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夢を見た(いつの間にか彼女は)

 所は、何処かの旅先である。・・・その旅先はユーラシア大陸の中央部付近で、何しに遊びに行ったのか判らないけど、とにかくそこは物資が少ない温泉旅館だった。そのため、日に数本しか走らない列車に乗り、半日かけて市場に出かける。そして、そこでめぼしい物を購入して半日かけて帰ってくる。要するに買い物が一日がかりのような旅先。食料品などを常に自分で調達しなければならない、そんな旅先にどうも私は住みついて久しいらしい。


 ある日、そこで「彼女」とエンカウントした。「彼女」は隣部屋にチェックインしたようである。たまたまの偶然だった。

 その彼女、「彼女」と言っても、私が付き合っていると言う意味での彼女ではない。


もう何年も前のことだ。


私の片想いが成就せず、告白の結果、思いっきり玉砕した相手。

要するにふられた相手様が隣部屋にやって来たのだ。


 お互い食料や物資が足りない環境下で、助け合いとでも言うのだろうか、過去のしがらみを忘れたかのように、二人は物資の共有などで部屋同士を行き来するようになった。そして、何かをきっかけに抱き会うようになるのは自然の流れのようなものだった。ここまでは非常に楽しい展開だった。嗚呼、この機会をどんなに待ち望んでいたことか、何故もっと早くにこうなれなかったのか…。でも、過去は振り返っても戻ってこない、今の成就を全身で享受しよう。彼女はそして、私の耳元で熱く囁いた。


「あのね、私ね、性転換手術を済ませたの。」




でぇっ!?




なんでっ!?

そんな…

もったいないことを…



彼女(?)を抱きながら私は泣き崩れる。


「ごめんね。」


懇願するように私を見つめる彼(彼女)。




なにが『ごめんね』だ、コンチキショ。



…で、目が覚めた。




一度ケチが付いた恋愛は翻ることなくケチが付いたままなのである。

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