表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者になった少年  作者: Precious Heart
『ミオの花』編
9/31

『暗雲』

 陽が沈み始めた頃。


 シンとミオはアルカナ市街跡地の調査兼瘴気の浄化を終えた。

 調査自体は割と早めに結論が出ていたのだが、瘴気の浄化を完全に終わらせないといけなかった為、ここまで遅くなってしまった。

 というのも、瘴気を無くす事は本来重労働だからだ。

 瘴気を浄化出来るシンだからこそ、簡単に感じるかもしれないが普通こうはいかない。

 瘴気、又は魔力や魔法を消滅させる一般的な方法としてはそれ以上のエネルギーをぶつけ、吹き飛ばすというのが主流だ。

 具体的にはリラ神国の王国勤めの魔法使いでも3人以上、インディゴ王国の騎士隊の剣線だと5人以上必要となる。

 個人の力だけで消滅させるには英雄レベルの力、もしくはシンの様な特殊能力が必要となる。

 因みに、魔力のエネルギーがなくなり、瘴気が自然に消滅するのは最短でも約1年。

 あれぐらい濃い瘴気だと100年近くはかかり、その間に生態系は壊滅させられるだろう。


 そして、肝心の調査結果を纏めると下記の通りになる。


・波長は魔王と同等

・残った瘴気からは魔力量を特定出来ないが、少なくとも街を1つ壊滅程の魔力量は保有

・瘴気が市街のみで途切れているが、相討ちして消滅したとは考え難いので、どこか別の場所に潜伏している可能性がある

 

 最後の所で判断が分かれるので、英雄達と相談してからになるが、しばらくはロート共和国で魔物を狩りつつ、魔王級の魔物が発見され次第、英雄達を呼んでの総力戦となるだろう。

 その為にもまずブリュークに寄り、ミオの買い物がてら、預けている連絡用の魔法器で連絡する必要がある。

 魔法器とは予め魔力を通しやすい物質に、魔力と波長を込め、魔力が無い者でも扱える高級品だが、旅の途中でうっかりマナを発現して壊さない様に他の荷物と一緒に厳重に預けてあった。

 だから、現在シンとミオの2人はブリュークへと雑談しながら、向かっているだが、


「シン、あれ」


 それに最初に気付いたのはミオだった。


「嘘……」


 次いで、すぐにシンも気づき、言葉を失う。


 ブリュークまで後2キロ位の地点。

 そこからはブリュークの村の上空が夕暮れよりも赤く、火が立ち上っているのが見えていた。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