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第七話 運命の相手と遭遇!? あぁ、いや、比喩じゃなくて、あの、アレだよ……アレ。

最近書くのがとても楽しいです。

これも皆さんの応援のお陰です。いつもありがとうございます。

今日も頑張ります。



藍原さんと燕尾先輩が僕のもとを立ち去ってから、数分後に僕の時は動き出した。


……ううむ。

いやいや、燕尾先輩は確かに良い人だよ?

まぁ、ちょっと変かもだけど気遣いはすごいし尊敬もしてるよ?

……でもあれはどうなのよ……。

いや、僕が元居た世界で考えれば、顔がいい男を略奪しようって思う女子と同じ感覚なんだろうか……。

理解はできないがな!!!!!


ていうかさ、藍原さんも僕と楽しく話していたじゃん??

あれは嘘偽りだったってのかよぉ……!

目の前にイケメンが来たら……いや、うん、これは仕方ないか。

僕だって目の前にめちゃくちゃ可愛い子来たら普通にワンチャンあるかもって思っちゃうもんな。うん。


しっかしまぁ、これが俗にいう"負けヒロイン"って奴なんかね~……はぁ。


なーんか、もう一人の女性に固執しないで色んな人と仲良くなったほうがいい気がするな。

……って、いやだから僕に女の子が寄ってこないんだって……!


……え、詰み???


そんなことを思いながら茫然自失のまま歩いていたら、気が付けば既に駅前付近まで辿り着いていた。


……もうそんな場所まで来てたのか。

いやぁ~最初は楽しかったんだけどなぁ~……。


うん、こんな悲しい場所からはすぐに帰ろう――と、そう思った瞬間。


「その顔……まさか……!?」

「……???」


唐突に目の前にいたツインテールの地雷系、だっけ? の女の子が声をかけてきた。


しかし当然だが僕にこんなツインテールの地雷系の知り合いなんて存在しない。

それなのに僕に声をかけてきた、ということは、間違いなくナンp……。


……うん、あの、その前になんでこの人ツインテールに包帯をぐるぐる巻いてるの????

いや、今はそういうお洒落が流行ってるのか……? 

大分攻めたファッションを……っていやワオ! 顔めっちゃカワヨイジャン!?


ツインテールに気を取られちゃったけどいやめちゃくちゃかわいいぞ!? 

これは藍原さんと同レベル……!

いや、藍原さんが正統派のアイドルならば、こちらはどっちかっていうと地下アイドル的な顔だけど、いや可愛いぞ?

控えめに言っても可愛いぞ? え、最高か?


「あの、僕に何か……?」


なーんてとぼけてみたけど、僕は知っている。

むしろ今まで邪魔が入ったりしたせいで遅かったぐらいだ。


ようやく! 僕はこの世界に来たことの意味を知る!!!!!


さぁ! 逆転世界の女の子よ! 僕をナンパしてくれ!!!! ついていくぞ!!!!

心の準備はいつでも万端だぜ!!!


「そんな……まだ記憶が目覚めていないのね……」


ん?

記憶?

目覚め?

なんのこと―――?


「―――ッピィェッ!?」


僕が彼女の発した言葉に疑問に思っていると、唐突に彼女は僕の両手をしっかりと包み込み、一枚の紙きれを手渡してきた。


彼女の手は冷たくも、柔らかく。まるで触れたら壊れてしまいそうな繊細さで……って、紙切れ?

なんだこれ?


「大丈夫よ……安心して。貴方もすぐにこの世界の"真実"に気が付くはず……もし何か記憶を取り戻したらそこに連絡して……じゃあ私は行くわ……またね、ニュート」


そう言って彼女は踵を返すようにして立ち去って行った。

残ったのは電話番号が書かれた白い紙と、呆然と立ち尽くす僕。


いや僕はニュートじゃなくて陽太なんですケド……という突っ込みはこの際置いておいたとして、だ。


「……この世界の、"真実"……って……まさか……?」


そう、彼女の言っている世界の真実という言葉。

これがもし、僕がいるこの逆転世界の話だとすれば……?


