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フクロノネズミ ―魔導騎士物語―  作者: ボブ
第五章 世界的季節の恒例行事編
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第八十二話改 討伐!厄災級魔物 その5

『総員、接敵までの時間は2時間!但し海の魔物との交戦が懸念材料となるが総隊長が全て排除する為、進軍に注力!』

『『『『『イエスマム!』』』』』


『アシュリン准将?魔物、全部私の担当??』

『はい、空が飛べて遠距離攻撃が可能で上から接敵が見えやすい総隊長が適任です。』

『はい……。』


 チッ、2時間あるならそこまで楽出来るかと思ったのに……。


『あの、総隊長?』

『今度は何?アシュリン准将……。』

『【浮揚機構・改】は決して手放しで動く訳では無いですからね?』

『何も言ってないのに何で解ったし!』

『同士ですから!』

『ああ、そう……。』


 確かに【浮揚機構・改】は手放し操作は無理ではないけど海は波というものがある以上、全員ハンドレバーとフットレバーの調整による操縦が必要不可欠だからね。


『しかしそこは私!全員の座席はお尻が痛くならないように鞣したオーク革によるソファー仕立てにしてみました!』

『魔導鎧の操縦席に快適さを求める人は誰も居ませんよ?』

『……………私の努力は一体……。』


 まぁ全員がこの快適さによって誰もお尻が痛くならず考えを改めるのだけどそれは後々の事であった……。


『さて、早速海の魔物のお出ましだね!二式魔導銃(マギ・スクロペトゥム)【スターダスト】!』


 ライフル形状の二式魔導銃を手に一気に空から海に向かって撃ち、倒した魔物に意識を集中して【収納袋】へと入れていく。


 当然、これも行軍中の事なので立派な予算に変わる!ちなみにスターダスト(星屑)と付けたのは私なのだけどこの世界にはそういう言葉が無いので英語から登用。


『ふぁーはっは!この海の屑共めが!ですか?』

『誰もそんな事言ってないんだけど!?』


 アシュリンさんが同士化して以降というもの。

 度々勝手に私が言ったかのように代弁する事があるのだけど出来れば辞めていただきたいものだ、っていうか無い言葉からどう思い至ったんだか……。


『総隊長、左300にクラーケンです。解った、すぐに絞めてやっからのぅ思い知れや!次、右500にサーペントの群れです。まとめて地獄に送ってやっからのぅ!そして正面1000にリヴァイアサンです!誰の正面遮っとるんやおんどりゃぁぁぁ!』


『なんで返事を待たないで1人で勝手な事言ってるの!?っていうかこの海魔物多すぎじゃない!?』


『こんな北の海に出張る冒険者も軍隊も居ませんからこの辺りは魔物の巣窟ですよ?』


 いやまぁ……全部1発で倒したけどさ。

 アシュリンさんの勝手な代弁が酷いというかやっから、だのおんどりゃだのどこから持ってきたのさ……。


『主に総隊長の寝言から、でしょうか?』

『待って!?何勝手に寝室に忍び込んでるの!?怖いんだけど!!』


 寝言で私が実際に言っていたかなんて確認しようがないけどいくらなんでも部屋の外までは聞こえないだろうから忍び込んでるって事だよね!?


『いえ、部屋の外まで聞こえてますよ?』

『俺も聞いた事があるな。』

『俺もだ。』

『……………マジデっ!?』


 疲れてるのかな、私……いや。

 ここの所不眠不休で二機の遺物級魔導鎧を仕上げてたから疲れてるは疲れてるか……。


『あと夜な夜な歌ってますよね?』

『俺も聞いた事があるな。』

『俺もだ、何の歌なのかは知らないが……。』

『……マジで私、寝ながら何してるのっ!?』

『え?歌は宿舎の大浴場での話ですよ?』

『……アシュリン准将、あとで歌を聞いた他の2名に「どういう事なのか」聞いておいてもらおうか。』

『イエスマム!』


 雑談の効果というのは凄まじかった、2時間近い海上の進軍もあっという間に感じられた。


『総隊長、まもなく接敵12時!【冬将軍】です!』

『中隊長機以下ツーマンセル(2人1組)、総員散開!!』

『『『『『イエスマム!』』』』』


 私はさらに上空へと高度をあげて【冬将軍】を視界に入るようにすると目立つ赤と白のサンタっぽい感じの姿を視認する事が出来た、と同時に私の危険察知が急に私に【冬将軍】が一気に加速!そしてジャンプ一番、その手が私を掴みに来た!?


