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ガマの油のお話

自分の中で勝手に定義している3大医薬品というものがありまして。


「バファリン・ワカ末・オロナイン」というのがそれ。偏見ばりばり。


この三つの薬があれば大概の体調トラブルには対処できると思っています。

もちろん、これだけで全てをカバーできるわけないのは重々承知しているけど、おおむね70%くらいのトラブルはこやつらでOKと確信している私。

で、80%以上をカバーするためには、準メインとしての位置づけ医薬品として「パブロン・マキロン・パンシロン」。ついでに頓服として純度の高いアルコールっと…。

まぁ、これだけそろえば体調管理充分であろうと薬箱には包帯と一緒に常備していまーす。(アルコールは台所にありまーす)


さて、そこにもう一品付け加えるかどうか考えてるアイテムが「ガマの油」なのね。

ガマの油ってのは花粉症のみならず、頗る万能薬的な効果があるらしいのだよ。


ガマの油といえば筑波山。

この筑波山は、私には非常に馴染みがあるです。小中学校の頃、学年旅行にはそこによく出かけたものだし、そもそも学校の屋上からは筑波山が非常に良く見えたんだわ。筑波山が霞んでよく見えないときは天気が悪くなる兆候。そう、ウェザー・ツールにもなっていたし。あ、校歌にも「筑波山」てワードがあったかも。


筑波山に行けば、お土産となるのは当然のごとく「ガマの油」だった。

さすがに山の麓で口上を上げている商人さんを見かけることはなかったが、見かけなくてもその口上自体はかなり有名。

なんたって四六のガマである。前足の指が4本で後が6本。ずーっと昔に「四六のガマはこれです」と、水槽に入れられているガマを遠目で見たことがあったが、あまりにも遠いのでそれを確認することが出来なかった。とりあえず「これです」と提示されているのだから、「そうか!」と受けて、「実在するんだね!」と確信していた。

(その後、四六のガマは架空のものであるということを知ることになる)


ガマの油というのは、実は、馬の脂からとった不飽和脂肪酸なのだそうだ。俗に言う「バーユ(馬油)」ね。その辺りのドラッグストアでもお買い求めできるクスリ。

「なぁんだ、ガマの油って眉唾物だったのか…それじゃあアレだな、口上で言っていたことも単なるセールストークかい、効能としては怪しい部分だらけかぁ」などと思ってしまったが、言われていた内容が全部嘘かといえばそうでもないようで、その効能は案外口上通りで、切り傷・火傷に抜群の効果を発揮するらしい。

もっとも、刀で腕を切ったところに塗って、さくさく治癒するというのはちょっとラジカルすぎだな(笑)。


そして現代。ガマの何某は花粉症にもかなりの効果があると何処かの記事で読んだ。花粉症持ちの私には朗報なのだ。

ガマの油を綿棒で鼻の内側に塗りつけ、寝る前に少し多い目につけると、鼻の奥から喉にかけて粘膜の表面に油が流れ込む。これによって鼻がよく通り、鼻ずまり解消らしい。

ガマの油は融点が人の体温より低いので皮膚に触れるとすぐ溶ける。肌によく合うのだ。そして、細菌などのタンパク質を取り込んで空気遮断。ですから、切り傷やけどでも細菌をも殺します。化膿が少ない。花粉もタンパク質だから、花粉をくるみます。鼻や喉の粘膜が直接花粉に触れるのを防いでくれるという。

この他にも、ひじやかかとの皮膚の塊・ひび割れなどにも油成分が溶け込んで馴染むと同時に、皮膚を柔らかくしてくれ、美肌効果にもつながるらしい。すごいでしょ。


『ここにとりい出したるは、筑波山のふもとでとれた、四六のガマの油なり。池の主のガマを鏡の上におくこと、四六の24時間。鏡に写った我が身の姿とにらめっこ、たら~り、たらりとにじみ出たのが、不思議や効能あらたかなガマの油。一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚と、たたんだ厚い紙も、さらりと切れる正真正銘の日本刀。遠くは近寄って、ご覧あれ、近くのお人は目を丸くして、ご覧あれ!・・・』

ガマの油売りの一節、もう一度聞きたいなぁ。


ガマの油は、我馬膏(ガマのあぶら:馬からとった脂)の表記から転じたもののようです。

我馬がなぜ、四六のガマになったのか?


(以下、受け売り知識です)

 時は元禄、江戸でお犬様と呼ばれた将軍様、「犬を殺した者は、首をはねるべし」と江戸の街角に怖い高札がでました。

動物愛護の将軍さんです。

困ったのが、切り傷膏薬の薬屋です。効能あらたかな傷薬でも、馬の脂からとった膏なら、その馬はどうした!と、きっと南町の奉行所に呼び出されて、即刻打ち首、獄門、疑いなし。犬でも打ち首ですから、もっと大きな馬を殺したとなれば、一族郎党、隣両隣八軒、連帯責任で打ち首は確実です。

膏を売らなきゃ、おまんま食えず、これも可愛い妻子を路頭に迷わすことになります。

窮すれば通ずで、知恵者がおったそうです。「我が馬」を、四六の「ガマ」蛙に言換えて、おもしろオカシく口上をいいたてました。これが大当たり。本家の三河では後絶えましたが、口上だけが1人歩きで今日までのこりました・・・。


っとまぁ、こんな感じ。


いつの世でも、知恵ある者は輝くねー。

せっかくの人生、輝いて活きたいものですわな。知恵をつけなくちゃ!


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