カキフライ定食
どうしてもカキフライ定食が食べたくて、その店に入ったんだけど…いや、メニューの問題じゃないす、客層に問題があったのが泣けたっす。
私の斜向かいには、4人掛けテーブルを3連にしてお年寄りな容疑者10名近くが真昼間から酒を飲みながら談笑しておりました。声のでかさ、ろれつの回らなさ加減から、したたか酔っていると私は断定。(ここ、東京駅近郊の思いっきりビジネス街なんですけどね。)
「あーのな、私ぁーな、おい!聞いてる?日が沈むまでには必ず家に到着するように心がけているんだぁよ。」
「ほぉ。」
「何故かってぇとな、日が暮れるとな、ハンドル捌きができなくなっちゃうからね!」
「いい心がけだねぇ~。」
「んだろ?『こーきこーれーしゃ』の見本にならなくちゃイカンのだよ、これからは!」
車の話ですか。日が沈む頃とか、そういうレベルの問題じゃないと思いませんか?
「わしはな、聞いてる? わしはな、最近夜に4回も目が覚めちゃうんだよ凄いだろ?」
「いやいや、私なんか5回は起きるね。トイレの近さはアンタには負けないよ。」
「でな、ちょこっとしか出ないんだよな、まいっちゃうよなーーー」
(…あの、ここ、食べる所だから)
「アラ、わたしなんか、笑っただけで漏れちゃうのよ!」
(ばあさん、対抗すな!)
「なに? はぁっはっはっはぁ!」
「漏れそうだったら早くトイレ行けよ、ともかく、わし、先に行ってくるわ。」
「あんたこそ、おつりでズボン濡らして帰ってこないでよ。公共の場ですよ。」
『静かにしてください』と言う勇気がない私。哀れカキフライ。
「おい、ねぇちゃん! 4本つけてくれるか?」
わちゃー。ウェイトレスに向かって「ねぇちゃん」呼ばわりしちゃったか。
しかし、声をかけられた「ねぇちゃん」ってのも日本人じゃなかったりするもんだから、予断を許さない。
「ツケルナニデスカ?」
「お、よく見ると外人さんだな?あのな、酒をあったかくしたやつな、どゆ、あんだすたーん?」
「サケ、ドレノサケネ?」
「つけるといったらポンシュだよ、ポンシュー!」
「あぁ、ウェイトレスさん、この人、酔ってるから放っといていいよ。」
「あに?酔ってないよ(胸のネームを読んで)エレーネさんっての?アジアじゃねぇな?どこな?まーいーや、日本酒ね。愛情込めてね。」
「あ、まーた、そうやって、たらしこもうとしてる。この助平め!」
「わぁっはっは!なっ、エレーネ!」
・・・
とは言え、元気なお年寄りというのは、始末に負えないと思う反面、血気盛んはとても素敵なことだとも思ったり。
この国が良い国であってほしいと願ったり。。