「あの人は一体……」







帰宅後、僕はベッドの上で、例の電話番号が書かれていた白い紙と対峙していた。


緊張、するなぁ……。


もし、自分のいるこの世界が、架空のものだったらどうしようか。

あと、正直今まで友達もいなかったから自分の携帯で誰かに電話するのが初めてだから何か間違えたりしちゃったらどうしよう!? これって普通に番号押せばいいだけだよね!? 変なとこに繋がったりしないよね!? あと女の子に電話かけるってことだよね!? 別に向こうからかけてきてって言われたんだからセクハラとかでもないよね!?


だがしかし、かけるしか道はない。


えっと、080……ってなんか、真実を知ってる人にしては案外普通の電話番号だな……まぁいいか。


そうして番号を打ち終わったとき、呼び出し音が鳴り始める。


一回……二回……三回……――……六回……八回……いや、長くねぇ???

あれ、電話番号間違ってたかなぁ?

いっかい切って掛けなおしてみるか―――。


「もしも―――プツッ」


……あ。


……やっべ~……切るタイミングと出たタイミングが重なっちまった……。

うわ、気まず……え、これ掛けなおすのマジ?

え~……いや、迷惑電話かと思われたんじゃない? 大丈夫?


Prrrrrrrrrr。


おわっ、びっくりした……ってこの電話番号、折り返しか??

……出たほうがいい、よな?


「あの、もしもし……?」

「……記憶は戻ったの?」


おぉっ、本当にあの子の声だ……!

すげぇ! この僕が電話することができるなんて……! それもあんなに可愛い子と!!!


……てか、なんか、耳元から声が聞こえるの……イイな……。

これは確かに世の中でASMRにはまる人がいるのも頷ける……ってそれよりも!


「戻った、というか……この世界の真実って……もしかしてこの世界が急に変わったことと何か関係があるんですか……?」


彼女が口にした、世界の真実。

それは僕にとっては厨二病と言ってしまうには、あまりにも芯を食った言葉だった。

だから、それを知る彼女に、僕は聞く必要がある。


なぜこの世界に、僕が来たのかを―――。


僕の言葉に、しばしの沈黙の後、彼女は語りだした。


「いいわ、聞かせてあげる。 ……けれど、聞けば後戻りはもうできないわよ? それでも、聞く覚悟が、貴方にあるの?」

「……もちろん」


そして再びの沈黙。

その静寂は、まるでこれから話される嵐という名の真実の前の静けさのようだった。

そして、彼女は再び言葉を紡ぎだした。


「……この世界は、ただの仮初の世界。人々は目の前の幻想に囚われ、本質を見失っている……」


仮初の……世界……。

僕は息を吞み、彼女の言葉に耳を傾ける。


「人々は何も知らず、偽りの光に導かれ、無意味な日常を繰り返している。……果たしてこれは真実の世界と言えると思うかしら?」

「……えっ? え、えぇと……」


僕は彼女の言葉に驚いた。

なぜなら、彼女の言葉の意味が―――まったく理解できなかったからだ。


え、なに? 要するにどういうことなんだ???

ていうか問いかけてくる感じなんだ??

えっと、確か、偽りの光……無意味な日常……って言ってたっけ。


―――はっ、もしかして、偽りの光とは、この世界に来た唯一の異端である僕……!?

であるのなら、無意味な日常というのはやはりこの世界は……。


「偽物、なんですか……?」


確かに、世の中よくよく考えてみれば異世界転生や転移なんてあまりにも現実離れしすぎている。

今まで僕が過ごしてきたこの日々が……偽物の世界の、想像の夢物語……ってこと、なのか……!?


