神獣使い
僕の中にある言葉が過っていた(よぎ)。それは、
「神獣使い」と言う言葉だった。神獣使いとは、獣使いの最上位のランクだ。最初に生まれるのが、獣、魔獣、幻獣、神獣のどれかだ。僕は何故か、神獣という言葉が頭から離れなかった。速く卵が孵化して欲しいと思いながら、僕は、歩き続けた。「いい加減、着かないかなー獣の屋敷に」
ドレスに身を包んだ、お姫様のような、美しい姿をした女性が僕の元へ歩いてきた。「あなた、どこから来たの?この世界にいるのは、みんな、獣臭いのに君はその匂いがない。あなた何者なの?」その美しい顔をぶら下げた女性は僕を見てはいなかった。何故なら僕に興味を持っているのだが、それ以上に、いや、僕ですら、驚く景色が目の前にあった。神獣はまだ、3匹しか見つけられていないのだが、その神獣が空を馳けていたのだ。
「すげえ。」僕は無意識に、言葉を発していた。「あれが神獣使い?」美しい女性は恐らく僕と同じで無意識に言葉を発していたはずだ。だが僕には何故かその神獣を懐かしく思えた。
「ねえ!あなた、これは提案なんだけど、。私と王都に行かない?」その女性は僕にそう言った。「僕は、今から獣の屋敷に行かなきゃ行けないんです!」申し訳ないと同時に惜しい気もした。何故ならその女性はストライクゾーンど真ん中だっったのだ。
「私は王都で待ってるわ。あなたはコロシアムに出るんしょ?」その女性は見通したかのように言った。「どうして、僕がコロシアムに出ると?」僕は疑問だったからから、聞いたと言うより、好奇心だった。「獣の屋敷に行くって事は、獣との、相性を確かめるんでしょ?そんなん知りたい変わり者は、獣の使いしかいないでしょ!」僕は嬉しかった。何故なら、獣の使いに憧れていたのに、獣の使いしかいないって言われたからだ。僕には獣の使い以外なれないとしか聞こえなかった。僕はこの卵を孵化する事が楽しみで仕方がなかった。