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「黄金バット」って知ってます?

どうでもいい話なのだが、DVDショップで強烈レトロ作品を見かけた。


「黄金バット」。


 流石に私は、紙芝居のそれを体験した世代ではない。しかし、幼少期にテレビアニメ版で復活した黄金バットを見た記憶がある。今となっては、黄金バットがどんな話だったのか、かなり曖昧になってしまっているが、それでもあの映像・演出のエグさには並々ならぬものを感じていたので、そのDVDボックスを見かけたら何としても今一度復習しなければいけないような、そんな気になってしまった。


え?「黄金バット」を知らないって?…しからば、これから先に書くことをよく読んで、観るかどうかを判断してみてくださいませね。


先ずは主人公、黄金バット。


 彼の凄いところはともあれ、あの笑い声であることに異論を唱える方はいないであろう。「ワハハハハハハ…」である。

そう、かなり不気味である。

 黄金バットは基本的に笑うことが会話の80%を占める。「ワハハハハハ」と笑いながら何処からともなく登場し、「ワハハハハハ」と笑いながら去って行く。敵と戦っている最中でも「ワハハハハハハ」と笑う。どんなに打ちのめされようとも、突き飛ばされようとも、押しつぶされようとも

「ワハハハハハ」

と笑い続ける。

余裕バリバリなのだ。

戦う相手は間違いなく彼を「怖い!」と感じたに違いない。


そんな訳で、黄金バットが追い詰められているシチュエーションでも笑っているということに、幼少期の私は激しく違和感を覚えた。

いつでも彼には笑いが基本だったのだ。

ポジティブっちゃぁ、ポジティブだな。今どき珍しいヒーローだ。


とはいえ、黄金バットは笑うだけがボキャブラリーではない。

時には「くぞ!」とか、「シルバーバトンの威力を受けてみよ!」と、ちゃんと言葉を発する。しかし、彼はその位しか言葉を知らないようだ。


あと、「黄金バットは不死身だ!」とか、「正義の味方黄金バット!」などと執拗に自己アピールをする癖があった。


現に、彼は不死身だ。

殺されても勝手に復活してしまうのだ。

絶対それでは「殺られてる!」と思う場面であっても、「黄金バットは無敵だ!」とかなんとか言いながら、復活してしまうのである。


言ってしまえばこっちのもんだ。復活してしまうっていう設定になってしまったんだからしようがない。

例え車に跳ね飛ばされても壊し返してしまう無茶苦茶加減。

雷に接触しても「ワハハハハ」と一笑に付してしまうアバウトさ。

何から何まで何でもオッケー。

古今東西、色んなヒーローはいるけれど、敵からすれば黄金バットほど「絶対に相手にしたくない」ヒーローは他にいないと私は確信する。


冷静に考えると、黄金バットのいでたちも凄かった。ガイコツの顔に筋肉ムキムキの身体、マントを翻し、妙なステッキを携えている。そのステッキはシルバーバトンと言い、不思議な光線を発したり、相手を粉々にする威力を内包している。マントも「ばさっ!」とやれば、何故か突然突風が吹きすさぶという仕掛けもある。

謎が多すぎる。


そして、黄金バットの居丈高の姿勢もチェックが必要。すべからく、どんな人に対しても命令口調で話をする(そういう時は、何故かちゃんとしっかり話す)。自己アピールもさることながら、ここまで自意識過剰な主人公というのもそう滅多にお目にかかれるものではない。


加えて、本編のナレーターも仲間につけている主人公。

番組の最後には、必ず次のようなナレーションが入る。


「強い、絶対に強い。黄金バット!」


ここまで言われてしまうと、反論の余地は無い。

絶対に強いのか、そうなのだ。

向かうところ敵無しとは、正に彼のためにあるような言葉であろう。


しかし彼は正体不明なのである。

目的は定かではないが、アトランティスの宮殿の奥で数千年の眠りから覚めたという出生の秘密があったと思うが、なぜに顔だけがガイコツ化しているのか、身体は健康そのものだ。いや、健康以上である。全身黄金になってしまっているのである。スーパーなのである。正義の味方でなおかつゾンビなのである。本来であれば、眠りから覚めれば「呪い」と直結しそうなものであるが「正義の味方」なのだ。この辺、欧米人には理解しがたいであろう。



