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四日目 早朝 とりあえずの後日談 そして始まり






早朝の魔惨迷宮。


迷宮管理組合、組合長室には二人の男女が顔を会わせていた。


一人は、最高位冒険者ロード・エーサーベイン。


そしてもう一人は、迷宮管理組合組合長、元最高位冒険者ハンナ=ウルフ。





エーサーベインが、本棚に囲まれた組合長室に入れば、

そこには何時も通りの気丈な顔をしたハンナ=ウルフがいた。


彼女は、朝から仕事をこなしていたのか、椅子に座り、机に向かっている。



外は一面の雪。

昨日さくじつ降り始めた雪は、深夜により一層激しさを増して、一時は視界が全く利かない程であった。


今は晴れ、太陽が清々しく地上に向けて顔を出して、雪は光を反射してきらりと光っている。


魔惨迷宮の上空だけが蒼天に包まれているような奇妙な青空は、しかし心地よい。




――強い女だ、やはり。


仕事に向かうハンナ=ウルフの顔を見て、エーサーベインは改めて思った。


エーサーベインが昨日、

帰還してまず最初に行ったのはバル・ファルケン=ノースについての報告であった。


それを受けたハンナ=ウルフは、

顔を俯かせ、部屋から己を追い出し、一晩中だれも近づけなかった。


漏れ出る音は、嗚咽か、涙、男勝りな女傑の心に去来したものは何だったのか。




しかしそれを顔に出さず、こうして早朝から仕事に励むその心の強さはやはり、尊敬に値する。


エーサーベインはそう静思した。



エーサーベインからの視線を煩わしく思ったのか、赤毛の魁傑は顔を上げ、妙に気まずげな己の後輩に目線を向けた。



「別に恨んでない、って言ったら嘘になるかも知れないけど」


貴方に看取られて幸せだったわよ、あの親父は、多分。と言葉を作るハンナ。


泣き腫らしたであろうその瞳は、いつもよりも厚い化粧に覆われて、いつも以上に健康そうに見えている。


「本当は未帰還者になった時に諦めていたもの……、だから気にしてないわ」


エーサーベインは息を飲む、

微笑むハンナ=ウルフの気丈な美は、しかし悲しみを表しているように見えたのだ。


だが、彼はなにも言えない、己にその資格はないのだ。エーサーベインは諦め沈黙する。



しばし、目と目を合わせたあと、ふと思い出した、といった様子でエーサーベインが口を開いた。


「なあハンナ、俺は新しくギルドを作ろうと思うよ……、俺のギルドだ」



初めて聞く話に、ハンナ=ウルフはぽかん、とする。


一匹狼の傲慢な独身貴族。

そのエーサーベインが、人を集め、人に教える、人に関わると言ったのだ。

古い馴染みであるハンナ=ウルフの驚愕は計り知れない。

そしてその理由を考えれば、多分それは、昨日最後に戦ったという髭面の男との……



「どうして?」


そう思ったら、ハンナ=ウルフは言葉を作っていた。半ば無意識であった。


暖炉はパチパチ、と音を鳴らす。蒼の日射しと雪の反射光が窓から入り込んでいる。


「今回のことで、多くの上位と高位の冒険者を失った。


そして未熟な冒険者が多く残った。ならば、ならば俺もあのおっさんのように、


誰かを導いてみるような、そんなことを少しでも出来るのではないか」


と、呟く。心境の変化は別れか。あるいはその時に何かあったのか。




「凄い心境の変化ね……、あの人も喜ぶわよ、これを聞いたら」


ハンナ=ウルフは満面の笑み、燃えさかる美貌が、童女のように自然に、淡く微笑んでいる。


「メンバーは?」


「昨日、帰還を記念して酒場で飲んだんだ、珍しく俺も参加した。


相変わらず酒臭いすえた匂いの、俺には似つかわしくない場だった。


それで、その時に『銀鬼』がな、一緒に飲んでいたんだが……参加したいそうだ。


あとはあの翼人の女に、ニケロットとかいう斧男、あと槍の……なんだったか。それと緑髪の女だな。


……この5名と結成することにしたよ」


あの影の男も加わってくれれば良かったんだがな、というエーサーベインはハンナではなく、横の本棚に顔を向けている。


本当に作るのね自分のグループを! という母親のような感動の眼差しを見せるハンナに。


傲慢なエーサーベインは、しかし俺に本当に出来るのかな?というような幼子のような不安な表情を見せている。




出来るわよ貴方なら、とでも言うようにハンナは娟容けんようを崩し笑い。


エーサーベインは、自らの黄金の髪に手を当て、それを掻いて、ううむ、と呟く。





幾つかの会話、報告の後に決まったことは、


・バル・ファルケン=ノースのは先の未帰還認定のまま、昨日、敵として現れたことは公表しないこと。


・派遣隊はロード・エクサリオスとロード・シレンカと接敵し、2名の死者を出したがこれを打ち破り撤退に追い込んだこと。

 これを『事実』として発表すること。


細かい報告を受け、戦闘の経過、以降の情報操作についての作案構築、

新ギルド・グループ結成の認可証を制作していた、ハンナ=ウルフの隣で、



ふっ、と思い出したようにエーサーベインが笑った。


怪訝な顔をするハンナ=ウルフに対してエーサーベインは述べる。


「蟹の名前らしきものを思い出したのでな」


昨日の奇妙な接触、あれが名前だと決まった訳ではないが。

(もしかしたら『蟹の鋏』『俺はザロス』という意味かも知れないのだから)


しかし、何かを交換するかのような暖かさを覚えたのは事実だった。


それ故の笑み。


ハンナ=ウルフは蟹に知性があり、意志疎通が可能であるかのようなその発言に驚き、先を促す。



「で、その名前は?」


「デンザロス」



だ、そうだ。と続けるエーサーベインをハンナ=ウルフは既に見ていない。



それに気付いて訝しげな顔をするエーサーベインは、

本を取ることなど滅多にない典型的な冒険者であり。



本を読むハンナ=ウルフが、

最近読んだ本はエンゲルス・バッキオスの『神話・物語録』である。



目を見開いたハンナが、驚愕の悲鳴を上げるまでの時間は、そう短いものではなかった。








こうしてようやく、迷宮を騒がした『大蟹』の正体が判明したのである。















ロッド・エヴァンスは家に帰り、帰り着くなり同居人のお叱りを受けていた。


その激怒は、ガラスが揺らめき、岩が砕け、地が割れ、置いてあった花瓶が宙を飛ぶような大激怒であった。



「もう、本当に心配したんですからねっ! ロッドさん」


「へーい、っす」


とおざなりに答えるロッドの顔には疲労困憊。


器の「力」は空に近く、肉体的にも精神的にも連日の酷使と戦闘。

なによりも目前の少女の怒りが作る疲労困憊。



顔には死相。っす、っす。と繰り返す病んだようなロッドの疲れた顔。




「全く! せっかく作ったシチューもっ! 無駄になっちゃったんですからね!」


お隣さんにお裾分けできなかったら、全部駄目にしちゃうところでしたよっ!

