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第一話EX 優しいだけじゃだめなら、少しぐらい強引でも許してくれるよね?

たくさんのブックマークありがとうございます。

励みになります。


私は、正直自分でも顔が良いと思う。


生まれ持ったこの綺麗な顔に、整った黒髪。それに名前だって可愛い。

藍原 唯よ? 可愛すぎて自分でも驚くぐらい。

まぁその影響で私は自信に満ち溢れる元気な性格になった。


誰にでも気軽に話しかけれる優しい私。

そんなのモテないほうがおかしいでしょう?


けれど、なぜか私には彼氏がいない。なぜ? ホワイ?


……いや、理由なんてわかりきっているの。


「はぁ、なんで世の中優しいだけじゃモテないわけ? ……いっそクズみたいに振舞えば……っていやいやできるわけないじゃない今更……」


優しいだけではどうしても男性からは、あくまで良い人としか見られないようで、すぐに彼氏ができるのは少し荒っぽい人や男性に対して粗雑に扱うような人。

世の中の遺伝子の仕組みは狂ってるとしか言いようがないわねまったく……。


とはいえ、ここまで真面目で優しく生活してきた以上、今更そんな風にやろうにもぎこちなくなってしまうわけで。

だけどそれでも彼氏をつくってドラマや動画で見る男子との甘々の青春は送ってみたかったなとも思うわけで……。


「まぁ、女子と一緒にゲーセンに行きまくったり深夜まで夜通しゲームとかやってる自分も悪いとは思うけどね? ……でも、それも今日までよ! 大学に入ってついに念願の一人暮らしも始めたし! 明るく振舞って友達と彼氏をつくって家に呼んじゃったりして……んふふ!」


おっと、そのためには決してゲームオタクだとバレないようにしないといけないしこの笑い方もやめないとな。


大学生活一日目は何より印象が大切だからね!

私のこの可愛い笑顔で全男子を虜にして、イケメンと付き合うんだ!!


と、そう息巻いて家を出て、すぐに、私は驚くものを目にした。


ん、あれって……え、なんか怖いヤンキーが男の子に絡んで……ってえ!? めっちゃ顔いいじゃん!? これってもしかしてナンパかな!?

初めて見た……じゃなくて! え、いや、どうしよう!? これってドラマみたいに助けたほうがいいのかな!?

いや、でも他の人がいるかも、って周りに私しかいないし!?

え、えぇ、でもでも、もしかしたら男の子は嫌がってないかも―――。


私がふとその絡まれている男の子を見やると同時。彼は助けを叫んだ。


そこから先は、体が勝手に動いたとしか言いようがない。

まるでヒーローのようなセリフだけど、ただ、この時は本当にそれどころじゃなかった。


「あれ? ゆうや? ゆうやじゃん! 何してるの? この人誰?」


咄嗟についた嘘の言葉で、彼がこれの意図を汲んでくれるかは分からなかった。

だけれど、彼もそれに合わせてこちらに気づいて……ってうわ、近くで見たらよりイケメンだな!?

っていやいや今はそうじゃなくて!

この女性から……いやめっちゃ睨んでるんだけど!?

ひぃい、怖い……けど、男の人の前でかっこ悪いところを見せるわけにはいかない! 負けるな私!


「ふーん? 今日は私と学校行くって言ってたのに……それで、どこに行きたいんですか? 私が案内しますよ?」

「……いや、別にもういいし。じゃ」


よーし! 勝ったぞー!

めちゃくちゃ怖かったけどなんとかなってよかった……。

ってなんかまだ睨んでるし、何?


「ーっつうか、別によく見たら顔ブスじゃん? てか彼女いるなら言えよきめぇな」


いや、口わっる!?

ナンパ邪魔されただけでそんな言う!?

っていうか別にこの人ブスどころかイケメンですけど!?

もう……ここは私が励まして……ってあれ? なんか別に気にしてないな?

むしろ納得してる? なんで!?


ナンパをされても、嫌なことを言われても特に気にしないどころか、小動物のように震えながらもむしろ私のことを気にかけるような視線。

そんな彼の初めの印象は、不思議な人、だった―――。


……まぁ顔がいいからそれすらも魅力的だったけど。






さて、思わずかっこつけちゃったけど、なんか今になって恥ずかしくなってきたな?

