疑問符と共に
「……それで、わざわざ未来から来た目的って何なんだ?」
未来から来たという俺の娘にキスまでさせてしまった俺は、信じると答えるしか無かった。
男に二言は無い。そして俺は、残った疑問を彼女にひたすらぶつけることにしたのだった。
「未来から来たってどうやって来たんだ?あと俺の嫁って一体誰なんだ?お前の名前は?」
「ちょ、ちょっと待ってください。急にたくさん質問されても……」
キスされてから彼女はどうも態度がよそよそしくなってしまい、口調も敬語混じりになっている。
「そうだな、じゃあまずは名前を教えてほしい」
「えと、私は青井 未紀っていってお父さんが付けてくれたんですよ」
「未紀かぁ、どんな由来なんだろう」
「それは聞いてなかったので分からないです……。でもお母さんがすごく悩んで付けたって言ってました」
「お母さんが? じゃあ未来の俺は一緒に住んでいないの?」
「はい。お父さんは私が小さい頃に居なくなっちゃって……」
「居なくなったって死んだのか?それとも離婚か何かか?」
「お父さんは死んでなんかいない! ……きっと今もどこかで生きていると思う。…離婚でもないです。お父さんとお母さんはとても仲が良かったんですよ。ほんと楽しかったなあ」
死んだ、この単語に声を荒らげる様子をみると穏やかじゃなさそうだ。しかし、未来の俺は嫁と仲が良かったのか……生きていれば必ず幸せな時期っていうのはあるものなんだな。少し希望が出てきたぞ。
「じゃあ次、ここに来た目的は何なんだ?」
「ここに来た目的、それはね……」
彼女は俺の目をしっかりと見つめ、口を開いた。