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ここにいる幸せ

作者: 祐希

大好きだった男に浮気され、ボロボロになっていた私を拾ってくれた彼。

彼は私よりも10歳も年上だったが、子供っぽい純粋な心もちゃんと持ち合わせていて、私のすべてを包み込んでくれた。

私は、そんな彼にあっという間に心奪われ、初めて人を「愛する」ことを知った。

彼も私を愛してくれた。

誠実で優しい彼…。

喧嘩も数えきれないほどしたけど、すぐに仲直りして愛しあった。

どんなに辛いことがあっても互いに支え合い、どんな困難も二人で乗り越えてきた。

彼からの素敵なプロポーズを受けた時は、泣くほどうれしかった。

彼も私の返事を聞いて、大泣きしてくれた。

身内だけの小さな結婚式でも、私にとってはとても幸せで忘れられない日となった。

数か月後、お腹の中には小さな命が宿り、彼に言うと嬉しそうに照れくさそうに泣いて喜んでくれた。

どんどん大きくなるお腹に、彼は声をかけたり撫でたりする。

破水して病院へ行くと、不安そうにおろおろと歩き回る姿が面白い。

分娩室に入る私に、不安そうに見つめる彼。

「大丈夫よ。がんばってくるわ」

私が言うと、しっかり頷いて見送る。

そして…赤ん坊の大きな泣き声が響き渡り、彼が分娩室に入ってくると看護師が産まれたての我が子を彼に渡す。

「男の子だって。君に似てとても可愛いよ。ありがとう」

彼は泣きはらした瞳で、そう言うと小さな顔を覗き込む。

その子は寛大な希望にあふれた子に育つようにと「寛希」と名付けられた。

すくすくと元気に育っていく我が子。

幼稚園、小学校、中学校、高校と大きくなる子供。

初めて彼女を連れてきた日、親離れを感じ少し寂しく思った。

大人になった子供は結婚相手を紹介してきた。

子供の結婚式で、私の時も私の両親はこんな気持ちだったのかと改めて思った。

再び彼と二人暮らしになって、彼との時間が増えた。

出会ったころから今までのことをずっと語り合って、改めて彼と一緒になってよかったと思った。

こんなに幸せになれたのは、彼と出会わせてくれた神様に感謝。

そして、私を生んでくれた両親にありがとう。

すべてに私からありがとう。


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