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第十話 記憶の回生


「あ、え?」


 今のは一体なんだったのだろう。


(今のはリリちゃんの……あ、そうか、夏神ちゃんの記憶ですよ)

「……ペネロペ?」

(あう。ごめんごめん、ついうっかり……)


 記憶……何か思い出せそうだ。僕は自分の頭を抱えた。



 ……………………。



 ……………………。


 ……ああっ!


(思い出したー!?)


 そうか、夢だ。今朝見た夢。夢だと思っていたけれど夢じゃなくて、昨晩の記憶だったんだ。

 全部思い出した。夏神をどこかで見たことがある気がしていたけど実はその通りで、あの時の女の子が……夏神だったのか。


(ふう。無駄に時間喰ったわね。さてさて、本題に入りましょうか)

「ってか、あんたたち何者!? まさか、本当に僕を殺ふぐがふ」


 また夏神に口を塞がれてしまった。つい大きな声が出てしまったみたいだ。


(ちがうちがう。それなら夏神ちゃんと左座君が二人きりになった時に殺っちゃってるからねー)


 それはそうだ。じゃあ何故?


(その逆なのよ。左座君を守るため)


 どういうことだ?


(ほら、昨夜全てを見ちゃったでしょう。そんでもって舞草にも顔を見られた。舞草……ああ、記憶を見たからわかるでしょうけどあの狂った男ね。そいつは抜け目のない男だからね。顔も能力も見られてしまったら、恐らく生かしておきたくはないでしょう。だから、左座君を殺しにくるかもしれないの)


 僕を、殺しに?


(そう。そして昨夜のことはこっちとしても口外されるとね、困るのよ。よって、我々の組織が口封じ兼警護をすることになってわけだー。そしてその任務を遂行するのが夏神ちゃんの役目ね)


 ……よくわからない。そんなことをするくらいなら僕をいっそ殺してしまったほうがいいのではないだろうか?


(うへ。勘がいい子。うん、確かにそうなんだけど……)


 ……ええっ! 心が読まれた!?

(気付くの遅いな!)


「私たちの組織は……面倒な人間だから切り捨てる……なんてことはしない」


 しばらく黙っていたので目の前にいても空気みたいになっていた夏神が言った。相変わらず僕の口を押さえ続けている。


(そのとーり。私たちは正義を背負ってますから)


 声だけの女性はエッヘンと、偉そうに言った。


 それにしても、もし僕が昨日のことを覚えていて、今日の学校で話していたらどうしたわけ?

(ああ、大丈夫。私がいつでも狙撃可能なポジションにいたから。それに話しても信じられないでしょ)

 さいですか……。

(何か訊きたいことは?)

 いっぱいあるんだけど。疑問だらけでわからないことがたくさん……。

(よしわかった。今日は二つだけ答えてあげましょう。言ってみよーか)

 ……二つだけ? けちだな。

(むっ。何にも答えてやらんぞ!)

 すみませんでした。えっと、その、夏神とか貴方が使っているのは、超能力、なんですか?

(……ええ、そうですよ)

「答えて、いいんですか?」


 夏神が口を挟む。


(気にしない気にしない。これが原因で何か起こったらお上が処理してくれるでしょう。それで、続きですけどね。夏神は身体能力を強化する能力を持っています。ただ欠点があって、能力使用後には使用時間の二十倍のクールタイムが必要っていう使いにけー力ですよ)

「ペネロペ……教えすぎでは」

(これは知っておいたほうが守られる側も気を付けれるから、いいんです。で、私の能力は心への干渉ですから、心を読んだり、他人と心をリンクさせることだってできます、いやほんと、使いやすい!)


 女性はけらけらと笑って夏神をおちょくっているようだ。冷静を装う夏神の表情がわずかに崩れる。


(あと一つだけ答えてやろう)

 舞草ってどういう奴なんです? 命狙ってる相手のことくらい知っておきたいなーなんて。

(そうねー、彼は舞草兵駕。年齢は二十九歳。私たちの組織の元構成員で……手から衝撃波を放つ力がある能力者なんだけど……それで、巷で有名な連続無差別殺人事件の犯人でもあるんだけど……)

 ……?

(それ以外は一切不明なの。素性も知れない奴をよくうちの組織は受け入れたと思うわ)

 なんですか、それは。あんまりだと思いますけど。

(彼については夏神ちゃんのほうが詳しいわ。でも今日はここまで。子供はきちんと眠りなさいな。ばあい)

「うぐっ!」


 後頭部に一撃を受けたのかと気付く頃には僕の意識は完全に落ちて行った。



これで今まで書きためていた分を出し終えてしまいました。

でもこの時期は暇なので結構更新できるかと。

つたない文章ですみませんが、これからも見てやってくれるとありがたいです。


P.S.

どなたかわかりませんが、お気に入り登録していただけるとは。うれしいです。

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