登場人物で、敵対するボス「ナゾー」。


紙芝居のレベルの時には目が二つだった彼が、アニメになったら四つ目になってしまって、本当にナゾーになってしまった。

彼の発する「ローンボロゾー!」という言葉は、主人公の「ワハハハハ」に匹敵するほどにインパクトがでかい。あれ?「オーンボロゾー!」だったっけかな?


ナゾーは日本語が達者で、非常によく語るのが自意識過剰の黄金バットとは異なる。

ロボットや怪物を作っては黄金バットと戦い、毎度の事ながら敗北を帰す。


だってそれは仕方の無いこと。

相手は「無敵」で「不死身」と豪語しているのだし、そういう変わり者なのだから、それでは製作費用の無駄遣い以外の何物でもない。

しかし、ナゾーは作り続ける。彼は非常に経済の発展に貢献している良き消費者なのである。


ナゾーはその一方で、とんでもないことを犯す。黄金バットの成敗に失敗した部下を次々と殺してしまうのである。こういうことは、何もこの番組の悪役に限ったことではないのだが、そんなことをしていたらたちまち味方が減少してしまって、ひいては戦力の低下に繋がるに違いない。

これはあくまで推測だが、ナゾーはかなりの報酬で新規人員を確保するツールを確立していたに違いない。スタッフサービスのような人事を確保していなければ、あんなにばっさばっさと味方を無残に殺すようなことはしないはずだ。

だが、側近のマゾー(この命名に異論ありだが。。。)だけは、殺さない。この辺、ガッチャマンのベルクカッツェを連想してしまった(古いなぁ)。


ナゾーの目的は基本的に世界征服だったと思うが、それなら何故、地球本体までを破壊しようとしたりするのか?謎ー。



 ところで、黄金バットを召還するのには、マリーちゃんという何故かフランス人の少女の存在が必須である。マリーちゃんはヤマトネ博士とつるんでいるのだが、何でつるんでいたのかわからない。

とにかくマリーちゃんが、

「コウモリさん、コウモリさん、助けて…」

と言わないことには黄金バットは出演の許可が下りない。

正に、黄金バットはマリーちゃんあっての黄金バットなのだ。

では、何故、マリーちゃんだけに黄金バットの召還権が与えられたのだろう?

いや、それよりも、何故、毎回毎回マリーちゃんだけが窮地に立たされてしまうのだろう?


黄金バットは、それ程の窮地に立っているマリーちゃんの為に、いきなり何処からともなく飛んでくる。しかし、ただ飛んでくるだけではない。

マリーちゃんが「助けて」と言ってから先ずは金色のコウモリがキラキラと飛び交い、そのあとでやってくるという形式が約束事である。さっさと飛んでくるかと思いきや、そういう順番を踏むことが必要なのだ。チョットばっかりもったいぶっているところが登場を効果的にするための彼なりの演出である。「ワハハハハハ」と、余裕ぶっこいて笑いながら飛んでくるのだから恐ろしい。


一々謎が多すぎて、冷静に考えていては頭が幾つあっても足りません。



 そういえば、ヤマトネ博士には息子がいた。名前は忘れてしまったが、間違いなく子供だった。が、車も運転するし、飛行機も飛ばしていたっけ。そのライセンスはいったいどうしたのだ?というか、そういう技術を既に身につけていたということは、流石博士のご子息であると、感心するしかないではないか。あっぱれだ。



このように、全ての出演者に謎がある黄金バット。コウモリだけが知っているそうだ。



やはり購入して、観て見たい気がする。

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