別に下心があったわけじゃないけどさ?

下心じゃないけど、ここから何かあったりしないかな?

れ、連絡先とか渡してくれちゃったり!? きゃー! いや下心はないけどね?


「あ、えっと、さっきはありがとうございました……!」


って、そんなドラマみたいなこと起こるわけないよね~。


「いえいえ~! なんか困ってるように見えたから勝手に助けちゃったけれど、大丈夫でした?」

「い、いや! 本当に助かりました! 危うく大学の講義に遅れるところで……」


というか、さっきは顔だけ見てイケメンだなぁ~って思ってたけど、なんかこの人可愛すぎない?

顔が良いからそう見えるかもしれないんだけど、思わず守ってあげたくなるような庇護欲的な?

こんなにオドオドしてたらまた怖い人とかに捕まっちゃうよ!? 私が守って……。

って、あれ? 大学の講義?

なんか大学生ぽいなとは思ったけど……。


「この近くってことは水蓮大学?」

「はい、今日が初めての講義なので遅れたら大変でした……」


えーーー!!!

待って待って!?

それって私がこれから通う大学なんですけど!?

これが運命ってことですか!? 神たまはいたんでちゅね!?

こんなのドラマとか二次創作でしかみたことないよ!?

こんなイケメンで可愛い男の子と私が、いやそんな幸せあっていいんですか!? いいんですね!? ありがとうございます!!!!

で、できれば一緒に大学まで行けたりとかって―――。


「あ、じゃ、じゃあ! 本当にありがとうございました!」

「えっ――‐」


男の子はそうお礼を言ってすぐに先に行ってしまった。


……ま、現実なんてこんなもんすわ、はぁ……。

まぁ確かに下心がなかった、いや少しもなかったわけじゃないにしてもさ?

もう少しお話とかしたかったなぁ……。

やっぱり優しさだけじゃなくて強引さも必要なのかな……。

もし次大学で会うことがあったら勇気出してみようかな……?


ん? っていうか、あの人今大学とは違う方向に歩いて行ったけど……。


「大丈夫……かなぁ?」


そんなところも可愛いネ。んふふ。







大学につくとすぐに掲示板に各講義の案内が書かれていた。

内容に従って講義室へと進み、私は何気なく真ん中の窓際の席を確保した。


だって前のほうは寝ちゃったら怖いし、後ろは見えないし……。

際のほうが落ち着くんだよね~。


って、いけないいけない。何気なく落ち着いちゃったけど、ここには私の知り合いがいないから、まずは友達をつくらないとね!


そして周囲を見渡して、思う。


……なんかもうグループ出来てない……?


この時、私はすでにSNSで今年の入学者グループができていたことを知らなかった。

それもそのはず、この大学に通う友達は誰一人とおらず、そもそもネットなんてものはゲームの仲間をつくるためのもので、まさか入学前からすでに交流会が開かれているなんて誰が予想できようか―――。


え、私もしかして大学ぼっち生活開幕ですか?


詰むの早くない?

有名な将棋棋士ですらここまで早く詰めることできないと思うよ?


えー……どうしよう、席移動しようかな……いや、逆になんか今更違う席に行くのも恥ずかしくない?

え、いや、どうしよ―――って、あ、あ、あれは!?


「―――あれっ、君、さっきの!」


この顔!

そしてこの挙動!

間違いなくさっき女の人にナンパされてた可愛イケメンんじゃん!

こ、こんなの話しかけろって神様が言ってるじゃん? 運命じゃん?

えーっと、と、とにかく何か話を続けないと……!

えっと、えっと。


「さっき同じ講義だからって言おうと思ったんだけど先に行っちゃったから驚かせちゃったよね? ごめんごめん!」


ギャー早口になっちゃった!?

え、オタクってバレてないよね!?

いや最悪それはバレてもいいけど、男性経験ないのがバレるのだけは嫌だ!!

これなんか私だけ緊張してるみたいじゃん!?

っていうかなんか引いてない? 大丈夫?


「いや、僕の方こそ先に行っちゃってごめん……同じ大学でゃってゃんだね!」


……え? なにそれ可愛い。

今噛んだの? 嚙んじゃったの?

