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消せない過ち

作者: tete
掲載日:2026/05/14

クソ野郎の最低な話


あれは僕が25歳の時。

妻が第2子を妊娠していた時。


その頃は妻のことを『女』ではなく『妻』としか見れなくなっていた。




これは消せない過ちの話。



















キミは同じ職場で働く2歳年上の後輩だった。

きっかけはなんだったっけ。

夜勤の帰り道が一緒で、偶然同じ夜中もやってるスーパーに立ち寄って、一緒に買い物した時かな。


「家この辺なの?」






それから少しずつ連絡を取り合うようになった頃。


『家来ない?』


キミから誘われた。


僕は既婚者で子供もいることは職場ではみんな知ってる。それでも誘ってきたってことはそういうことなんだろう。


正直嬉しかった。

ドキドキしたし興奮もした。

でも【不倫】になることは明らかだった。


どこから不倫かは人によって違うだろうけど、僕の中では妻以外の女性の家に1人で行くことは明らかに不倫だ。何もなかろうとそれだけでアウトだと思っている。



理性はやめろと言っている。


でもその時の僕は妻を女として見れなくなっていて、キミのことは女性として見えてしまっていた。




直接行って断ろう。勘違いさせてしまってたらごめん、と。



なんて優柔不断で、なんて最低な選択。


















『…来て』



結局キミに誘われるがまま身体の関係を持ってしまった。

























キミは自由奔放な人間だった。

高校生の時は売りをやっていて、女性もいけるバイセクシャルで、二股もしてるような人間だった。


当時は彼氏もいて、僕は2番目の男だった。


身体の関係、セフレみたいなもの。


割り切ってお互い欲望をぶつけ合う関係。
























いつからだろう。

キミの僕を見る目が変わったのは。


なんでそんな甘い目で見つめてくるの?

『好き』

そんなこと言うタイプじゃないでしょ。

『好きって言って』




僕だって好きだよ。でも妻も子供もいる。今の家庭を壊せない。キミとは一緒になれない。



きっと僕はキミに恋をしていた。でも愛かと言われると違うと思う。

この時やっと気付いた。気付くのが遅すぎた。

妻のことは愛していたのか…




















キミは子供を望んだ。


『結婚出来なくてもいい。あなたの子供が欲しい。』


『養育費もいらない。あなたの負担にはならない。』






なんて甘い言葉だったんだろう。

僕にはなんの責任もなく、ただ気持ちいい行為をするだけでいいなんて。




少し考えればわかってたはずなのに。


母子家庭の大変さ。1人で子供を育てるということ。

子供のこと。父親がいない、父親が誰かもわからないということ。































キミは妊娠した。





























お腹も大きくなってきた頃、職場内で父親は誰なんだと話題になった。


少し経って上司に呼ばれた。


「どういう関係なんだ?」











頭が真っ白になった。


なんでバレた?








彼女の家に僕の車が停まっているのを見た人がいるらしい。それも一度や二度ではないと。



言い逃れは出来なかった。



























その後の記憶は酷く曖昧だ。


年度末が近かったこともあり、仕事は退職した。とても続けられる状況ではなかった。


妻にも薄々勘付かれていたと思う。


彼女とは連絡を取り合っていたが、僕のことを嫌いになるように仕向けた。


そして逃げるように連絡を断った。







自殺も考えた。


橋の上から車ごと…


何度も何度も考えた。


























キミから久しぶりに連絡があった。


『産まれたよ。男の子。名前は…』



なんて返せばいいんだろう。

「おめでとう」?

「無事に産まれて良かったね」?


もうなんて返したのかも覚えていない。

いずれにしろ最低な言葉だったと思う。

























あれ以降キミからの連絡はない。


今キミがどこで何をしているのかもわからない。




キミに似ている人を見る度、逃げるように隠れてしまう自分がいる。


キミの匂いを感じる度に、胸が締め付けられる自分がいる。


キミの声を思い出せない自分がいる。






僕は今も過去から逃げている。





フィクションです。もう一度言います。これはフィクションです。

不倫はとても興奮して気持ちがいいことかもしれませんが、その何倍もの威力と時間苦しむことになります。自分や相手だけではなく周りの人も巻き込みます。一時の快楽に身を委ねると待っているのは破滅です。


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