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勘違いしないと決心した俺は、それでも勘違いしてるらしい  作者: 陽瑞
第一章:親友のラブコメを羨むのはおかしいだろうか?
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2人はすれ違う

〜霜月湊〜


「付き合ってください」


付き合ってくださいか……付き合ってください⁉︎

朝日奈が俺に⁉︎

正直、喜びたいが、今日のこともあってか、自分が何か勘違いしてるんじゃないかと思ってしまう。


そもそも晴翔のことは名前呼びしてるのに、俺は名字呼びだぞ。それなのに俺に告るか?

名前呼びの晴翔に告るなら分かる。

晴翔は自慢の幼馴染だし、朝日奈も幼馴染として異性の中では一番近くにいたからな。惚れるのも頷ける。

だが、俺に告るのはどう考えても理解できん。

朝日奈は学校で一二を争うほどの美少女だ。

贔屓目ありで見たって俺では釣り合わない。


あ!もしかして、晴翔のための買い物に付き合って欲しいのでは。

もうすぐ晴翔の誕生日だし、晴翔には秘密で2人で買い物に行こうってことか。

あの可愛い後輩のおかげで勘違いせずに済んだ。

今日、あの後輩のことを少し恨みそうになったが、今では、むしろ、感謝したいくらいだ。

知らない後輩で失敗することで、大切な幼馴染の時に失敗せずに済んだ。


「晴翔の誕生日プレゼントを買いに行くのに付き合えばいいんだろ、いいよ、いつにする?」


行き先を考えているのか、それとも日程を決めているのか、中々返答が来ない。

そして、30秒くらいしてから朝日奈が口を開いた。


「……明後日とか、どうかな?学校ないから、ゆっくり買い物できると思うの」


返答を聞くに、買い物の付き添いで合ってたみたいだ。

心の中で、勘違いせずに済んで安堵する自分がいた。

勘違いせずに済んで良かった。

告白だと勘違いしてたら目も当てられないことになっていたな。

幼馴染である朝日奈から「は? 告白? 何言ってんの?」とか「いや、ただ買い物に付き合ってほしいなって意味で言ったんだけど……」とか言われたら流石の俺でも心が折れていただろう。

そういう意味ではあの後輩は俺の命の恩人なのでは?

今度、お礼言おうかな。 いや、やめよう。いきなり「君に告白されたと勘違いしたおかげで、助かった」とか言ったら、やばいやつだ。学校中で噂になること間違いなし。幼馴染2人からも変な目を向けられるかもしれない。

よし、心の中でお礼を言うのに留めておこう。


──ありがとう、姫乃琴弓。君のおかげで勘違いせずに済んだ。 君から受けた恩は一生忘れないよ




〜朝日奈紬〜


「晴翔の誕生日プレゼントを買いに行くのに付き合えばいいんだろ、いいよ、いつにする?」


は? 晴翔の誕生日? 

私は告白の返答が想像していたのとあまりに違ったため、頭が真っ白になる。


しばらくして、頭が落ち着いてくると何故そんな返答をされたのか理解しつつあった。

晴翔の誕生日が近いから、晴翔に秘密で誕生日プレゼントを買いに行くのに「付き合ってください」って言ったんだと勘違いされちゃったな。


勘違いを正すべきかな。

いや、私に好意を抱いてくれていたら、そんな勘違いをしないよね。

つまり、霜月は私に対して恋愛感情は抱いてない。

この現実はつらいけど、知れて良かった。

今、勘違いを正しても振られて、しばらくの間ギクシャクするだけ。

それなら、今は勘違いしててもらおう。


「……明後日とか、どうかな?学校ないから、ゆっくり買い物できると思うの」


今日は2人で買い物に行く約束ができたってことで妥協しよう。

それに、2人で買い物とか、どこからどう見てもデート。

ここで、霜月との距離を縮めれば良い。

行動しなきゃいけないのは事実だけど、焦りすぎもよくない。

それに、今まで何も出来てこなかった自分には今日の成果は大きな一歩。

ここから少しずつ前に進めるように頑張れば良い。

いつの日か、好きになってもらえるように。

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