ハリスホーク
俺は、しがない行商のコヤナギ ヒロ
今回も無事に領内の村々を回って住処に帰って来た。
1か月と言う長期だったが、無事帰宅出来たので、可愛い相棒を迎えに行くため、なじみの店に向かった。
店につくと店員が慌てている。
「こんちわ、預かってもらっていたjunを迎えに来ました。」
と店員に聞くとアワアワ言って話にならないので、奥に居る店長にjunの居場所を聞いた。
「店長。junを迎えに来たんだけど、どこに居ますか?」
「え!!ハリスホークのjunの事だよね。」
「そうですよ。どこに居ますか?」
「junちゃん預かってたっけ?」
「1か月前にあの店員に長期預かりで前金と共に預けましたよ。これが預かり書。」
と書類を見せると。
「おい!榎本。コヤナギさんのハリスホークは、どこに居る!!」
「すみません。預かって店内の止まり木で休ませていたら、突然、領主の田久保伯爵が入って来て、junちゃんを売れと言い出したもんで、預かりもので、売れないと言ったら、レンタルでも良いからと言って、執事から金貨を10枚も渡されて、連れてかれました。」
「何で、それを黙って居た!! それにお前、預かった金は、どうしたんだ!!」
「ヒィす、すみません。レースで全部、掏っちゃいました。許してください。」
と土下座しだす始末。
「店長。この落とし前どうつけるんだ。」
「コヤナギさん、本当に申し訳ない。今すぐ伯爵の所に行って返してもらうから、待っていてくれ。この榎本は、業務上横領と窃盗で、犯罪奴隷に落として売った金を賠償金として渡す。」
「店長。俺にも家族が、犯罪奴隷だけは勘弁「お前は、コヤナギさんの家族のjunちゃんを伯爵に売り渡しておいて、自分の身しか考えないその根性が勘弁ならん。」
と縛って店の奥に放り込んで、馬に乗って走り出した。
数刻後、店前に馬車が停まり、タラップから伯爵とその腕にjunが乗って、肉を貰って嬉しそうにしているのを見て安心した。
「jun」と声をかけるとバシャバシャと羽を広げて俺の腕に飛び込んできた。
「コヤナギとやら、事情は店長から聞いた。お主には悪いことをしてしまったが、このハリスホークは素晴らしい。是非とも譲って欲しい。」
「ご領主様。このjunは、俺が雛から大事に育てた大事な家族ですから、申し訳ありませんが、お断りさせてください。」
「わかった。何か困ったことがあれば、いつでも訪ねてこい。力になろう。」と馬車で帰って行った。
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