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曇り空から月明かり

木漏れ日の中で

掲載日:2017/05/02

今日(2017/05/02)の出来事なんです!


子猫、可愛かった……ってお話。

 


 自転車で友達と下校中、子猫がいた。



 すごく小さくて、弱々しくて、目も全然開いていなくて、目の周りには傷なのか目やになのか鼻水なのか…分からないものがついていたけれど。鼻水がきっと詰まっていたのだろうけど。


 可愛らしい子猫だった。



 生後は一ヶ月も満たないんじゃないかってくらい小さい。


 灰色と白色の毛の猫。

 少しだけ開いていた目からヘーゼルっぽい色が見えた。もう片方は瞑っていたから、もしかしたらオッドアイなのかもしれない、なんて期待を膨らませたりして。ちなみに多分雌。


 その子はとても小さくて。帰っていると目の前の道に足のサイズと同じくらいの何かがひょこひょこ動いてて、よく見ると猫だった。子猫だ。


 急いで自転車から降りて、子猫の前にしゃがんだ。子猫は逃げることをせず、「にゃあ」と細く鳴いた。


 その子猫はフラフラと歩き続けていた。途中途中、他に下校していた人たちの自転車やらが通ってきて、静止するように子猫の前に手を置いた。


 しばらく撫でていると、近くの家のおばさんがやってきた。



 おばさんが言うに、近所には野良猫が大変多く、その子だろうね、と言った。ちなみに毛並みが綺麗で、野良猫かな? と疑ってしまった。


「でも全然逃げないもんだから、まだ生まれたばかりなのかもねぇ」と笑いながらおばさんは言っていた。確かにその通りで、近づいても逃げないし触っても逃げない、抱っこしても逃げようとはしなかった(爪が痛かったけど)。


 さてどうしたものか、こんなチョロチョロしてたら轢かれちゃう、放っておけないよ、でも家族には入れられないし…困ったものだ、親猫はどこだ、なんて話しながら戯れていると「にゃおーん」と、子猫にしてはやけに野太い声が聞こえた。

 その声は間違いなく、目の前の子猫から発されたものではないと理解した。

「親猫だ、アンタを、親猫が探しにきたんだよ」

 おばさんは言う。「そうだよ、ほら、行きな」と言われても子猫は動かない。「すぴー」と、空気の通りの悪い鼻での呼吸が聞こえてきた。


「もう、離れられないじゃないか」なんて笑いながら撫でていると子猫は靴の上にひょっこり乗ってきた。約23cmのサイズである靴よりも少し小さいくらいの大きさだと分かった。当然軽くて、乗られても全然重みを感じなかった。


「やめろよ、可愛いじゃないか」と、苦笑しながらも、顎の下を人さし指と中指でわしゃわしゃ撫でていると子猫は気持ちよさそうに目を瞑ってくれた。


 一度子猫をその場から下ろし、親猫のいそうなところを探した。しかし、見つからない。歩いてはぺたりと座り、を繰り返す子猫が可愛くて、再びその子猫のそばに座る。

 すると、子猫は腕によじ登ってきて肘の上に座り込んだ。「なんてことしてくれるんだ! もう」とは言いつつも嬉しい。そしてやはり軽い。


 飼いたくなった。家族に迎えたかったけれど、それは無理な話だったから、すごく、ひどく残念に思えた。この子が我が家をちょろちょろ駆け回っている様子や、日向ぼっこしている様子を想像し、「いやだめだだめだ」と思い、頭の中からそれを追いやった。


 撫で続けているとしゅたり、と視界の端で白い何かが動く。


 よく見ると、それは白い大人猫で。


「あっ」と声を上げると大人猫は逃げた。

「あの子だ、あの子が親猫だ」おばさんが言う。


「よし、追いかけよう」と、腕から子猫を降ろそうとしたけど降りてくれない。何より、爪が服に引っかかっていた。「もう、降りてくれよ?」

 友達が降ろさせてくれた。


「ほら、行きな。先に親猫がいるはずだから」


 ちょいちょい、と背中を押してやったりして先導するも子猫は座り込んだ。


「ああ、もう、どこまでも世話の焼けるやつだな」

 と、言って子猫を抱き上げた。「奥、奥にいるから」との声を聞いて奥へ進んでいく。


 すると奥にあの白い大人猫が。

「ほらっ」と言おうとした時に大人猫は狭いところへ走り込んだ。「ああっ、逃げられた」


「そこに、降ろしておいてあげよう。私たちがいなくなれば、迎えに来てくれるかもしれないよ」

 おばさんの言葉通り、その場に子猫を降ろした。


 子猫はその場から少しだけ奥に歩んで、こちらに顔を向けた。

「ああ、もう。可愛いな本当」

 でももう、何もしてやれない。内心でごめんよ、元気でな、なんて言いながら自転車に跨る。


「きっと親猫が迎えに来てくれるよ。じゃあ、気を付けて帰りなさいな」

「はい」


 自転車をこごうとして、最後にもう一度、子猫の方を見た。

 子猫はその場にぺたりと座り込んでいて、葉の間から漏れる僅かな日光で、日向ぼっこをしているように見えた。



 木漏れ日の中で、子猫は親猫の迎えを待っているのだろうか。



 だったら、早く会えるといいな、そう思いながら、自転車のペダルを踏んだ。

ありがとうございました。


いろいろ設定をいじってたりしてますが、こんな感じでした。アイツ……会えたかなあ、、そもそも奴は親猫だったのか…



猫の体長は推定20~25cm。。




無事でいてくれよっ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 子猫の可愛さと作者さんのまなざしの優しさが伝わってきて、ほっこりしました。 子どもの頃、猫を拾ってきて実家で飼っていたんですが、 拾ってきた当時はまさにこんな感じでした。 手のひらで収…
2017/05/02 18:39 退会済み
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