プロローグ
薄暗い部屋で、昨日も今日も明日も変わらない堕落した生活している一人の青年。
名は、青井利雄18歳、大学生。但し、引きこもりだ。
何をするか決まってないまま、入れる大学に入学し、一人暮らしするようになったのはいいものの、やる気ゼロ、コミュ力ゼロ、友達ゼロの彼は学校に通い始めて2日ほどで家に引きこもるようなって2か月が経とうとしていた。
「あー、もうっ。味方クソすぎんだろ」
カーテンは閉め切っており、昼か夜かわからない。眠くなったら寝る。腹が減ったら大量に買い置きしておいたカップ麺を食べる。それ以外はゲーム。この3要素が俺の全てと言ってもいい。
「はぁ、これからどうなるんだろうなあ」
負けが続き、唯一の暇潰しであるゲームさえもやる気がなくなってしまった。そんな時にやってきてしまうのが現実。
もちろん、親は大学に真面目に通っていると思っているだろう。今は仕送りしてくれているが、バレるのも時間の問題だ。
「バレたら死ぬな、俺……」
頭を抱え、一度も掃除のしていない床で悶絶しながら転がり回っていた時だ。
ピンポーン
不意に家のチャイムが鳴った。ああ、どうして家のチャイムの音はこうドキリとしてしまうのだろう。
どうせ新聞勧誘のおっさんかなんかだろうなと思いながら、ドアの覗き穴から見てみる。
中学生か、高校生くらいか。黒髪セミロングのとんでもない美少女がそこに居た。 一体こんな美少女がこの家になんの用だろうか。いや、罠でも何でもいい。美少女成分に飢えていた俺は、すかさずドアを開けた。
「お父さん!」
聞き間違いだろうか。
俺のことをお父さんと呼ぶこの少女。
俺の死んでいたような堕落した日常はこの出会いをきっかけに大きく変わっていくこととなる。