2葉目
俺は声がした方に意識を向けた。
「え? あんた大丈夫かよ……」
そこには木材のような木の板の上に萎れかかっている花が一輪咲いていた。
元々は紫の艶やかだったのだろうとわかる部分も残ってはいるが大半は枯れていて良くても萎れているのだった。
「なぁ、なんかできることはないのか?」
「なぁ君、何か面白い話をしてくれんか」
「は? 急になんだよ」
「あぁ、面白いとゆうのは興味深いという意味でじゃよ」
「いやいやそんなこと聞いてねぇーよ」
俺は混乱した。普通なら死んでいるような傷なのに、軽口をたたけるだけの元気はあるのだから。
最もこの普通がどこからきたものなのかは、この時は知る由もなかったのだが……
「一つだけできることがある。」
唐突に重く真剣な態度で口を開いた、俺は先ほどの混乱を押し殺し聞くことにした。
「わしが種になり君に育ててもらう事じゃよ」
「どうやって?」
「それは種から見つけ出して、……」
「おい! 爺さん!」
「はぁっ! はぁ……はぁ……じいさん ではない
わしは 女じゃ」
「は?」
途切れ途切れの言葉に頭のリソースを全て持っていかれ、頭が真っ白だ、ちょっと待てよ、なんで今そんなことゆうんだよ。落ち着け、落ち着け。
よし! 思考を切り替えよう今聞かないといけなあのはーー
「なぁ その種から聞くにはどうすればいい?」
「ねを…の……せ」
「根っこか?」
「あぁ……」
「おい!おい!ばぁーさん!」
俺の初めての会話はこれで終わった、だが時間で復活するかもしれないという希望があるから頑張れる。
そう俺には植物ならではのほぼ無限の寿命があるのだ。
俺必ずバァさんを蘇らせる、そう心に決めたのだった