もしかして私と会話するのでも緊張しちゃってるの? 可愛いね? んふふ。

っと、危ない危ない。危うくニヤニヤしちゃうところだった……とにかく平静を装わないと……。

平静を、平静を……。


「あ、よかったらここ座る?」


Hey Say yo?

おい、私の平静どこ行った。

今私は自分が放ったとんでもない言葉に一番驚いているんだが???

よかったら座る?ってなんか気持ち悪くないか???

ほら! なんか引いてるじゃん!

はい、さよなら、私の第二の青春。

私の大学生活は今、終わりを迎えましたと。


この人は私と違ってきっと他に男友達がいるに決まってるじゃん……あぁ、恥ずかしい。

勘違いして、早とちりして……。ほら、やっぱり勇気なんて出すもんじゃな―――。


「……あ、もしかして、他に友達のところ座ろうと―――」

「いや! ただ、いや、あの、座って、いいの? 大丈夫……?」


―――え。

座 っ て く れ る の ! ? ! ? 

え、何この人大丈夫!?

私が言うのもなんだけど、見ず知らずの女の人の横に気軽に座るって大丈夫!?

無防備過ぎない!? 簡単に襲われたりしない!?

いや私は襲わないけどね!!

いやでもほんと……あっほんとに座ってくれた……いい匂い……男の人の匂いだ……。んへへ。

なんで男の人ってこんないい匂いするの? シャンプーなの? 柔軟剤なの???

ん、あれ、何か言いたそう?

え、なんだろう!? ここから始まるラブストーリー的な!?


「そういえば、名前……」


いやもう、知ってましたって。

そりゃそうだよね、名前知らないもんね、まず。

いや、にしてもこの人、名前も知らない女の子の横になんで座れるの?

ねぇもしかして私のこと好きなの?

勘違いしてもいいんだよね?

それならちょっと距離詰めてもいいよね? ね?


「私の名前は藍原だよ! 下の名前が唯だからどっちでも好きなように呼んでね!」


口ではこう言っているけど、もちろん下の名前で呼んでほしいに決まってる!

どう考えても下の名前で呼んでくれたらもう好きだってことでいいよね?


「藍原さん、よろしく。あ、と、僕は遠野……す。なんか呼び名は、適当に何でもいいよ」


ひ、ひぇ~、さんづけ~……。

一番距離のある呼び名きた~……。

えんえん。可能性はやっぱりないんですか? 思わせぶりですか!?

もう、こうなったらやるしかない! 今! ここで!


「遠野くんか~、下の名前はなんて言うの?」

「え、あ~陽太。太陽を反対にして陽太。あんまりぽくはないけどね!」


うーん! なんかいろいろ言ってるけどそんなの関係ない!


「いやめっちゃいい名前じゃん! じゃあ陽太って呼んでもいい?」


秘儀! 名前呼び!

男の人との関わりで大切なのは最初のイメージだからね!

まぁ本で読んだ知識だけど……。

名前で呼ぶことによって他の人との差もつけれるし?

ていうかこんなイケメンで可愛い子なんて大学デビューしたら先輩にちょちょいって流されちゃうんだから私が絶対に阻止してあげる!

私が守ってあげるからね!!!!!

っていうかもう君に私の大学生活がかかってるんだから、絶対逃がさないからね!?


「よろしくね! 陽太くん!」







正直、大学生活最初の講義は、まったく頭に入らなかったね。

だって、めっちゃタイプの男の子が隣の席で真剣な顔して講義受けてるんだよ?

そんなの見ちゃうに決まってんじゃん? あっ今難しそうな顔してる、可愛い。

綺麗な横顔……長いまつ毛……柔らかそうな唇……あぁ! 主よ! どうして男女で簡単に触れ合うことができないのでしょうか!?

ワンチャン手が滑って抱きつけたりしないかな?っていやいや、それは犯罪か。

……いや不可抗力は犯罪じゃないのか……?


しかしどうしたものか。

このまま講義が終わってお別れになるのは嫌だな……かといって向こうは全然私に気なさそうだし……。

なんで? どうして?

こんなに顔がよくて性格もいいんだよ?

私付き合ったことないけど一途だし、暴力もしないよ???

