第二十話 第四の刺客……エ、この人……ですか……?
なんだかんだで一か月が経ちました!
いつもありがとうございます!
一日目は、藍原さんと、初めてのデートのような水族館巡り。
二日目は、燕尾先輩と、鑑賞会のような水族館巡り。
そして三日目は、笹草さんとこれまでの経験を活かした水族の迷宮探索。
これらの経験を経た僕は思う。
―――モテるというのは、素晴らしいことだと。
だって三者三様の可愛い女の子と水族館にこんなにも行けるんだよ?
どう考えても今までの僕じゃできなかっただろうし、元の世界じゃこれからもできてなかっただろうよ。
これはもう実質ハーレムと言って過言では無い……いや、過言あるか……。
藍原さんは色々遊びとか誘ってくれるけれど、全然僕意外にも色んな人と話してるのを見るから、これは多分勘違いすると痛い目を見るタイプ。
きっと好意を抱いたら「え、私はそんなつもりじゃ……」という高校の時の嫌な思い出を思い出すパターンなのを知っている。
いくらここが貞操観念が逆転した世界であろうとも、陰キャの勘違いは身を滅ぼすことに変わりは無い……。
そして言わずもがな燕尾先輩には昨日発覚した別の男の姿……。
いや〜〜……これ、普通にショックなんだけど。
そういう事しないような人だと思ってたんだけどな〜〜〜〜。
……まぁ僕と付き合っているわけでもないから何も言えないケドさ??
でも、、、勇気、出したんだけどなァ〜〜。
最後に笹草さん。
彼女だけは僕に対して明確な好意っぽい反応をしてくれているように見える……いや童貞だから勘違いの可能性も全然あるケド……でも、それはきっと彼女の世界に対して僕がある程度理解があるから、ってだけだろう。
僕も元の世界でこういう発言した時に乗ってくれる女の子いたら全然好きになるし。
ただまぁ、仮に笹草さんと恋愛感情に発展したとして、ずっとあの会話を受け止め続ける覚悟があるからって言われると……いや、正直、しんどい、すねぇ。
……はぁ。
この世界に来て、色んな美少女と遊ぶっていうラノベ主人公も驚きの出来事の連続だというのに……結局、僕は三か月も経つってのに誰とも付き合っていない。
そりゃ誰かと付き合いたいよ??
けど、何回も言うが、僕はまだハーレムを目指したいという気持ちはある。
三か月も経ってとか思うかもしれないけど!!!!!!
でも大学生はまだまだこれからだからね!?
この三人以外にも出会いがあれば……。
《次は~~〇〇~~~〇〇です~~~~お出口は―――》
っと、もう着いたのか……。
考え事をしてると電車ってのは早く感じるな。
はぁ~~、なーーんか、いつもと違うことでも起きないかなァ~?
例えば、幼馴染が急にやってくる的な???
まぁ僕に幼馴染はいないんですケド―――。
「―――遠野、くん?」
あぁそうそう。こんな感じで呼びかけてくるような女の子……。
……えっ、今僕の名前を呼びました??
……いや、違うか?
ここで振り向いて違ったら恥ずかしいよな……いや、でももし僕だったとして無視したら女の子相手に印象悪いし……。
ちょ、ちょっとだけなんか後ろ振り向く感じで様子見てみるか?
あくまでさりげな……く……。
と、あまりにも不自然な形で振り向いて、名前を呼んだであろう女の子の顔を見て、僕の心臓は大きく跳ねた。
どこかで見覚えのある女の子。
落ち着いた雰囲気でありながらも少し華やかさがあるその人は―――。
「……え、っと……? 日向、さん……?」
僕が、過去に観覧車で無残な結果を迎えた相手。
高校時代の同級生である、日向 雪乃さんがそこにいた。
ただ、この時の僕は、高校時代からの後ろめたさよりも先に。
―――果たして、この世界においては僕の過去はどのようになっているのかが思い浮かんだ。
僕は恐らく大学入学のタイミングでこの世界に来ているはず。
となれば、僕の過去である高校時代はあくまで僕の過去と同じなのか。
それとも、並行世界の中で少し変化があるのか。
もし、後者であるのならば、僕は一体どのような行動をしていたのか……。
「そうだよ~、違う人だったらどうしようかと思った~」
日向さんは、僕の記憶にある高校の時と比べてややおっとり目にそう言って、何でもないような顔で僕の目の前に歩いてきた。
え、このまま話続けるんですか?
いや、気まず。
「あっ、えっと、こ、あ~」
やばいな。思ったよりも緊張しているぞ?
なんて言えばいいのか全く思いつかないぞ?
久しぶり……?
ここで会うのは珍しい?
いや、ちょっとキモイか?
「あ~遠野君って大学こっちなの~? っていうか……一人暮らしだったりする~?」
「う、うん。駅からちょっと歩いたとこに……住んでるけど……」
「そっか~」
……あれ?
会話終わりましたけど。
えっと、これは、家に帰っていいんでしょうか?
な、なんで日向さんも全然こっちを見ないで爪を弄ってるんですか?
か、帰りますよ????
「あ、そ、それじゃ……」
そうして僕が気まずさから、その場を立ち去ろうとした時。
彼女はこう言った。
「……高校の頃のさ~。修学旅行、遠野君、覚えてたりする~?」
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