新人研修の一環らしい
先日のこと、取引先の銀行の担当者が私の勤務先に訪問するにあたり「研修の一環で新人を同行させて行ってもよろしいでしょうか?」と言うので、別に断る理由のないから「どうぞ」と言ったところ、ハーフ(父スイス・母日本)な新入行員が同行してきた。
なんでも、お客さんに直に会って接客の感覚を学ぶらしいんだが、私みたいな不良サラリーマンに会ったところでほぼ得るものは何も無いであろう、かわいそうに。
実のところ、今までこういった形で面会を行ってきた取引先新人には、帰国子女やら、米国人やら、台湾人やらはあったけど、スイス・ハーフは初めての経験な私。俄然興味が沸いてきた。
面会当日。
見れば、トム・クルーズばりのイケメン。学生時代はジュードーをやっていたという、まさにラスト・サムライ級のかっこよさだ。青い目。カラコンではない。
「スイス・ハーフで学生時代にジュードーでミッション・インポッシブルならモテたでしょ?」
私の第一声がこれ。
「あ、いえ、そういうことはなかったです。」
お、流暢な日本語じゃないか。なぜだ。トム・クルーズのくせに。
「随分、日本語がお上手ですね。」
「あ、はい、3歳から日本におりますので。」
「日本語以外の外国語は何を?」
「日本語だけです。」
ほ?バイリンガルではなく、モノリンなのか?
「あれ?お父さんはスイスなんでしょ?えーっと、確かスイスって何か国語か混ざってますよね。」
「あ、それ、ドイツ語です。私も3歳までは話してましたが、3歳がピークでした。」
そうかぁ、、私もそういえば第二外国語はドイツ語だった気がするが、今や「シャウエッセン」くらいしかしゃべれんな。あと、アルトバイエルン。(違)
いやいや、そういう事じゃない。ともかく自分の頭脳にはスイス情報はほぼ入っていない。
アルペンで永世中立国で世界中の富豪のお金が銀行に入っているくらいか。。
それでも少ない情報ながらも、会話を試みることにした。
「やはりアレですか?斜面が多いんですか?」
「い、いや、そんなこともないとは思いますが。」
「おじいさんは山小屋に住んでいるんですか?」
「あ、それ、よく聞かれるんですが、そんなことないです。」
「よく聞かれるんですか?」
「はい、特におじさんたちに。」
「大きい犬を飼っているのか?とか?」
「ええ、そうです。主食はチーズなのか?とか。」
「友達に羊飼いはいるのか?とか?」
「そういう質問は今日が初めてです。」
「うーむ。ヤギは?」
「はい?」
「ヤギいませんか?」
「いません。」
「いや、失礼。」
まぁ、こんな感じで面談は終了しました。
同行した担当者はただただ笑っておりました。
新人、頑張るんだよ。仕事。