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第33話 理由

「えっと、これはどういう意味でしょうか?娘の彼氏に対して見せるものじゃないですよね?」

「そうだな」

全く理解出来ない。何故僕に離婚届を見せるのか。それも自分の所に名前が書いてあるだけで奥さんの所は空いている。

「実はな、2ヵ月ぐらい前には離婚するしないの話は出ていたんだよ。けれども、今日の話を聞いて決断した。離婚するよ。だけどもし、沙奈江が妻とも暮らしたくないと言い、1人じゃ不安だと言うなら、沙奈江の事を頼めるか?」

「えっと、そっちの都合で全部放られてもこっちとしては迷惑極まりないんですが」

「分かっている。だけど、頼めるのはお前しかいない。だから、不服だがこうして頭を下げている」

ちなみに頭を下げていても睨まれているので誠意が感じないのは言うまでもない。

「まず、そんな事を言われても僕だけで受け入れ可能か不可能かは言えません。それは僕だけの問題じゃないんで。それと、育児放棄するとかクソですね。沙奈江さんが何故出て行きたがっていたのかがよく分かりました」

「な……に……?」

「聞こえませんでした?なら、言いましょう。貴方方はクソです。クズです。最低の親ですね。子供の事を考えずに自分達の都合で振り回して育児放棄する。最低としか思えないです。大体、沙奈江さんと話すらしてないのに、沙奈江さんの面倒を見てほしいとかバカとしか言いようがないでしょう。それともなんです?他に何かあるのですか?」

「……お前に何が分かる……ずっとずっと考え続けて最善を考えていた。だけど、それが出来ないから頼んでいる」

「だーかーらー、それがバカだと言っているんです。何が最善ですか。笑わせないでください。最善なら、僕に嫉妬せずに沙奈江さんの恋愛を許せば良かった。違いますか?それなのに貴方は強情になった。だから今の状態にある。違いますか?」

「……」

何も言い返してこなかった。それもそうだ。沙奈江さんが出て行った理由の大きな一つが恋愛についてなのだから。

「沙奈江さんに電話します。なので、黙っていてください」

「なっ!?」

沙奈江さんの父親は驚いているが無視して電話する。

「もしもし、沙奈江さん?僕です。今すぐ沙奈江さんの父親が住んでいる所に来てくれます?え?嫌だ?嫌とは言わせません。すぐに来てください。さもないとある事ない事言いふらしますよ?」

もうこの親子喧嘩が続くのは御免だ。だから、今日決着を着けさせてもらう。

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