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剣の魔術師  作者: いくら丸
ロードロット大陸編【冒険編】
4/5

第四話「ジオ紹介」

グラウス達と別れて1時間たった。俺とカイニスは今...


「だから、本当だっつってんだろ!?」

「だが...流石にそんなことは聞いた事がないぞ?心の中に、何かがいる?まぁ、、、拗らせるのは自由だが、私に迷惑を掛けないでくれ。」

「いや本当だって」

「...」

カイニスが可哀想な目で俺を見てくる。なんでだ?なんでこうなった?事の発端は、30分前―――


―――


「パリス。お前、中々良い女を手に入れているじゃないか。どうだ?いっその事、コイツとパーティーを組んでみたら?」

「そんなの、お前が決める事じゃねえだろ、ジオ?第一、カイニスが嫌だったらどうすんだ?」

「そんなもの俺には分からん。聞けば良いだろう?」

「そりゃあそうだが、、、カイニスと出会ってまだ1日も経ってねぇんだぞ?そんな軽く聞けるかよ。」

「この臆病者めが」

「お前なあ...」


「―――おい!パリス!」

カイニスが俺に向かって叫ぶ

「うわっ!な、なんだよカイニス、ビビるじゃねぇか、」

「お前、少しボーっとしてないか?さっきから話しかけてるのに、何で何も反応しない?熱か?それとも毒か?」

「あぁ、いや、そんなんじゃねぇよ。大丈夫だ、安心してくれ。」

「本当か?ならいいが...あ―――パリス、お前、何か隠してるだろ?」

「は、はぁ?な、なんでそう思うんだよ?」

目を逸らしながら話すパリスにカイニスが突っ込む

「目が泳いでるぞ。パリス。」

「あぁ、そうですか...」


街の外にある砂原に出てカイニスに秘密を話す

「―――って事で、俺の中には生まれた時からなんかいるんだ。あん時は、ソイツと話してたから、ボーっとしてたんだろうな、俺」

「...?」

「まぁ、簡単に言えば二重人格みたいなところだな。」

カイニスが困惑しながらまとめる

「...つまりだが、お前の体の中に、お前以外の何者かが居て、あの時はソイツと話していたから、ボーっとしていた...と?」

「まぁそういう事だな。」

「なるほど分からん」

「全部分かる必要はねぇよ。まぁ偶に何も無いところでボーっとしてたら、そういうことだって分かっといてくれたらそれでいい。」

「そうか...まぁ...そうだな、分かった。そういうことにしておく...」

カイニスが目を逸らす


「...?おい、カイニス、お前なんか勘違いしてないか?」

「いや、なに、、誰にだってそういう時期はある。別に軽蔑しているワケじゃない。だから、その、、、なんだ、軽蔑してるワケでは無くてだな?その...勘違いしないでくれ。決してお前の事を...その...軽蔑してるワケではない...」


ああダメだコイツ完全に勘違いしてやがる。今の話を聞いて、俺が厨二病だと思ってフォローしてきてるぞ?しかも、パニクり過ぎて同じ事を3回言ってる...

「カイニス、俺は別に拗らせてるワケじゃなくてだな、本当に俺の中に何かがいるから、俺はお前に...」

「ああ分かっている。私を信用してこの話を打ち明けてくれたのだろう?安心してほしい。この話は他の誰にもバラさない。」

「あのなぁ、カイニス、俺を厨二だと勘違いするのはやめてくれないか?」

「お前の話が本当だとでも?」

「だから、本当だっつってんだろ!?」

「だが...流石にそんなことは聞いた事がないぞ?心の中に、何かがいる?まぁ、、、拗らせるのは自由だが、私に迷惑を掛けないでくれ。」

「いや本当だって」

「...」

うっ、カイニスからの突いてはいけないものを突いたような、開けてはならないものを開けたような目が辛い... こうなったら、アイツに...