 そうぷんすかぷんすか怒る少女を後目に入れつつ。



彼女が作ってくれた、スープと卵焼きを口に運ぶロッド。




彼が思うのはこれからのこと。


冒険者の皆には、口止めをしてある。


影がその姿を現すのは、当然のことながら軍規に違反している。

厳罰は免れまい。


だが、あの場に、己の他に影はいなかったと判断できた、

少なくともロッド・エヴァンスが感知できないほどの手練れの影を上司が隠し持っていなければ、の話ではあるが。



だが、情報とはどこから漏れるかわからないモノだ。


冒険者とて完全には信用ならない。


いつ苦難が訪れるかも解らない、判断は厳重に、そして速やかに。


ロッド・エヴァンスは考える。



考えつつ思い出すのは昨晩のこと。


久方ぶりにこのみすぼらしいアパートに帰ってきた時。

ただいま、と言ってドアを開け、ロッドが目撃したのは、



目に涙を溜めながらこちらに飛びかかって来て、


「心配しましたぁ……心配しましたよぉぉ」とわんわん泣く一人の少女だった。


その時の情景、その時の少女の表情。その時に彼女の感情。


悲しみ、嬉しさ、そんなものが入り交じった心の底からの心配の涙。




それは失いたくないモノ、それは尊いモノ、ロッドはそう確信した。



いまは視界の隅でぷりぷりと怒っているメイニー・ランチェットという一人の少女。


彼女を守り、彼女を見守る。そのためにも、己に失敗は許されない。



そして昨日、得た感情。あの喜び、取り戻した冒険者として生きる喜び。


その二つを両立するためにはどうすればいいのか。



ロッドはそんなことを考えていた。


――退職届とか大丈夫っすかね。都市追放を条件に、むむむ。


上司は厳しい、闇の仕事、軍の影だ。果たして己はこの仕事から抜け出せるのか?