『総隊長!!』


 【冬将軍】の右手の中には【フォルティス・ステルラ()】……。


『を【割五鈷杵わりごこしょ】で作った偽物だよコンチクショウ!そんなに簡単に髭面のおっさんに触らせる乙女は居ないからね!』


『そうです!触って良いのは同士であるこのアシュリン・ディ・リンドブルムのみです!』


『お願いだから色々な意味で誤解されかれない内容を魔導無線で喋るの止めてくれる!?私、そういう属性無いからね!!』

『大丈夫です!!』

『大丈夫の定義が店員さんのポイントカードお持ちですか?の問いに大丈夫です!って答えるよりおかしいから!!』


『貴様等!思慕ってる女共は放っておいて【冬将軍】を潰すぞ!』

『『『『『イエッサー!』』』』』


『あああああ!一番槍取られた!アシュリン准将がふざけた事言ってるから!』

『はっ!遊んでいる貴様達が悪い!一番槍……いや!一番斧はこのアラカンド・フォン・マクラガーがいただく!吼えろ!【カロル()セキュリス(片刃斧)】!!』


 そして【冬将軍】への最初の近接攻撃を叩き込んだのは【カタフラクトス(重装騎兵)PDB】に乗るアラカンド少尉!それも今回火蜥蜴鉱石を加えて熱を持たせた片刃斧2つでの交差するような一撃!


『なら二番斧は俺だな!』

 次いだのは【カストディアン(守護者)PDB】に乗るハイネル大尉。

 同じく火蜥蜴鉱石を加えて熱を持たせた【カロル・()ウォラーレ・()グラディウス()】で2つ目の傷をつける!


『なら最後は私だよ!』


 最後の3番槍まで持っていかれる!?それもガラ准尉だ!【ホプリテス(重装歩兵)PDB】ですれ違うようにスクートゥム()を構え、セキュリス(片刃斧)で斬りつけようとすると【冬将軍】の顔の辺りが次々と爆発した……ドルー准将だ!


『おっと、悪いが俺がいただくぜ?』

 二式魔導(マギ・)(スクロペトゥム)(・ミノール)と呼ばれるハンドガン型の魔導銃から火属性魔法を叩き込んでいるけど……。


『残念だね!1番から3番槍は遠距離攻撃ではなく近接攻撃のみって昔から決まってるんだよ!』


 その間にガラ准尉が斬りつけた事で3番槍までが決まった。


『それはねぇだろ!?俺の機体にこれ以外の武器積まれてねぇんだぞ!』

『それはなんていうか……流石に時間が足りなかったんだよ。』


 アシュリン准将とドルー准将の機体は期待そのものはギリ仕上がったけど武器の製作が追い付かなかった為に遠距離武器たる魔導銃は搭載していても筋舌武器の類が1つも積まれていない。

 どうせ【冬将軍】相手なら要らないか、と通常の近接武器すら搭載しないままだった……。


 一番槍から三番槍は第一〇一騎士隊内だけでの戦場功績の1つで部隊内褒章の一種として私が定めたものなので軍にはは無いけど私個人からの褒章が出る、としたものだ。

 ……………当然、騎士隊の予算でね?


『あああああ!私が個人で獲る予定だったのに!』


 当然私もその対象である事に間違いはない。


『悪いな、総隊長。』

『ご馳走さん。』

『あとで貰いに行くよ!』

『はぁっ!?てめぇ、それで遠距離武器しか搭載しなかったな!?』


『そんな個人的な都合で都合で武器を搭載しないとかあるか!くだらない事考えてる暇があったらさっさと倒すよ!目標10分以内!』


『『『『『イエスマム!』』』』』


 【冬将軍】との戦闘開始、まだこれは序盤のただの交錯時の一撃でしかなかった。

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