夢を見た(先輩の隠れ家)
夢をみた。
知り合いの先輩と飲みに行く夢である。
場所は新宿か新橋辺りか…あまり定かではないが、とにかく都心ではあるけれど、場末な飲み屋で二人でひとしきり飲んだのである。
「おっと、もうこんな時間だ。じゃぁこの辺で切り上げるとしますか!」
今日はちょっと遅くまでになってしまった。時計を見たら11時を回ろうとしてる。
お店を出て、駅へ向かうことに。。
「じゃ、ここで。」
先輩は改札に入ることなく、駅の向こう側へと足を向けた。
(あれ?)おかしいぞ、先輩、私と同じ方向の電車に乗って帰る筈なのに・・・。
「先輩~、どちらへ行かれるんですかぁ!?」
「あ、お構いなく、じゃっ!」
…怪しい。どうも気になる。
私は帰るフリをして先輩の後を尾行することにした。ヒマなのか私は。
駅の反対側。そこもそれなりの繁華街だ。先輩は右に曲がり、飲み屋街を突き進むかと思いきや、ワンブロック進んだら直ぐに左に曲がった。こうなると景色は突然住宅街になる。
まだ開発途上のような住宅街の道を彼はてくてく歩いて行く。…と、とある家の玄関前で立ち止まった。その家はブルーシートが被さっており、何やら改築中といった風情だ。
(先輩って、こんなところにも住処を持っていたのか?)
何故か遠慮がちに「ごめん下さい」と言いながら玄関ドアを開ける先輩。
すると中から「あら、久しぶり!いらっしゃいませ!」と言うような声が聞こえてきた。
外見は一軒家だけど、なにやらパブ・スナックのノリである。しかもその家、ブルーシートがかかってるくせに外に面した広間のガラス窓部分は道路から良く見えてしまうんだ。
私は電柱の陰に隠れ、ガラス窓を通して中の様子を見ることにした。と、真ん中に大きなコタツが置いてあって、そこに何人もの「大人の女性」が座っているではないか。彼女たちは家着ではなく、真っ青なドレスとか、フリフリフリルのワンピ、つつましい口紅を纏うなど、明らかに「そっち系」の出で立ちで座っており、コタツの上には徳利やら、御猪口やらみかんが鎮座している。なんだこの光景はっ!
部屋に通された先輩はそのコタツに入り、幸せ至極の表情を浮かべているぞ。
そうか、ここが先輩の隠れ家だったのか。ずるいぞお前!(「お前」扱いか)。
「コタツ」「美人」「酒」という三大要素が凝縮している店。というか、魔境!
見ようによっては、正にこれこそ隠れ家の真髄とも言えよう。
私は、そのお店を開拓した先輩を何やら羨ましく思いつつ、…目覚ましに呼ばれて起床。
…
ところで、大人の男性で、酒をたしなむ方のうち、どれだけの人が「自分の隠れ家」を持っているだろう?
いい大人になったら、大人の男のたしなみとして隠れ家的飲み屋をいくつか持つことはひとつのステータスであり、憧れであると思っている私である。
少なくとも「小料理〇〇〇」「スナック〇〇〇」の二軒は必須だ。
〇の中にはひらがなが入る。
それは女性の三文字名でなければならない。
けいこ、しおり、あやの、くみこ…良いよねっ
おっと、独り言ちている場合でない。さっさとこの辺の目標をクリアしている筈が、気が付きゃ全然乗り遅れているではないか。何とかせねば、が、先立つものが枯渇しとる。嗚呼、稼がねば。それもしんどいな。どうしたものか。。
寝るか。
そうだ寝よう。寝ちまおう。
人間って、頭が結構単純なので、寝ると負の感情がリセットされるらしい。
イライラしたら寝る。
悲しかったら寝る。
死にたくなったらとりあえず寝る。
「急がば寝る」
それで妙な夢みてるようじゃお話にならんが。。
あ、そうそう、業務時間中は寝ちゃだめってのは、論を待たないですよ。