「カイニス、ちょっと待ってくれ」


「おいジオ。お前のせいで俺が痛い奴みたいになってるんだが?」

「クハハハハ!実に滑稽だったな、パリス。本当の事を言っているのに、信じてもらえんとは!クハハハハ!」

「何笑ってんだテメェ...いいから、なんか解決策をよこせよ。お前なら、魔術でどうにかなるんじゃないか?」

「出来ん事はない。ただ、このままお前を幻想溢れる14歳にしてやろうと思っていてな...はてさて、何方を取るべきか...」

「んなもん解決するに決まってんだろ馬鹿かテメェこの野郎」

「冗談だ。いいだろう。我が名級魔術、鏡像にて俺を外に映し出そう。」

「頼んだぜ?ほんとに」


「パリス?」

「待ってくれてありがとよ、カイニス。さっき俺が言ってた事を証明してやるよ。」

パリスがそう言い終わると、突如として右肩の辺りに光が刺した

「ッ!パリス!右に...」

「大丈夫だカイニス。そろそろだ。」

カイニスが理解する前に、光が散光した


「な、なんだ?一体何が起きて...」

カイニスが目にしたのは、パリスから説明されたような、白く、だが淀んでいるようなモヤだった

「これは?」

「コイツが俺の言ってたジオだ。今はコイツの魔術で見えるようにしてるらしいが、触れはできないらしい。」

「...まさか、本当だったとはな...」

「な?言っただろ?」

「ああ。しかし、なんだ?これは?これがお前の言っていたジオ?...ってやつなのか?」

「お前は...カイニスか。そうだ、おれがコイツ曰くジオだ。」

「―――うん?コイツ曰く?」

「俺の本当の名はジオではない。コイツが幼童であったとき、勝手に付けた名だ」

「お前が教えてくれないからだろ?」

「貴様なぞに教える義理はない。」

「はぁ...まあいいさ。っとまぁこんな感じに、コイツとはいつも下らない話をしてるんだ。」


カイニスが考え込む

「その...一体、お前は何なんだ?同じ身体に、違う人格?があって、ソイツが勝手に喋ってるのか?」

「残念だがハズレだ。俺は、パリス・カーディールより生まれ出たものではない。完全に独立した違う魂だ。」

「なるほど分からん」

「まぁいい。そんなことより、コレで疑いは晴れたか?晴れたのなら、俺はもう戻る。正直、この姿で魔術を使うのは難しい。」

「ああ、そうだな。コレでパリスが厨二病じゃないことが分かって、気を遣う必要が無くなった。」

「おい」

「では、俺はパリスの中に戻る」

光が一点に収束していく


「戻る時も光るのか...しかし、まさか本当にお前の中にあの様な奴が居たとはな。正直、未だに信じられん。」

「まあ無理もねぇよ。こんな事、本来ならあり得ないしな。」


聞き終わると、カイニスが砂原に座り込む

「それはそうとして、アイツ...ジオ、と言ったか?一体、アイツはなんなんだ?さっき聞いたら、上手い具合にはぐらかされたんだが」

「それは俺も分からん。小さい時からずっと聞いてるんだが、ずっとあんな感じだ。」

「そうなのか」

「ただ、少しだが分かってることがある。まず一つ、アイツはかなり昔を知ってる。それこそ、変歴の時代なんて特に詳しい。いっつも昔話を聞かされるもんだから、俺もある程度覚えちまった。...まぁそんなことはどうでもよくてだな、重要なのはコッチだ。二つ、アイツは魔術の腕が尋常じゃない程高い。俺が10にも満たない時に、魔術を教えてもらってたんだが、アイツの言ってることはレベルが違くてな。見ての通り、俺は魔術が理解出来ずに剣士になってる」

「それ程までに、レベルが違うのか?」

「ああ、多分だが、アイツが本気で戦えば、俺らなんて即死だろうな。」

「今思ったんだが...アイツ、どうやって戦うんだ?」

「それは、、、知らん」

「まぁジオの事は覚えておく。もしこれから先、お前が立ち止まってボーっとしていたら、そういう事だな」

「ああ。頼んだぜ、カイニス」

こうして、俺が厨二病であるという疑いは晴れた。めでたし、めでたし。...いやほんとに。






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