プロローグ
初心者、初投稿、初ファンタジー、あらすじなんて書いたこと無いから適当ですいません。更に文章も雑です、ごめんなさい。
大方健太。俺の名前だ。自分では普通を自称する高校二年生だ。
普通・・・・・・でも、生活に慣れてしまっては客観的に見れば普通じゃないことがあるかも知れない。
☆実は普通じゃないかも知れない、俺の私生活編その一☆
「ふぅ、極楽極楽」
俺はもう五月だというのに熱めの四十四度設定で、一ヶ月ぶりの浴槽で一番風呂だ。
それは、今日だけ・・・・・・今日だけはこうして浴槽に浸かれる。俺の生活では珍しい。
どうして今日だけの浴槽なのか。その理由は俺の妹である、大方空の約一年前の言葉が原因だった。
――お兄ちゃんなんて、大嫌いっ!――
空は十四歳、中学二年生だった。思春期真っ盛りな年代に突入した空は急にそんなことを言い始めた。前日ぐらいまで、自慢のお兄ちゃん子だったが。
その数日後、兄への反抗はとどまるところを知らずに、ついに風呂のことまで発展してしまった。
――お兄ちゃんのお風呂の残り湯に入りたく無いっ!お兄ちゃんに私の残り湯に入られたくないっ!――
そうして俺は、空によって風呂に入る時間を管理されることに。
一.お兄ちゃんはお風呂の浴槽に入っては駄目!
二.お兄ちゃんが浴槽に入る可能性があるので、浴槽にまだ湯水が浸かっていない夕方のみお兄ちゃんはシャワーを浴びてよし!
三.夕方にお兄ちゃんがシャワーできなかった場合、私が浴槽に水が入っていないことを確認して、翌朝にシャワーを浴びるのはよし!
四.私が家にいないときは、さすがにお兄ちゃんがかわいそうなのでお風呂に入ってよし!
と空の手書きのルールが俺の部屋に張られていた。その日から俺は夏冬関係なくシャワー風呂だ。
ちなみに三番の朝シャワーの確認は空が陸上部の朝錬に行っているので、母が確認をしてくれた。
以上が「実は普通じゃないかも知れない、俺の私生活編その一」だ。
正直言って、めっちゃ窮屈だと思う。この生活。
だけど、今日と言う妹がGWの合宿(一泊二日)に行っているこの日だけは・・・・・・自由だな。
「ああ、この手すりの配置いいなぁ・・・・・・この浴槽作った人マジ最高だな」
風呂に入れたとしても銭湯だったから、一年ぶりの自宅の浴槽。だから、こんな些細なことにでも関心してしまう。
『そんなに風呂がいいですか?』
「ああ!そりゃ、日本人だったら風呂が一番だろ!」
俺は久々の風呂で非常に機嫌がよかったので、威勢の良い声で答えた。
『そうですか。アナタには、これですかね・・・・・・」
「って、お前だれだっ!」
機嫌が良すぎて危うく変質者をスルー仕掛けそうになる。
『私ですか・・・・・・まぁ、アナタの目の前に現れたら、私が何かわかるでしょう。」
声の主がそう言うと、そこそこ広い浴槽の俺の正面がやたら煙たくなり、その煙の中に人影が見えた。煙はだんだん薄くなる、人影が人になっていく・・・・・・
「って、お前だれだっ!」
デジャブ。でも、そんなものを感じさせる前に、目の前の人間のインパクトが強すぎた。
――四十代半ば、中年太り、てっぺんはげが始まったのを隠すような七三ヘアーのオッサン――
親父と同世代だろう。でも親父じゃあるまいし、こんなところに居るわけの無いような人間であった。
「っ、母さっ!」
オッサンに口を押さえられる。もしかして俺はここで犯されるのか・・・・・・さらば貞操よ・・・・・・
「君の思っているようなことはしません。私の名は、ラウ・ハッピー・クローズ・ウーマン二世です。以後お見知りおきを」
「はぁ???」
ウーマンなのに目の前に居るのはオッサンでだった。明らか日本人なのにカタカナを酷使してい・・・・・・
「私は男ですよ。ウーマンと言う名を持ちますが。」
「っ、心を読むなっ!」
「失敬、本題に入ると、私はアナタに能力を差し上げようと思っています。それには、せいれ・・・・・・」
ラウの話の途中で俺は深い考察に入った。
こういう能力をくれるのは、普通こんなのじゃなくて美少女とかじゃないのか?
「・・・・・・魔女が召還術によって、せいれ・・・・・・」
こんなのがくれる能力、信用していいのか?
「・・・・・・その大量のマナで召還された彼らは肥大化し、やがて・・・・・・」
灰色高校生活も悪くないじゃないか、そんなに俺は金色や七色の高校生活を望むのか?
「・・・・・・そして、私たちはこうしてアナタに能力に目覚めさせるのです・・・・・・」
いくつかの自問。そして、俺は一つの自答をする。
「楽しそうなら、やるしかないっ!」
「・・・・・・そうですか、コレを楽しいって言う人を始めて見ましたね。」
「は?」
俺が深い考察に入っている間、ラウの話を聞かなかったので今の展開がわからない。
「じゃあ、明日の朝、アナタは能力に目覚めます。最初は能力が暴走することがあるので、注意してくださいね。」
その言葉を残し、再び浴槽は煙に包まれ、ラウは煙と共に消えてしまっていた。
翌朝午前六時、俺は頭蓋に強烈な衝撃を受け、起床した。
目の前には真っ二つなノートパソコン、開いたドアの方から妹の声が聞こえる。
寝ぼけていてはっきり意味を取れなかったが「お兄ちゃんのヘンタイ」とか言っていたような気がする。
・・・・・・まだ六時だし、昨日は風呂入ったからもう一眠りしよう。ん?
一種の違和感を感じた。
――服が無かった――
どうして、妹が俺が布団の中で裸であることに気付いたかは知らないが、妹の「ヘンタイ」と言葉にもうなずける。
家で居るのは気まずいので、いつもより早めに三十分で準備をして、登校をした。久しぶりに妹より早い。
だが、学校の校門の開門は午前七時、俺の家からの学校までは徒歩で十分。つまり二十分も余るので俺はコンビニ立ち読みで時間をつぶすことになる。
『術式、解放、能力のあるものなら、使え、恐怖を感じても、闘え・・・・・・』
「は?」
テレパシーみたく、話しかけられていないのに言葉が頭に直接伝わる。周りには誰も居ない。コンビニなのに店員も今は居なかった。
『術式、解放、能力のあるものは、その一言で能力に目覚める・・・・・・』
もう一度確認のため、周りを見る。誰も居ない、もしかして、もしかしたら俺の金色高校生活が始まるのかっ!
「術式、解放っ!」
俺の服が無残に、しゅるしゅると足元に落ちる。そうして、俺は全裸になる。だから、俺は恥ずかしさのあまり全力ダッシュでコンビニのトイレに駆け込んだ。
――俺は瞬間脱衣能力を手に入れた――
さっきの声は恐らくラウのものなのだろう。つまり、ラウは俺にこの能力をくれた。だが、しかし・・・・・・
「どこでこんな能力使うんだよぉぉぉ!」
俺は「実は普通じゃないかも知れない、俺の私生活編その二」も手に入れたのだった。