もしかして君は強引なのが好きなの?

うぅ、あまり気は進まないけど行こう! 私、顔だけなら良い線いってると思うし!


「ねぇ陽太くん、この後予定ある?」

「うぇ、予定? ちょ、ちょっと待ってね?」


そう言って彼はスマホを散りだして急いで操作していた。

で、もう私は全力でお祈りよ。

ここで予定あるなんて言われたらもう大学生活は終わりだね。


「うん、特にないけど……どうかした?」


よしキターーー!

第一フェーズクリア!

そしたら次つぎぃ!!!


「もしよかったらこの後、一緒に遊びに行かないかな~、って思ったんだけど……」

「えと、あ~……」


ハイ終了。解散解散っと。

ゲームオーバーです完全に。

もう人生はクソですクソ。


「あっ、やっぱダメ、かな?」


そりゃそうですわ。

ただ話しかけただけの女となんか行きたくないですよね、そうですよね―――。


「うううん!? いや全然大丈夫だよ? 行こう!?」


―――えええええええええええええええええええええええ!?

なにこれ、大逆転満塁ホームラン?

はい、人生は神です神。

これは夢なの? いや現実か。


……本当に現実か?





「よ、陽太くんはどこか行きたいところある?」


さて、問題はここからだ。


「うーん、えっと、藍原さん何か行きたいところはある?」

「あ、あーっとそうだね~、とりあえず歩こっか!」


そう。問題とは、行き先が決まっていないこと。

私はこれまで放課後はゲーセンに寄ったり友達の家で集まってゲームとか……いや、ほんとにひどい生活してたな私……。

ってそんな後悔は今はどうでもよくて、とにかく男の子と出かけたことがないから要領がわからんティウス。

さすがに今、私の家に男の子をいきなり連れて行くのは引かれかねないし、とりあえずは嫌われないことを目標にしなきゃいけない……んだけど……。


まーーーじで男の子がどこに行くのかわかんないよぉ……!


陽太くんと少し話した中で分かったのは、どちらかといえば彼は奥手だということ。

まぁそもそもイケイケの男の子なら仲良くなってないかもだけど。

はぁ、女の子が男の子をエスコートするのはこの世の当たり前だしなぁ……私が思う彼の行きたいところを探して……って、どこを見て―――っえ”。


「陽太くん、ゲーセ……ゲームセンターがどうかした?」


え、今見てたのってゲーセンだよね?

隣にあるよくわからない散髪屋じゃないよね?


「あ……えっと、実は昔は何度か行ってたんだけど、今どうなってるのか気になっちゃって……あ、でも! あ、藍原さんがいるから今日は大丈夫だよ! 本当に!」


おいおいおいおい、こんな奇跡があるってぇのかい?

気になるタイプの男の子と大学初日に放課後デート的な!?しちゃって?

まさかの同じ趣味ですかい!? 最高じゃん!?

これはもう!


「えっ、行こうよ! 今、一緒に遊べるのたくさんあるんだよ! 私が教えてあげる」

「あ、え、いいの!? え、と、じゃあ行こうかな……!」


よしよしよーし!

これはもう陽太君に良いところたくさん見せて、かっこいいって思ってもらえるように頑張るぞーー!!!!





しばらく陽太くんと遊んで、私は気が付いたことがある。

それは―――。


「藍原さん! これってどうすればいいの!?」

「えっとね、それはこう流れるようにして―――」

「おぉ! すごっ! 出来た! ありがとう!」


―――陽太くんが、愛おしくてたまらないということ。


いやまぁ会った時から可愛らしさもあって庇護欲半端なかったけど、なんていうか、まじでキャパオーバーレベルで可愛すぎる。困ってる。


「あっ、あの、藍原さん……これはどうやったら…いいの…?」


おいなんだその上目遣いは。

君のほうが身長が高いのにどうやって上目遣いできるんだそれは。オイ、聞かせてくれヨイ。


「これはね―――」


私は生粋のゲーム好きで、今までずっといろいろなゲームをやってきた。

それこそゲーセンにあるものは大抵やったといっていいぐらい。

だから、正直男の子と来てもあんまり前と変わらないんじゃないかなって思ってた。

むしろ今までゲーセンに彼氏連れてきてる女は全員嫌いだったし。


だけど今、私は。


「うおーっ! 藍原さんすごいね!? うわー! 次は勝つわ絶対!」


うん。

最高に楽しい!!!!!!!!!!!!!!!!


