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売れっ子キャバ嬢の一日

作者: 大島徹也

キャバクラで働いている人にむけて綴る物語。

今日は朝八時に目を覚ました。

昨日お店に来てくれたお客様にお礼のメールを返さなければ。

「昨日は楽しいお話聞かせてくれてありがとうございます、よかったらまたお兄さんに会いたいな。」


送信ボタンを押すタイミングで昨日の出来事が脳裏に浮かぶ。

あのお客様の話はどこに需要があるかわからなかったし、話の構成もなにもない。

私はあの時上手く笑うことができていたのだろうか。


よくいる、お金持ちアピールするのにケチなお客様だった。ただそんなことで私の心は揺れたりしない。

とにかく話がつまらなかったのだ。

くだらない下品な下ネタにも微笑みを。私の本当の笑顔は三年前に死んだ。


スマホが震え私も震える。お客様からメールの返信がきたようだ。


「それって営業?客として見られたくないんだけど。」


ああ、なんだくそリプか。

私の指がスマホを無意識に操る。

「逆に営業以外の可能性について冷静に考えてみましょうか?客として見られたくないとは?気持ち悪い太ったおじさんとして見てほしいということでしょうか?」


スマホをベッドに投げて、カーテンを開けてタワーマンションから街を見下ろす。


少し取り乱してしまった。またお客様と本音で向き合ってしまった、反省反省。

白湯をカップについで一口飲むと心が落ち着いてきた。

スマホがまた震えメールを確認すると、お客様から「申し訳ありませんでした。」という文面が送られてきた。


「全然気にしないで!はやくまた会いたいな!」

私の繊細な心は失われてしまっていた。


返信が来る前に「アルマンド頼む。」と追加で送る。

今日の夜も忙しくなりそうだ。






怒らないで下さい

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