか」
「え?」
「ん?付いてこないの?」
「いや、行くよ?」
まさか、今すぐ出るとは思わなかったのか?
「あ〜。そう言えば美桜ちゃん。君は後いくら残ってるの?」
「え?母から貰ったお金?あれからまだそんなに減ってないよ?」
「最後に確認したのはいつ?」
「えっと……1週間前かな?」
そんなに経ってたか。
「そうか。なら、今すぐ銀行行くぞ?美桜ちゃんは自分の通帳持ってな」
「……うん。分かったけど」
下手すりゃ金抜かれてるけど、見るだけ見ようか。
「行くぞ」
ある意味戦場に。
「どうだった?」
「……抜かれてた……」
やっぱり。
「いつ?」
「昨日」
チッ。ギリギリ抜かれてたか、
「仕方ない。帰るぞ」
「うん」
だけど、俺には聡夫が移しておいてくれた金がある。
「お兄ちゃんはいつから分かってたの?」
「なにが?」
「私が監視されてた事」
あぁ、その事か。
「最初から」
さぁ、美桜ちゃんのネタを明かそうか。




