書く力、の前に、読む力
――とにかく小説を書いてみたい。書く作法は分からないが、とりあえず書き続けていれば、いつかは形になるはずだ。
それはまるで何の指導も受けずに、見様見真似だけで複雑な競技に挑むようなもの。競技のルールも知らなければ、どのように身体を動かし、どうすれば適切なプレイが出来るのかも皆目見当が付かないまま、その競技にチャレンジするのに等しい。
なろう小説家志望に圧倒的に多いのが、読む量の少なさからくる文章の稚拙さだ。たとえ読んでいたとしても、同じくアマチュアが書いたなろう作品であったり、漫画であったり。文学とまでは言わないが、まず自分に合った文体を持つ、分かりやすい文章を書くひとの作品を読み込み、分析する必要がある。本来であれば。
かくいう私も小説はまったくと言っていいほど読まない(え)。読むのは大体新書の類くらいで、結論のみを書かない小説という迂遠な形態は、とんと苦手 ――であるにも拘わらず、最近、小説を書いてみたいという欲求に駆られている。
さて困った。自分に合った文体の小説など、いったいどこにあるのかも知らなければ、小説自体を読む気もない。にも拘わらず書いてみたい。正に前述のなろう小説家たちと同様の行為に走ろうとしている良い年したオッサンがここにいる。目も当てられない。