ゲーセンに彼氏連れてきてる女の気持ちがこれならば、確かに連れてくるのも頷ける。

これはやばいわ。


私がいくらゲームに熱中してしまって語りだしても決して引かないで話を聞いてくれて、なによりゲームをやっているときの真剣な顔がまた……良い。

うん、眼福ってこういうことを言うんだなぁ……。


これは、初めて男子とゲーセンに来たから楽しいのだろうか?

それとも陽太くんとだから楽しいのか?


そんなの決まっている。


「ね、ねぇ藍原さん! 次はあれで勝負しない!? 今度こそ僕が勝つから!」


そう笑顔で口にする、愛しい男の子。

これがどういう気持ちなのかを理解できないほど私は鈍感じゃない。

いくら恋愛経験がないからとはいえ……。


「もちろん! 次も負けないからねっ!」


あぁ、私はなんて単純な女なんだろう。

そう心の中で思うものの、もはやその気持ちは溢れていくばかりだった。





ある程度を楽しみ、そろそろ暗くなってきた時間。

私と陽太くんはゲームセンターを後にして、何気なく歩いていた。


ふと横を見ると、夕日に照らされた奇麗な横顔に思わず見とれてしま、えっ彫刻? あぁ、陽太君か。

綺麗すぎて間違えちゃったよ。

……にしても、本当に楽しかったなぁ。


あぁ、告白しちゃおうかなぁ……。

いやでもまだ会って一日だし流石に引かれちゃうかな……?

ここで引かれたらもうこうやって遊べないんだもんね?


あぁ、でもここで告白しなかったら、きっと陽太君はモテるだろうし、なんかガード緩いからすぐ襲われちゃいそうで……。


自分の気持ちを理解した私は、不遜にも汚い感情が渦巻き始めていることを感じていた。


「ねぇ、陽太くん」

「……ん?」


この人と付き合いたい。

この人の魅力に誰も気が付かないでほしい。

そして私以外にこんな笑顔を向けないでほしい。

私とだけ一緒に出掛けてほしい。


でも、それは彼には決して言えない。

そして伝わってもいけない。


……だから。


「もしよかったらさ、また遊びに行かない……?」


決して陽太君に他の女が近寄らないようにしなきゃいけない。


「いいの!?!? い、行けるなら行きたい……!」


あぁ、可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい可愛い愛おしい陽太君。

今まで恋愛をしてこなかったからなのかな、自分がこんなにもゆがんだ感情を抱くなんて思ってもみなかった。


ダメだよ陽太君。そんなに簡単に女のことを信じちゃ。

私みたいに汚い感情を持ってる人ばかりなんだから。

私だから感情が抑えられてるだけで、他の人だったらこうはいかないんだよ?


「それならよかった! 今日はありがとね!」


あぁ、でもそれも、全部―――。


「あ、あの! も、もしよかったら、れ、んらくさき……とかって……」


―――あぁ、どうしよう。


「えっ! いいの!? もちろん! これ、私のバーコードだよ!」


―――まずい。けど、止めることなんてできない。


「えっと、それじゃ、陽太くん、また明日ね! 私もう帰るね!」


―――このまま一緒にいたらきっと―――自分の気持ちを抑えられない。


私はそう言い残して足早にこの場から立ち去る。

少し印象は悪かったと思うけど、陽太くんはきっとそんなことは気にしないでくれる。


歩きながら先ほど交換した彼の連絡先を見て、思わず足が速まる。


あぁ、陽太くん。貴方の何もかもが欲しい。

今はまだ出会ったばかりだけど、大学生活はまだまだ始まったばかりだから。


―――ずっと私が一緒にいて、守ってあげるからね―――。

【応援お願いします!】


「続きはどうなるんだろう?」


「面白かった!」


 など思っていただけたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!

 

 ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


 何卒よろしくお願いいたします!

 

 更新は"不定期"【AM1時】更新予定です!

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藍原さん視点おもろすぎるw
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