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ホームにて

所要を済ませ、京浜東北線品川駅で時間調整のため停車していた東京方面行きの電車に乗り、ドア付近で手すりにもたれるようにして立ち、ぼーっと外を眺めていた私。


そこに、一人のおばさまが慌てた風でホームをバタバタと急ぎ足でやってきた。

私と目が合った。やばい。(別にやばいわけないけどね)


女性「こ、ここはどこ駅かしら?」


私「え? 品川ですが。」


女性「この電車はぁー…?」


『電車はぁー…』で言葉が途切れた。

その続きは一体何だ?

「どこ行き」かを知りたいのか、それとも特定の駅に行こうとしているのか?

気になる。…どうにも気になる。


が、こちらから聞き正すのもあれなんで、じっとその続きを待った。


女性「えっと、ええ~っとぉ…」


眉間にしわを寄せながら、首をかしげるおばちゃん。

頷きながら先を促す私。

【?】が空中を飛び交う。


『ルルルルル・・・!』構内ベルが鳴りだした。

急げおばちゃん、ドアが閉まるぞ。


どうにも収まりが悪くて私の方から声をかけた。


「あのー、何を答えたらいいんでしょう?」


女性「えーっとねぇ、えーっとえーっとぉ…… あら!?

         私、何処に行こうとしてたのかしら?」


(はい?)


『ぷしゅーーーーーっ』


ドア、閉まりました。


なんだその発言は。こんなところで始まってどうすんだ?


女性(あ、大森!)


ドアの向こうで口パクでそう言っていることが分かった。

それ、反対方向です。


私は進行方向と逆の方向に指さすサインを送った。


(通じただろうか?)


おばちゃんは不安そうにしている。


私は、合掌してみた。



「合掌」…で良かったのかな?


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