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勘違いしないと決心した俺は、それでも勘違いしてるらしい  作者: 陽瑞
第一章:親友のラブコメを羨むのはおかしいだろうか?
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朝日奈過去編:変化

〜朝日奈紬〜


湊、いや、霜月が言った通り、学校は大した対応をしなかった。

確かに、霜月と天瀬と話し合った日の次の日、私をいじめていたクラスメイトの女子たちが謝りに来た。

しかし、それだけだ。

クラスメイトの女子たちの親にすら連絡していない。

先生たちはいじめてた女子たちに「ごめんね」とか「ごめんなさい」などの謝罪の言葉を述べさせたら、いじめがなくなるとでも思っているの?

そんなわけないでしょ。

むしろ、恨みを買って、より陰湿な嫌がらせやいじめをしようとしてくるだろう。

結局、学校がしたことって、私や幼馴染、後、クラスメイトの女子への事情聴取と私の親への連絡、そして、クラスメイトの女子たちに謝るように言っただけだった。




「予想してたとはいえ、学校の朝日奈への対応、まじで終わってたな。まさにクソ対応。こんな対応でいじめがなくなるなら、いじめなんて起きないっての」


帰り道で霜月が少しイラつきながらそう言う。

いじめの件がバレてからかれこれ2週間になった。

ここ最近は毎日、霜月と一緒に登校・帰宅していた。

いつも課題をせず、居残りすることが多かった霜月だが、いじめの件を知ってからはちゃんと課題をするようになり、居残りすることもなくなった。

おそらく、一緒に帰ることで、私が1人になること時間を減らし、女子たちが私に危害を加えれないようにしているのだろう。

天瀬は学校では私から距離を置くことで、女子たちから私が嫉妬されないようにしてくれている。

霜月たちには罪悪感を感じて欲しくはないが、こうして私のために色々してくれると嬉しく思ってしまう。


「まさか、私以外の親に連絡しないとは思わなかった。そもそも、親同伴で謝りに来るのが普通じゃない?」


「親に連絡しないのはやばいな。学校としても、先生としてもこの件を大事にしたくないんだろ。おそらく大事になれば、今後の昇進に関わるじゃないか。担当してたクラスでいじめが起きましたとか、印象悪いからな」


「あぁ、なるほど、確かにそうだね。いじめがあったなんて、指導力不足って言われてもおかしくないか」


「だから、今回みたいな対応だったんだろう」


「そっか……」


これ以上、この件について話しても無駄な気がしたので、無理矢理話を切り替える。


「ねぇ、今日は何をする?」


「何しよっか。うーん、……逆に朝日奈はしたいことある?」


霜月と一緒に帰るようになってからは、制服のまま、霜月の家にお邪魔して、ゲームをしたり、アニメを見たりするのが日課になっていた。

いじめがあったおかげって言うのは嫌だけど、こうして小学校の頃のように毎日一緒に遊ぶようになった。


「私は昨日したゲームをやりたいかな」


「あー、あれか、めっちゃ面白いもんな。じゃあ、家に帰ったらそれをするか」


いじめの一件により、手に入れたこの日常が何よりも楽しい日々であり、そして、充実した日々だった。

クラスメイトの女子たちの中には私のことに対して、良からぬ感情を持っている人は、天瀬が学校の中で私から距離を置き、苗字呼びになると次第に少なくなっていった。

残りの私に対し、良からぬ感情を持っている人たちも、クラスの中では明璃、それ以外の時は霜月がいるおかげで何かをしてくることはなかった。

その代わりと言っては何だが、冷やかす連中はやたらと増えた。

私と霜月は毎日、2人きりで登校し、下校しているのだ。

付き合ってるように見えるのは仕方がないだろう。

私も結構冷やかされるが、霜月の方は私とは比べ物にならないくらい、冷やかされたり、いじられたりしてるらしい。

それでも、霜月は嫌な顔せず、毎日私の教室に来てくれた。


そんな霜月に恋をしてしまうのは、おかしいだろうか?

他の誰の為でもなく私のために、ここまでしてくれる男子が好きになってしまうのは、変だろうか?


この答えは永遠に分からないだろう。

もしかしたら、こんなことで恋をしてしまう私はおかしいのかもしれない。

でも、この好きだという感情だけは、紛れもない事実だ。

例え、周りからおかしいと思われようともこの事実だけは変わらない。


そう、言ってしまえば、負けヒロインである幼馴染の私が、霜月湊に恋をした。ただそれだけなのだ。

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