表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/148

ダジャレ少年

先日、電車の中で遠足らしき小学生の一団と一緒になってしまった。

賑やかと言うよりも、もはやうるさい状況。私は自然体を維持しようと頑張ったけど、天を仰いで大きく深呼吸するほか手立てが浮かばなかった。いやはや、ホントに元気な集団でした。


中でもとりわけ元気な男の子がいた。車中の音は殆どその子の声だと言ってもいいくらい。


「サルがさる(去る)!」


と、吼えている。


「どう?、サルがさるっ!」


その子は友達に向かって、考え浮かんだダジャレを披露している。

あーっ、寒い。。

そう思う私を無視し、彼は吼えまくる。


「サルがさる!」


同席してた女の子がその子をたしなめた。

これもまた声がでかい。


「わかったよ! あー、もう、うるさいなぁ」


「サルがさるーー!!」


たしなめられようがどうしようが、男の子はその駄洒落をひたすらに繰り返す。

私は段々イライラしてきた。


「サルがさるっ!!!!」


「サールがぁ、さるっ!!!!」



<イライライライラ…>



「サルがぁぁぁぁ、さるっ!」


言い方をどんなに変えたって言ってることは同じだし。


「サールがっ・・・さぁるぅぅぅ。」


(あのね。)


あまりにも繰り返しが激しくて、んなのずーっと耳にしていたら、私のイライラは何故かピークを過ぎちまったよ。不思議なもんですな。

繰り返しの魔術かも。



「サルぅがっ・・・さーるーーーーっ!」


(やれやれ…)


と、思っていたら男の子はいきなり切り替えしてきた。




「猫が寝込んだ!」


(ぷっ)

いかん、ウケちまった。



すると今度は、男の子は怒涛の駄洒落攻撃を始めた。


「イルカは居るか?」


「犬は居ぬ!」


「鹿しか居ないねぇ!」


「象だぞー!」


「サイはダサーい!」



も、もしかすると、彼はかなりの才能持ちなのかもしれない。



いつの間にか車中は笑い声でいっぱいになってた。


ダジャレってさ、たのめ~るじゃないけど、ひとつふたつ程度じゃ寒いが連打されると温まるよね!

・・・(ならんて)。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