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第10話 謎の女性

俺は、大事な所を抑えながら、秘書から逃げに逃げ、家の近くにある児童公園に辿りついた。

「ふぅ。ここまで逃げれば安心でしょ。」

「何から逃げて来たの?」

「とてつもなくしつこくて変態な仲……って、あんた誰!!」

「おっと。これは失礼。そうね〜散歩してたら、いきなり男の子の大事な所を抑えながらここに走ってきた子の独り言に興味を引かれて話しかけている30代前半の女性かな。」

「ダウト!!あんた40代後半で、初老はとっくに迎えている女性でしょ。」

ちなみに初老は40歳の事らしい。老が付くのは早いね〜。

「貴方、中々見る目があるわね〜。」

どうやら、当たっていたらしく、俺は頭を撫でられたのだが、

「でも、初対面の女性に対して言う言葉じゃないよね?」

思いっきり頭を握り始める。

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

「ゴメンナサイは?」

めちゃくちゃ子供扱いして来るこのオバサンにイラッとしながら、仕方なく謝ることにした。謝罪は大事だしね。

「痛い痛い痛い痛い痛い!!ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!」

「なんて言ったのかな?聞こえなかったな〜。」

確実にわざとって判断出来る。普通近所迷惑なぐらい俺は大声を出したのだから。

「嘘つくなよ、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

なんか一段と力が強くなってるんですけど!!

「リピートアフターミー、ごめんなさい。」

「ごめんなさい。」

「許してください、我妻(わがつま)様。」

「許してください我妻様!?」

まさかな。たまたまだろう。

「ワンモアタイム。リピートアフターミー、ごめんなさい。許してください我妻様。」

「ごめんなさい。許してください我妻様。」

「よろしい。」

やっと許してもらえたのか、俺の頭から我妻と名乗った女の手が離れた。

「それじゃあ、本題に入りましょうか。」

「本題も何も、俺の独り言に反応した女性じゃないのかよ。」

「いいえ。単に貴方を何日もかけて待っていたのよ。」

それはご苦労なこった。それに、そんだけ暇なら働け!

「私の名前は我妻千代子(わがつまちよこ)。現総理大臣で貴方の本当の母親よ。待たせてゴメンね、聡夫(さとお)。」

は?

「意味が分からないんだけど。アンタが現総理大臣の我妻千代子で、俺の本当の母親?んな話信じられると思うか?」

「信じてもらえるなら、私の体のどこを調べてもいいし、何なら、今ここにある証明できる物や、家まで来てもらってもいいのよ?」

「んじゃ、遠慮なく!!」

そう言って俺はまず、保険証と、身分証明書、パスポート、ポイントカード等の名前が書いてある物を思い付く限り全て出させ、確認した。もちろん、ネットの信用出来そうな情報を見ながらだ。

「パスポート……生年月日……血液型……合ってる……保険証……生年月日……血液型……事務所所在地は俺が知らないから無視して……合ってる……ポイントカードの名前全て……我妻千代子合ってる……運転免許証……生年月日……血液型……顔写真……合ってる……」

「もう無駄でしょ。いい加減認めなさい。」

「五月蝿い!!他には……」

そうやって、俺は証明できない事を証明しようとして、証拠を探し続けた。いきなり目の前に現れた女性が現総理大臣で俺の母親って言い出して、信用出来るわけが無い。

だが、ここにあるもの全てが同じ事を書いてあり、顔写真があるものも全て見た目は一致した。

「一応、そういうのは用意は出来る大きな組織に所属してるらしいな。」

「アンタも、どこまで信用しないの?」

「当たり前だろ。こんなもん信用なるか!!」

「取り敢えず、話を進めてもいいかな?無理でも、無理矢理連行するつもりだけど。」

「わぁったよ。話だけは聞いてやる。金を払え。」

「は?」

「知らない人、特にそういう事を名乗る奴は確実にヤバイ奴だって事は俺でも分かる。今ここで金を払わないと、この騒動が収まった後に、俺は警察に行って、本物の総理大臣だろうと、誘拐されて、危うく殺されかけたと証言する。だから、選べ。ここで、大人しく金を払うか、誘拐犯になって、更に殺人未遂も追加で囚われるか。」

「貴方、中々の策士ね。」

我妻は俺に対して、財布から金を渡した。その額なんと、13万円だ。

「羽振り良いけど、俺は額を指定してないのに、何故こんなに渡す。」

「私の息子だからよ。本当は1000万あげても、おかしくはないの。それぐらい、貴方の価値は高いのよ。」

そうだったのか!!コレは後で仏にいつものお礼に奢れる。もちろん、勉強面での話だが。

「それじゃあ、ついて来て。」

そう言われ、俺は我妻の後に付いていった。

だが、この時の俺はまだ、何も知らなかった。




この出会いが仕組まれていて、今後の作戦に影響が出ることを。

やっとなのか、ようやくなのかは、分かりませんが、10話目まで来れました。これからも、もっと多くの人に読んでいただける様に努力致しますので、よろしくお願いします。

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