なろうラジオ大賞6
“トレーニングは毎日欠かさない!”そう決めていたのに……
数日前に引いた風邪に体も喉もやられてしまい、ついに3日もトレーニングを休んでしまった。
1日目は罪悪感でいっぱいだったのに、2日目には立ち直り。
3日目には、“たまには休みも必要”と開き直り……そして、4日目には──
「な、何これ!」
体が筋肉質に変わっていた。
ちょっと待って!
私、トレーニング……全くしてないんですけどー!?
「ぷふふ! 驚いたにゃる?」
「だっ、誰!?」
「トレーニング鬼コーチのニャルメ様にゃる!」
鬼コーチのニャルメ。
可愛いらしい猫の着ぐるみを大事な部分まで着ている性別不明の変質者だ。
……マスコットキャラじゃないんかーい!
というか、出来ることなら生足も全て隠してほしかったんですけど!?
「……通報しよ」
「ニャメテェ!」
流石は変質者。
警察には弱いらしい。
そして……話によると私のトレーニングへの決意と緩みの歪みから生まれたトレーニングの精霊らしい。
「つまりは私がまたちゃんと、トレーニングすればいいのよね」
「ニャルメス!」
「……分かった」
まずは腹筋。
腕立てにウエイトトレーニング。
再開初日から無理は禁物。
そんなことを考えながら、横目でニャルメを見た。
するとニャルメは甘い吐息で──
「全然、興奮しニャルメス!」
ダメ出しをしてきた。
何故に甘い吐息?
てか、興奮!?
「腹に力が入ってニャルメス! 立ち方からニャってない!」
「はいっ! すみません!」
ニャルメの威圧感につい謝ってしまった。
……これ、逆に本気のトレーニングをしたらどうなるのか気になってきたんですけど!?
「最初からお願いします!」
私はトレーニングをやり直した。
もちろん全て本気で。
すると──
「やれば出来るにゃる!」
マスコットキャラに変わった。
めっちゃくちゃ可愛いらしい猫のマスコットキャラ!
なんなの、このギャップ!
「にゃはあ、にゃはあ……興奮しニャルメ!」
サボると変質者。
「よく頑張ったにゃる!」
本気だと、可愛いマスコット。
鬼コーチのニャルメはつきっきりで何をするにもトレーニングを絡めてくる。
つまり、私の隣に可愛いマスコットキャラか変質者が常にいる。
「そろそろ休憩──」
言いかけて隣を見ると──