あるいはどんな抜け出すための手段があるのか。


そう悩み、む~、と言っているロッドを見て、言い過ぎたか、と反省するのはメイニー。




メイニーの怒り、心配、悲しみ、そういった感情のうねりもようやく落ち着いたのか。

彼女はいつものような朗らかな声音で、昨日から気になっていたことを尋ねる。


「そんなに大変な仕事だったんですか?」


そう明るく尋ねるメイニーに、ロッドは、考え事をひとまず置いておき、答える。


「えっ……ああ、そうっすよ!冒険者稼業も楽じゃあないっすからね」


「でも、いつもは仕事の後は凄い暗い顔してますけど、今日はとっても顔が明るいですよ!」


そう言った少女に、虚を突かれたのは一人の男。



自らの顔に手をやり、そしてにこにこ、と微笑んでいる少女に顔をやる。


――見られてるもんっすねぇ


そう唸るように感動し、少女の目に、己の目を合わせる。



「メイニーさん、明日にでもまたシチューを食べさせてくださいよ」


そう清々しく朗笑するロッドに、はいっ、と頷くのはメイニー。


何時しか空気はほどけ、いつもと同じ、日常の気安さが戻ってくる。




「ねえ、ロッドさん知ってます? 迷宮には勇気を試す伝説の魔物がいるんですよ!」





陽は明るい。空は蒼く、空気は澄み、やけにのどかな雪の色。




それはうららかな朝の一幕であった。

















「おお! ……これが外か!!」


そう言葉を作るのは銀に輝く鎧を身に纏い、

『神の金属』により造られた剣と盾を背負っている迷宮の騎士。



「あれが緑、あれが太陽、あれが空……うむ、本当に蒼いのだなぁ」


長い長い土の穴を、強化した脚力をもってしても数時間掛けて登り続けたその果てに、


ロード・エクサリオスと配下の黒長耳族2名は外の世界へと出ていた。




生まれたのは迷宮。


生まれたときには既に、冒険者たちが10層以上を己の支配圏に置いていた。


齢200才の二本角の騎士は、

長躯を震わせ、武骨と誹られることもある己の顔を柔らかく歪め驚嘆していた。


これが、彼女の始めてみる外の光景なのだから。




茶色や黒、赤といった色ではない。


緑、青、白、黄。


遠く山嶺に僅かに見える緑、紅葉した色とりどりの紅、黄、橙。


空は蒼く蒼く澄み渡り、清浄が視界に染み渡っている。


世界を包むのは遙か天にある光そのもの、即ち太陽。


地を覆うのは白い雪、光の反射もまた黄色。




彼女たは、迷宮にあれば冒険者を血祭りに挙げ、恐れられるエクサリオスは、


童子のように、胎内から出たばかりの赤子のように、世界の大きさ、広さ、厚みに圧倒されていた。





何もかもが新しく、何もかもが瑞々しい。


主が世界を望むのも、これでは無理がない。


――こんな、こんな世界があったとは


と、ただただ感嘆する。





背後には、一軍全てを落とし穴に嵌めることも可能であろう大穴。


そしてぜえぜえと息を吐く、二本杖の黒長耳族の少女。


平然としていながらも、表情には不安を滲ませた四本の剣を背負う黒長耳族の少女。


彼女たちも、始めて見る太陽の明るさ、空の眩さに目を痺れさせつつ。


己の主へと不安を問いかける。疑問を形にする。



「……よ、よろしいのですか?」


……うう、外怖い。と呻いている気弱な少女の後を継ぐように、

委員長気質の少女がことばを口にする


「その……。勝手に迷宮の外に出て行かれて」


