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プロローグ

『核シェルター付きマンションを相続した男が快適に引き籠る物語』


のゾンビパンデミックから3年後が舞台です。


ゾンビパンデミック発生から3年目の春、

この物語の舞台である県では、

主に3つの生存者コミュニティーが

存在している


それは、


『リバーサイド同盟』

『チョコボーラー』

『島』


の3つである。

物語のプロローグとして、この3つの勢力の

説明から入ろうと思う


////////////////////////////////////


『リバーサイド同盟』


他の2つと違い、内陸部にある。

元は、県内第二の規模の都市であり

山に囲まれた平野で、大きな川が流れている


川の流域の広大な土地を確保することに成功し、

農作物の生産力は他の追従を許さない。

豊富な水系を利用した水力発電も行っており、

小規模ながら工業も復興させている。

人口は5万人ほどであり、もはや

県内だけでなく日本国内でも屈指の規模の

生存者コミュニティーとなっている


さらに、石油を代用する”バイオマス燃料”の

開発に成功したという話があって、

他勢力から関心を持たれている。


※バイオマス燃料....植物を発酵させて出来る

 エタノールや、植物油を原料として加工し、

 石油と互換性を持たせた燃料のこと


しかし、かつて大洪水を発生させて、

川の下流の河口域にある漁港町を

壊滅させたために

「島」の人々からの心象は未だによろしくなく、

「チョコボーラー」とも距離を置いている


後述する、

『アメリカ第七艦隊』と、『ビーグル社』

とも繋がりがあると言われているが、

その全貌は謎に包まれている


//////////////////////////////////////////


『チョコボーラー』


原発政庁と、

旧県庁所在市の臨海工業地帯からなる


「原発政庁」


自衛隊が占拠して支配している半島。

原発があって、

かつて、県庁もそこに移転していたために

”政庁”を名乗っている


豊富なエネルギーと自衛隊の力を使って

周辺の土地を開墾して、農業を進めている。

半島には漁港町もあるために、漁業ができて

海産物も入手できる。


原発が生み出す電力は、

火力発電が停止した日本国内では

ほとんど唯一の広範囲に安定供給可能な電力。

高圧送電網を利用して県内だけでなく、

東西の大都市圏にも

電力を送っているのでその権限は大きい


....


しかし、漁船や農耕機などの生産機具や、

自衛隊の艦艇や車両やヘリ等の燃料の石油は、

「アメリカ第七艦隊」からの入手に頼っている


人口は6千人程度


「臨海工業地帯」


かつての県庁所在都市の

海沿いの埋め立て地の工業地帯は、

防衛も比較的容易なために避難所となっていた。

今は原発政庁の植民地のようになっている


原発から高圧送電される豊富な電力と、

特別に設置されていた工業用水道、

避難民の労働によって生産能力を維持している


人口は2万人程度


ただ、生産品は自分達のためではなく、

自衛隊やアメリカ軍の為に

生産しているものが多い


その象徴として、”チョコボール”がある


かつてはチョコボールは関東にある工場でのみ

生産されていたが、

ゾンビパンデミックの直前に、

新工場がこの埋め立て地に出来た。

今では、代用チョコレートを使った一般向けと

本物のカカオを使った高級将校向けの

2種類のチョコボールを生産


黄金に輝くキョロちゃんは、

軍人たちにとっては一種のステータス


このように、この地の人々にとって

”チョコボール”は、

自分達の為になるものを自由に

生産できないという象徴となっている


やがて、原発政庁&臨海工業地帯を、

人々は自嘲を込めて

「チョコボーラー」と呼ぶようになった


いつのまにか、

この「チョコボーラー」という自嘲的な名称が

正式名称となってしまったのだ


/////////////////////////////////////////


『島』 

  

面積5平方キロ程度 周囲12キロの小さな島。

海岸線の半分が浜で、海水浴場と漁村があり、

残り半分が断崖絶壁


電力と水道は、海底敷設管によって

本土から送られていたが、

ゾンビパンデミックが起きたとき、

それらが全て停止


昔設置されていた、地下水による簡易水道と

火力発電所があるものの、

燃料不足の為にそれも使えなかった


ゾンビパンデミック発生前は

元の住民は400人くらいだったが、

本土の、川の河口域にある漁港町から

生き残りの住民が避難してきて、

人口は1000人近くになってしまった


彼等は親戚関係などで近しい人々だったために

それでも、なんとか協力して暮らしていた


しかし、他県の大都市圏から

逃げてきた者たちが島に乗り込んできて、

状況はさらに悪化....

人口は2000人を超えた


やがて、人口過多となった島の住民の間に

軋轢が生まれる


元からいた住民と、漁港町からの避難者たちは、

廃墟と化した漁港町に出向き物資を調達したり、

漁業でなんとか食料を得ようとした。


しかし、他県の大都市圏からの避難者たちは、

まるで彼等が自分たちを助けるのは

当然だというばかりの態度だった....


ついに、悲劇は起き....


ゾンビパンデミックから3年経った今は、

人口は800人程で落ち着いている


やはり、漁業が命の綱で、

特に沖合で採れる”イワシ”は重要な資源。

イワシから魚油を絞って、それを燃料に

ボイラーを焚いて、火力発電所を動かしている


魚油を取った後のイワシは、干して肥料にして

「チョコボーラー」に売って、

漁船を動かすためのディーゼル燃料(軽油)と

交換している


しかし、「チョコボーラー」は領内に漁港を

持っているがために

海産物に特別な価値は無く、足元を見られ、

安く買い叩かれている


もしも、海産物が貴重で、

かつディーゼル燃料を生産している場所と

取引が出来たなら.....


///////////////////////////////////////////


『アメリカ第七艦隊』


ペルシャ湾岸を制圧していて、

石油を手に入れることができる。

欧州各国の艦隊&アメリカの他艦隊からなる

連合艦隊と敵対している。


「チョコボーラー」から

食料や工業製品を買い取り、

原油と交換している


『ビーグル社』  


ゾンビパンデミック前から、世界のITを

制覇していた企業。

無数の通信衛星による無料インターネットを

実現させており、生存者たちはそれを

大いに役立てている


人類の生き残りのコミュニティーを

ビーグルポイントで動かしているようだが、

サポートするコミュニティーは、

その存続性を試されているかのよう



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