レモンティーを飲む
とある日にバンドの練習を終えた私は、メンバーやらその周りにいた先輩やらとファミレスのようなところに行ったです。まだ、お腹は空いていなかったのでとりあえずお茶を飲むことにしました。かなり冷えた日だったので、私はホット・レモンティを注文。暫くしてオーダー品がテーブルにやってきました。
みんなと話をしながら、器の中にレモンのスライスを放り込み、コポコポとポットから紅茶を注ぐ。ちょっと一口。
うん、美味い。
隣の友達はホットコーヒーにミルクを注いでいる。そっちも美味そうだ。深い茶褐色のコーヒーに、スプーンを入れて先ずはくるっとひと回転。すーっとスプーンを抜いて、その後からカップの淵に「ミルク挿し」をあてがい、そこからゆっくりとミルクを注いでゆく。カップの内側を伝って、コーヒーの上にミルクが乗っていく、溶けてゆく。カップの上で流れを保つコーヒーの上をゆっくり渦を巻きながら、ツートンカラーの描写を伴いやがて混じった二者はキャラメル色に同化する…。
やおら、私はその隣の友人のテーブルにある「ミルク挿し」を取りあげ、自分の紅茶の中にも淹れてみた。
友人のミルクコーヒーが美味しそうに見えたので自分の紅茶にも入れてみようと思ったんです。
分離しました
ミルクがカップの中で分離し、まるで水と油のシェイクしたドレッシング状態になったのね。隣の美味そうなミルクコーヒーとは雲泥の差ですな。言葉を失ってカップを覗き込んでいた私。やっちまった感MAX。
対面に座っていた先輩が、「面白い飲み方するね」と言った。
「…え?、でしょ!?、こう飲むとお腹にやさしいんですよー。」と応える私。
咄嗟に出てきた言葉が、何でこうだったんだろう?
素直に負けを認めない私は(別に誰に負けたわけでもないのだが)、平静を装いました。
怪しまれないようにするためにも、直ぐに次の行動に出なければならない。「何食わぬ顔」でその「分離紅茶」を口にする。
「ごくっ」
不味っ。
「なかなかオツですよ、先輩」