中華料理店のBGM
「ヒーリング・ミュージック」と言うのがあります。
何時からこんなジャンルが出来上がったのか分からないけれど、少なくともその昔、宗次郎さんや喜多郎さんのCDを買ったことがあります。当時は「ヒーリング」という言葉さえ世には出ていなかったと思うし、自分自身も癒される事を目的として買ったわけでもなかったのよね。ただ、シンセサイザーやらオカリナの奏でる「ビート不詳」の音楽に惹かれるところがあったんです。
全体的に「フワァ~~~~ン~、シャラァァ~ン~、ヒュオワ~~~~ン~、ミュオォォ~~ィン~、キラリラァァァ~~ン~~♪」な雰囲気で、そこに「ポポポピポ~♪」なメロディが入って来る。
活字の表現だと何ともお間抜けにしか読めないが、実際に耳にすると、速い心拍数が落ち着くような印象があったと思うなー。それは確かだ。その当時は、「ヒーリング」と言う言葉の変わりに「太古の声」とか「宇宙の詩」なんてクレジットがジャケットに踊っていました。
オカリナと言う楽器は、聞く所によると、「聴く」だけでなく「演奏する」サイドにもヒーリングの効果があるらしい。
私とオカリナの接点は小学校の頃の学研の付録に付いてきて、それを吹きながら遊んだ事があったのが最初。そして「ナウシカ」の映画で惚れ込んだのが二度目。その都度楽しんだのは事実だけれど、それ以来、オカリナとの接点はなくなってしまった。
で、オカリナの話ではなくて、ヒーリングの話(笑)。
自分が疲れている時、イライラしている時等に、安らぐ為の音楽をヒーリング・ミュージックと言うなら、私自身には(ハード)ロックであったり、ボサノバだったりする。中々オカリナの音楽を聴こうとは思う事はない。ヒーリングの位置づけは要するに人それぞれなんだろうね。
先日、(精神的に)疲れた身体で午前中を過ごし、お昼になったときのこと。
「中華飯でも食べようか」と、道すがらにあった中華料理店に入ったところ、そのお店ではBGMになんと、「ハワイアン」を流していた。
中華料理店で「十二楽坊」が流れるくらいなら当たり前であるが、ハワイアンをバックに中華料理を食すと言うのは、極めて異例の事態だ。違和感をバリバリに肌で感じつつ、
「やれやれ、こりゃ、入るお店を間違えちまった。早いとこ食ってお店を出よう」
なんて思いながら、頼んだ品が早く来ないかなとソワソワしていた。
することもないので仕方なく曲に耳を傾けざるを得ない。
BGMに流れるハワイアン、聴けばスティール・ギターに女性と男性がヨーデルのように声をひっくり返しながらゆったりとしたリズムに乗せて歌っているものだった。
(ふぅん…)
と感じつつ…中華飯がやって来た。さ、食おう!
曲に耳を傾けながら中華飯を食す図。
聴いてたら、だんだん何やらイライラしていた気分や、「ふーふー」吹きながらセッセと中華飯を食べるのが、アホらしくなって来た。
てか、元々中華料理に対してはわふわふ食べるイメージがあったのよねー。
で、お水をコップ一杯頂戴して、のぉんびり食べるモードに切り替えつつ、
(ま、ゆっくりいきましょか?)
と、何やら「ほやん…」となってしまったです。
私、ハワイアンはオカリナ楽曲よりも更に縁遠い。
中々じっくり聴くなんて事はなかったし、どうせ聴くにしても「ほやぁん」ハワイアンよりも「ドンドコドンドコドンドコ!」の腰フリ・アッパーなハワイアンを選んでいたと思う。
ゆったり系のハワイアンかぁ。
これは新たなマイ・ヒーリング・ミュージックと位置づけても良いのかもしれぬ。
まはろぉ~、あろはおぇ~~~、あ~ふいほぉ~、りりら、るりるら~♪
あー、でもずーっと聞いてたら萎えそうだな。。