*オオカミ男*
※準備中
オオカミ男は、とある深い森の中にひっそりと暮らしています。
誰にも見つからぬように夜中に迷い込んだ兎や鳥、
たまに人間なんかも胃におさめて暮らしています。
彼の家族はしばらく前に狩人に見つかり、撃たれて死んでしまいました。
やはり自然の動物や人間を殺してしまうオオカミ男のことを
人間はよく思っていないようです。
..とはいえ、彼らも食べ物が無ければ生きてはいけない。
この世界というものは残酷です。
ですが、ここ最近の森の中は平和で、
昼間はちょっと陽のあたる方へでて新鮮な空気を吸ったりしてもいいくらい
自由になってきました。彼は一人でも寂しくありません。
友達がほしいなぁとふと思ったりもしますが、こんな鋭い爪と牙をもつ
彼のことを恐れない人間などいるわけもない。
きっと死ぬまでずっと一人なんだろう、と彼は毎日、
曇り空を見上げながら考えるのです。
お昼は日向ぼっこをしてうとうとして、
夕暮れになると獲物を探して深い森をうろつき、
夜には静かにして、太陽が出るのを待つ。
毎日ほとんど変わらない日々を過ごしてて、少し彼は
どう過ごそうかなと迷うようになりました。
今日はいつもと違うところへ行ってみることにしました。
かすかに聞こえる流音に耳を傾けると、小さな泉につきました。
周りは花で埋め尽くされていて、強い風が吹くたび色々な色の花弁が
散ってまるで夢の中にでもいるような気分になります。
彼は素敵なところをみつけた!と
鼻の先を少し泉につけて水の冷たさを感じました。