その……、ロード・シレンカも多分貴方をお呼びになりますでしょうし。と言いにくそうな少女。



一人、性格に似合わないような素朴な感動に浸っていた200歳は、振り向き、

一点の間違いも犯しておらず、何一つ誤ったことはしていないという表情で胸を張って。

己に素直に、己の正しさを確信するように部下の二人に言う。




「なにを恐れることがある……っ!


私の主に対する忠誠に一片の陰りもない。私は主を崇拝している。


だからこそ、私は蟹を探し出して倒さなければならないっ!


何年かかろうと! 何十年かかろうと! 何百年かかろうともだっ!


未だ主から直接の命令変更が下ってない以上、未だ主が私に蟹を倒すことをお望みである以上


忠誠に一片の陰りなき私は、その命令をなにがなんでも果たすために行動しなければならないのだっ!


ロード・シレンカが私を呼びつける? 主が私をあのヒキガエルに下賜する?


結構! それが主の思し召しなら血反吐を吐いてでも従おう! ああ従うとも!


ただし、主の命令は未だ変わっていない、蟹は外に行った、なら私も外に行く!


完璧だ! 論理的な矛盾が一切無い! 当然の帰結だ!


その決断を、一度も主の下に戻らずに行うのも、速やかな判断が必要であったからだ!


そう! 私の行いは全て忠誠心ゆえにあるのだッッ!」



そう一息に言い切った迷宮騎士の顔には、一切の迷いがない、ともすれば清々しかった。


冬特有の清澄な空気が、辺りを沈黙とともに包む。


騎士は歩み始め、圧倒されていた委員長気質の少女は、それに慌てて付いていく。


四本の剣を背負った黒長耳族は、地面を見ながら、エクサリオスの傍に侍る。




遠からずこの大穴は都市によって封鎖され、


埋め立てられるか、整備されて利用されるだろう。




しかし大穴が都市に管理される前に、


この大穴から旅立っていった一行があるのを、


太陽の他、誰も知らない。






















そこは、温暖であった。


冬の景色と気候へと完全に変わりきった、北の大地とは違った世界。


大陸の南。


大連峰の南側、楽園のごときゆりかごと呼ばれる半島。


山と山の間。そこにある花畑を、ゆっくりと進んでいく巨大な要塞の姿があった。



要塞の背には猫のような長耳族のような童女。


その背後には、球体の乗り込み口が開け放たれている『鎧』


要塞は大蟹である。


館の如き巨体の上に『鎧』と猫を乗せ、それでもその甲羅には未だ膨大なスペースがある。



猫は一面の花畑を見て、にゃぁあと欠伸をしている。


まるで猫のように丸い姿。


長耳族の童女が大きな獣に包まれているかのように見紛う寝姿。


陽光は温厚そのもの。


温かいのだろう、丸くなろうとしていた猫娘は、丸くなるのをやめ、そのまま甲羅を背に大文字で寝転ぶ。


厚く濃い体毛と模様の全てを世界に見せつけるかのような寝姿。


その身長を考えれば、破格の大きさの形の良い胸部も、


腰のくびれも、太股のたくましさも、そして素朴な長耳族の天使の如き微笑みも、


その全てを見るものは、太陽の他にない。



「なあ、ルー」


「なぁぁぁんにゃぁぁぁ」


ふう、と息を吐き目を瞑る猫。


「なぜ全裸なのだ?」


「みるものにゃんて誰もいないにゃ、あんたも背には目が届かないにゃ! 知ってるにゃ」


「見ることができるなら、俺が好き好んでお前の裸体を見るだろう! 


