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夢を見た(床屋研修)

夢を見た。


どうやら私は、理容学校に通っているらしいです。

今日は最新「かつら」の実技訓練。昨今のかつらの技術革新は目覚ましく、今最も注目されているのは自毛を培養して自らの毛でかつらを作るという手法だ。

ただ、人によっては自毛があまり無い人がいる。後頭部の毛根をいくつか抽出して培養するのが困難な場合、胸毛とかを代用する場合がある。

思えば、腋毛、脛毛、…人間の体はその大きさ太さを脇に置いておけば、足の裏、手のひらを除いて、全身毛だらけだ。


私が担当することになったクライアントは、何故か背中に「ぼーぼー」と毛が生えている筋肉質なスキンヘッドさん。

その背中の毛を皮膚ごと抽出し、それを培養してかつらを作るという一連の実技である。


「よろしく頼むよ、兄ちゃん!」


スキンヘッドのおっちゃんは、汗っかきだ。結構背中ベトベトで、上手く剥ぎ取ることが難しそう。。私はベビーパウダーらしきものをふりかけ、剃刀を背中にあてがった。

慎重に、慎重に…


む!(…ちと深くやっちまったか。骨が見えるね。)黙っていよう。


「ッテェぞ!おい!!」

 

ギクッ!


「そ、そんなことを仰ると、スキンヘッドが泣きますよ!コア・メタルやってんでしょ!?ネオ・スキンの方なら、我慢です。ここは絶対、我慢がカッコよいです。」


とは言ったものの、ちょっとたいへんかも知れない。ステロイド軟膏塗って、油紙張っておこう。えーっと、油紙、油紙、たしか、隣の部屋に…

扉を開けるとそこは学校の保健室になっていた。

ヨードチンキ、オキシドール、ガーゼ、ワセリン、油紙などが一堂に会している。


そこに、池に落ちたという子がびしょぬれで突っ立っていた。


「先生~!池に落ちたぁ。」


え?俺、先生?


「とにかく、着替えだな、持ってる? なかったら、そのへんのシーツを破って着てなさい。怪我してたらオキシュで消毒しておこうね。」


すると今度は、別の子がやってきた。池に落ちた子が「こうちゃん」と呼んでいるから、こうちゃんなんだな。


「センセー、蜂に刺された!」


「なに?蜂?…どんな蜂?」


「なんかねぇ、黄色と黒でね、太ってて、大きいの!」


(いやぁ、大概、黄色と黒でしょ、蜂は。)


蜂によっては対処法が異なるし(?)、もっと個体を限定する必要があるな。


「よし、こうちゃん、一緒に図書室に行こう。図鑑があるだろうから、それを見ながら考えよう。」


で、図書館に向かうのだが、廊下で中古カメラのバザーをやっているではないか。


「こうちゃん、ちょっとまっててくれ。ねぇおじさん、そこのデジ・ローライ、幾ら?」


「こいつは物々交換用だ、あんた、バリゴの温湿計を持っていないか?」


む!ブランドにはブランドか。これは対応不能だ。


「せんせー、頭痛い~!」


おっとごめんごめん。先生は今ちょっと忙しい…なんてなこと、言ってる場合ではないな。図書室急げ!


…図書室には「ただいま改修工事のため、閉店セール!」と張り紙が。

受付のお兄さんが「今ならレアものがお買い得ですよ、その奥のコーナーに特にレアなのがあります。絶版ものとか廃刊ものとかね。」と。

うーし!これまたラッキー!前から欲しいと思ってた本があったんだよね。


「こうちゃん、オロナインでも塗っておけばきっと治ります。」


「ほんと?」


「大丈夫、人間、死ぬほどの病気は一生で一回しかきません。そんな病気は中々やってきません。」


「そーなのー?」


…たぶん。


目が覚めた。

物欲に走るといけませんという教訓かな?だろうなー。最近物欲激しいもんなー。

大体、私が物欲に走るときって、決まって世の中どっぷり不景気なんだよなー。

どっぷり不景気、来るんかなー。などと。

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