表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

天使と悪魔

 天国と地獄にはそれぞれ、天使達と悪魔達がすんでいた。天使達と悪魔達は、もうずーっと長い間、戦争をしていた。

 ある時、怪我をした天使があった。怪我をした天使は、傷ついた体を引きずって戦場から逃れようとしていたが、とうとう力尽きんとしていた。

 そこへ、悪魔がやって来た。その悪魔もまた、怪我をしていた。それでも天使より、幾分か傷は浅いようだった。

 悪魔はまだ、体力が残っているようであった。それに、天使よりも遥かに力強い様相でもあった。

 とうとう天使は魂を失う覚悟をした。そうして、悪魔の前で動く事を止めた。

 それを見ていた悪魔は、天使の体を抱きかかえて、いずこへと去って行った。

 天使は目を覚ました。天使は周囲を見渡して、自分が何もない所にいる事を悟った。そうして、自分の体についた傷が小さくなっている事も悟った。

 そこへ悪魔がやって来た。悪魔の大きな体についていた筈の傷は、綺麗さっぱりなくなっていた。

 天使は、悪魔によって戦場から解放されたのだ。天使はそれに気づいて悪魔に感謝し、悪魔は照れ臭そうにした。

 長い月日は経った。天使は悪魔に恋をした。また、悪魔も天使に恋をした。そうして、天使と悪魔は結ばれた。

 *

 更に長い月日は経った。天使と悪魔の間に、子供は誕生した。天使も悪魔も子供の名前を決めていなかったので、顔を見合わせて笑った。

 ある時、二人の潜む所の近くで、勇ましい剣を持った天使達と、禍々しいメイスを持った悪魔達はぶつかった。

 天使と悪魔は困惑した。二人は、もはや戦争をするつもりなどなかった。それでも天使達と悪魔達はぶつかった。だから二人はとうとう諦めて、子供だけを遥か遠い所に逃がした。

 やがて二人はバラバラになった。天使は天使の軍勢に、悪魔は悪魔の軍勢に戻ったのだ。そうして、各々剣とメイスを持ち寄ってぶつかった。

 結局二人はどこかで死んだ。天使の軍勢も、悪魔の軍勢も、そんな小さな話には気が付かなかった。

 子供は遥か遠い地で目覚めた。そうして、子供は二本の脚に力を込めて立ち上がった。

 そこは真っ暗だった。何もなかった。

 子供は言った。

「光あれ」

 その様になった。更に子供は言った。

「光と闇を分けよ」

 その様になった。

 こうして、遠い地には光と闇が生まれた。そこから、世界は広がった。

 また、光と闇からやがて、天国と地獄が生まれた。

 そして、天国と地獄からやがて、天使と悪魔が生まれた。

こうして、人は生まれたのでしょうか。






-チラ裏-

あ、私は無神論者です 笑

これに関しての総評は御座いません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