という前提を勝手に作らないでくれないかルー?」



にゃあ、そうかにゃあ? 

という蕩けたような声に呆れながらも、花の海を、出来うる限り壊さぬように進む蟹。



暗い下水も大好きだが、

服を着ていると暑く感じられるほどに元気な太陽の下にあるのも、リューレアーは大好きだった。



「というか暑すぎないか?」


暗い海底は大好きだが、

服を着なくても暑く感じられるほどに元気な太陽の下にあるのが、デンザロスは凄い苦手だった。




花畑はまるで一つの世界として完結して見えた。


あるのは綺麗で、時に毒々しい、ただ美しく儚い世界。


猫は伸びをして、太陽に手をかざす。


「んで、どうするにゃ?」




やりたいことが、見つかったとかいってたにゃ?


その疑問に、返ってくるのは沈黙。


蟹の移動する揺れ、遠く遠く一国の範囲に咲き乱れる花世界を風が泳ぐ音。




しばし黙止の時間が続き、蟹は意を決するように音を生み出す。




「なあルー」


「なんにゃ?」




「俺は見たよ、輝く生命の可能性を」


「にゃ」




「俺は見たよ、前を進もうとする冒険者の生き様を」


「にゃ」





「俺は思うよ、己にもあのような前を向いて、やりたいことをやって、時に悔やみ、時に悩んで過ごすことが出来たらそれはどれだけの幸せかと」


「にゃ」










「俺は思うよ。眠りから覚め、再び世界に起きた己にも、やりたいことができたのだと」









「それは?」








「ルー、俺は冒険者になろうと思うのだ」
























――――第一部 『蟹の前日譚。あるいは冒険者と迷宮と生き様と』



                 



                 完








――――――第二部 『少女と蟹の話』へ 


 

    



魔軍三六将


列伝


『大蟹』デンザロス・デンザロス・ペンタレシア


インザーディヨ サヴォーナ河畔出身


人間の背丈を超える高さ。一つの屋敷に匹敵する幅と長さを誇る機動要塞。

つまりは巨大な蟹である。


こう見えても言葉を解することが出来る優秀な魔獣であり。

特に優秀な儀式大家でもあり、飛翔と海嘯の儀式と概念を司る。

五種の刻印を誇り、圧倒的な防御力と機動力の駆使するその戦法は非常にえぐい。


闘争においては『鬼王』に劣り、儀式大家においては『大猿』『海王』に破れ、

速度においては『竜公』に届かず、防御においては『大亀』に一歩譲るものの、

攻防速魔、その全てに通じるその戦闘力は、まず間違いなく魔軍三六将の内でも高位に位置するだろう。


その意志は高潔、その志は不屈。

よくも悪くも純朴で、そして感動屋でもある。

生命の可能性、自律意志というものを特に大切にしている。


『有角姫』と『九烈士』との出会い、その他の魔将との出会いから、

生命に飽いて、世界に抱いていたある種の諦めから脱却し、地軍に参加。



天上戦争においては機動要塞として多くの戦線に参加し、盾となり、仲間を運んだ。

確かな判断力と突破力で、神僕や神の兵器を多く死に追いやり、

また、戦争の最終局面では『闘迅』焔を溺死させ、『司法』デボネックを圧死させた。


新暦においてはどこかの洞穴、地殻の奥深くに姿を隠したとされる。

『水の神僕』として一部で信仰されており、また魔王領においては水の守護者である。とされる。




この列伝は、エンゲルス・バッキオス著『神話・物語録』―― 第一五巻

付録「早わかり烈士・魔将列伝」より引用させて頂いています。あしからず。


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