その郷土料理屋さんの思い出
今でこそ、コロナコロナでみんなして居酒屋に行って騒ぎまくるということが出来なくなってしまいましたが、ついちょっと前までは騒ぎまくるのは当たり前の光景でした。
そこで友好を深めたり、仕事のもやもやを解消したり、見聞を広めたりと、居酒屋で騒ぐのはそれすなわち阿呆騒ぎとは限らんかったです(結果的に阿呆騒ぎになることはある)。
実は、勤務地の近くにとある居酒屋がありまして、これがここんところのコロナの影響なのかどうかは不明だがとうとう店を閉めちゃいました。ちょっと思い出があるお店でした。
もう10年以上前の話ですけど、仕事上のストレスを発散すべく、上司や先輩と連れ立って飲みに出かけたのがこの店。
「お、ここの店、新しいね、入ってみようか!?」
上司のその一言で入店決定。暖簾には『青森郷土料理〇〇〇』とあったです。
〈自分の思考回路、以下の通り発動〉
青森料理か…青森県に行った事がないんだよな~。青森出身の人は何人か知ってるけど、青森料理となるとあんまり知らないわ。。あ、そだ、ぬるぬる系のご飯にかけるヤツは知ってる。「ねぶた漬け」とか言ってたような気がする。東京関東では、正月料理としてよく食べる「松前づけ」ってのがあって、「コンブ・スルメ・ニンジン」に醤油・砂糖・お酒・みりんでもって漬け込むヤツ。これが数日後には程よくぬるぬるになるのだ。結構好き。「ねぶた漬け」は、この松前づけに加えて、キュウリとかキャベツなどが細かく刻んで混ざっているようなものである。もうもう、ぬるぬるで、しょっぱーい!んだ。
しかし、ご飯は激しく進むよね。「津軽漬け」だっけ?数の子が入ってるのと入ってないのとで言い方が変わるなんて教えられてたことがあったが、さてどっちがどっちだったか。
そうそう、青森なら避けて通れぬ海の幸があるよね。マグロ。
何とか岬で採れたマグロとか仕入れてるんかなー?
おっと、お酒はやはり「田酒」でしょ。「じょっぱり」も有名だわな。
なんだ、わし、結構知っているじゃないか青森料理。
〈発動、おわり〉
こうして私は、色々と思いっきりイメージを膨らませて暖簾をくぐったのでありました。
店内には「どんどこ!どんどこ!!」と祭囃子が鳴り響いている。いいぞ。
店員の女性が、もんぺ姿のような格好でやって来ました。それもいい。背がちょっと高いな。。
「いらったいまてー!」
…あれ?
「ごちゅもん、どぞ!」
はぁ? アイコンする我ら。
「…あ、じゃ、とりあえずナマみっつ。」先輩が言う。
「あいー、ごちゅもん、はりまちたー、なまみつーぅ!」
いけません。
これはいけません。
急激に青森が遠くなりました。異国の地に連れ去られてきてしまいました。
これじゃ、メニューに「トムヤンクン」とか「生はる巻き」とかがあっても不思議じゃない。それでも何とか我慢して、2~3の食べ物を食し、熱燗を2~3合飲みまして、店を後にしました。(別の店に移動)
…そのアジアン的青森料理店で食べた「アナゴの柳川」がよくなかったのだと思う。
生臭かったのを目をつぶって食べたし。
その晩、お腹レベルMAXで壊れました。
そういう思い出です。
なので、店閉められたんですが、あんまり残念ではありません。