表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢から醒めた日

作者: 小鈴 小梨


小鈴 小梨です。


最近夢は視ましたか?

それとも夢を観てましたか?


夢は眠りが浅いと言いますが

深ければ良いとは思いません。


きっと夢の中の貴方は

何かを決心しているのです。




夢を視ているみたいだ。

いや、夢を観ているの間違いか。


ここは確かに僕の部屋だ。

タバコで汚れたワンルーム

キッチンは洗い物がたまっている

洗濯物は干しっぱなしで、テレビはつけっぱなし

机の上はいつか使うと信じてるピザのチラシが数枚

ベッドの上には数冊の漫画


ただ、少し違うところがあった。


まず、干しっぱなしの洗濯物

明日の予報は晴れだったのに、外は大雨

ベランダには趣味で栽培していたプチトマトの代わりに、スライムのようなドロッとした物体がウネウネと動いている

目の前のマンションは僕が卒業した中学校が

まるで、最初からあったように建っている

何より違ったのは

この不思議な夢の中の僕を

僕は今観ている。


僕の髪色は黒色だ

夢の中の僕は金髪だ

僕はギターなんて触ったこともない

夢の中の僕は当たり前のようにギターを弾いている

僕が飼っているのは2匹の猫だ

名前はコチョとシュマ

コチョはアメリカンショートヘアーのメス、名前の由来はチョコから

シュマは錆び猫のポッチャリさん

メスで、名前の由来はマシュマロから

夢の中の僕が飼っているのは

唐揚げを美味しそうに食べているカマキリ

夢の中だったら何でもありなのか?

カマキリは唐揚げを食べるのか?

ていうか、コチョとシュマはどこに行った?

そんな事を考えていると

夢の中の僕は唐揚げと、それを美味しそうに食べているカマキリを

ピザのチラシでちらかった机の上に置いて

何故だか嬉しそうに玄関へ向かった。


夢の中の僕が玄関へ行くと

僕はコチョとシュマを探すため

狭いワンルームをウロウロと歩いた

すると、カマキリが僕の足の間をすり抜けていった

僕は虫が苦手で、跳び上がりカマキリから遠ざかった

カマキリは玄関へ向かい、開けっ放しの玄関のドアから外へ行ってしまった。

夢の中の僕は何て無用心なんだろう。

そんな事を思いながらコチョとシュマを探す。


夢の中の時間は長いようで短いものだ。

2匹の猫を何分、何時間探したのかは分からないが、影すら見えない。

不意に玄関を振り向くと、誰かがそこに立っている。

その姿に僕は驚きを隠せなかった。

そこには僕の初恋の子が立っていた。

その子は当時の姿で僕の前まで歩いてきて、何かを渡そうとしている。

僕は夢の中での僕ではないのに、夢を観ている僕にこの子は何かを渡そうとしてくれている。

僕はしゃがみこみ、その子の前に右手を差し伸べて何かを受け取った。

そこで意識は一瞬途切れた。


意識を取り戻し、目が覚めた。

頭の中ボーっとし、眠気はまだ残っている。

夢から醒めたと理解するまでに数分の時間がかかった。

カーテンを開けると雲1つ無い快晴。

ベランダにスライムのような物体はおらず、栽培中のプチトマトが朝日を浴びている。

目の前には中学校ではなくマンションが建っており、そこの住人の方と目が合い照れながら会釈をする。

髪の毛は黒髪で、ギターも無い。

そして、僕の布団の上にはカマキリではなく、我が物顔で熟睡している猫が2匹。


僕はソファに腰掛け、タバコに火をつける。

煙を天井に吹きかけ、仕事が休みだと思い出した。

夢の中で何かを受け取った右手には、何も無かった。


そうだ、今日は部屋の掃除をして、コチョとシュマに缶詰を買ってあげよう。


僕は右手をギュッと握り締めた。




読んで下さり

ありがとうございます。


悪い夢もあれば良い夢もあります。

小さい時は悪い夢が嫌で

寝るのを我慢した時が何回かあります。


よろしければ

コメントよろしくお願いします。


小鈴 小梨


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