「ふふ……賢い人は……す、好きよ。……そう! 本当の世界は幻想の向こう側にある! それに気が付いた者だけが、真の世界の扉を開かせる資格を手にするの。……ただ、真の扉を開けるためには……その……運命の覚悟が必要になる! き、君にすべてを私に捧げる覚悟があるかしら……?」


幻想の向こう側……真の世界の扉……なるほど、よくわからん……。

けど、きっとこの人なら僕のわからない真実を解明してくれるだろう! わからないけど!

まぁとりあえず、いったん話は合わせておくか……。


「もちろん! えっと、なんだっけ、全てを捧げます!」

「……ピャッ」


……ピャッ????

え、何今の声……。動物の声みたいな……ん、気のせいか????

あ、ていうかそういえば。


「……あの、そういえば、名前はなんて言うんですか?」


この人の名前全然聞いてなかったな。

あ、そうだ、この連絡先に名前書いてあるっけ。

なになに~? 笹草……心に、愛? なんて読むんだこれ?


「ふふ、運命の者よ。我が名をしかと聞くがよい! 我が名は最高位天使より授かりし世界の命運を宿したこの世の秩序を守る名―――グラスよ!」



??????????????????????

??????????????????????

??????????????????????


……????


「どうした、運命の者よ。そ、そなたの名も告げるがよい!」


??????

????????


「え、えっと……あれ、通話切れてるのかしら……? あっ、いや、繋がってるじゃない! んんっ、どうしたのだ、運命の者? あ、あれ、大丈夫?」




あ~~~~~。

なっっるほど、ねぇ~~~~~~~~~。

そういうことか~~~~~~~~~。




「あの……名を名乗るのはいいんですけど……その前に、この世界って何が偽りなんですか?」

「えっ!? え、いや、それはほら、この世界は仮初だから……」

「仮初なのはなんですか?」

「か、仮初……えっと、あーっと、ちょっと待ってなさい!!」


そう言って、電話の奥ではなにやらドタバタと何かを漁るかのような音が聞こえてくる。

隙間合間には、なんとも普通の可愛らしい女の子の困惑した声が聞こえてきており、そこで僕は確信に至った。



この人……ただの厨二病だな、これ……。




僕がそう確信に至るのと同時、電話の向こうでは大きな声で"あったわ!"と叫ぶ声が聞こえてきた。

いや、あんまりそういうリアルが透けるのは言わないほうがいいんじゃないかな……。


「えっと、仮初の世界についてだったわね! そう、この世界にはパラレルワールドっていうものがあって、えっと、それで……まぁこっちの世界は偽物で、本当の真の世界があるのよ! わかった!?」


……もはや、正当性の欠片もない理論に思わず笑ってしまいそうになったが、しかし僕の中に、徐々に、ある感情が沸き上がり始めた。


―――あれ、なんかこの人、最初は変な人だと思ったけど、なんか可愛いな????


いや、既にめちゃくちゃ可愛い顔を見てるからそう思っちゃうのかもしれないけど、なんていうか親近感……?

それに、こんな陰キャな僕でもいじれる相手……え、好きだが??????


なんていうか、ここまでくれば最早名前が"最高位天使より授かりし世界の命運を宿したこの世の秩序を守る名、グラス"さんでも全然気にならないな???


「えっと……それと、いいかしら? 私たちはすでに盟約によって結ばれている……だから、その……あの、明日も、通話……じゃなくて! この世界の真理を解き明かす会議をするわよ!! いいわね!?」


あぁ、なんだろう。何を言っても可愛く感じてしまうな。

ってえ!?


「明日も通話していいの!?」

「っえ。えぇいいわよ、もちろん、私たちはもう、運命の命友だもの!」


マジかよ、なんてこった!!!

それならーーー!


「毎日しよう!!!!」


おいおい、なんか今日は残念なことがあったけど、こんな美少女と明日も通話できるなんて……。


まったく、この世界は最高だぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

【応援お願いします!】


「続きはどうなるんだろう?」


「面白かった!」


 など思っていただけたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!

 

 ブックマークや感想もいただけると本当にうれしいです。


 何卒よろしくお願いいたします!

 

 更新は"不定期"【AM1時】更新予定です!

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