夢を見た(リポビタンZ)
夢を見た。
最近、体力の衰えが激しくなってきたんで、ここはひとつ気合の栄養ドリンクで復活を遂げなくてはならない。ドラッグストアに出向いたら、陳列棚には「まむしドリンク」「マカ皇帝倫液」「凄十MAX」「なんたらの桶狭間」みたいのが並んでいる!って違うでしょ。
別のとこへ視線を移そうとしたその時、見たことあるようでないドリンクに目が止まった。
『リポビタンZ』
・・・。
シリーズにそういうのあったっけ?
しかも黒ラベルに金文字。明らかにヘンだ。けど、ものすご惹かれる。
泳いだ手が止まる3,800円。高い。レギュラー「D」128円にしとこうかと。
「お客さん、効能は値段に比例しますよ。」
話しかけてきたのは隣で接骨院をやっている先生だった。白衣のままだ。
「え?そんなもんですか?」
「そりゃそうですよ。私が今、まさに、買おうとしてるのは、これです。」
彼が手にしていたものは異国語表記のドリンクだった。ラベルにおそ松さんのイラストが描かれている。効かなさそうだ。
「4,800円。効きますよ。」
・・・。
「飲めば、全てが許せるようになるのです。」
え?
あのそれ、効く方向が違うと思います。
私はこの医者には絶対、世話になるまいと誓いました。
屈折した意識のエセ店員を無視してレジで「D」の会計を済ませるとマジ店員さんが「今、キャンペーン中なんで試供品がつきます、これです」と。
見れば、これまた一本のドリンク剤。『大江戸リボ核酸』と書いてある。意味不明。
「なんですか?これ。」
「それを飲めば、強くなります。」
(何に?)
取り敢えず貰って、家に帰って飲んでみることに。
ゴクンッ・不味っ!
鳥肌立ってきた。ってかこれ発疹じゃないのか!?いかーんっ!
皮膚科だ!
皮膚科に行かねば。
慌てて近所の医者に行ったけど休診日だって。ああそうだ、今日は月曜日だった。
月曜日に調子崩した人は等しくアウトになるこの町。。
そうだ!
反対の駅の近くに何たらファーマシーがあったはず!
「すみません、変なの飲んで蕁麻疹みたいのが出たんです、なんか薬下さい」
「えー、何の飲み物ですか?」
「大江戸リボ核酸」
「あぁ、最近発売されたアレね。本気で飲んだの?」
(へ?)
「あぁ、そう、飲んだの? へぇぇ、それはそれは(くすくす)」
・・・その(くすくす)ってなに!
で、目が覚めた。
天草四郎でもタップダンスして踏み絵するレベルの「なんだよコンニャロー」ってのは、確かにあると思いました。