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獣使い

おはようございます。

「僕は今まで、配達のバイトを楽しいと思ってやった事はない。ただお金が欲しいだけだ。」

そんな時僕の運命を変える出来事が起こった。


「おい! レイン! 配達今日俺の分も行ってくれねえか? ちょっと今日用事で速く上がらなきゃ行けなくてよ。」僕は正直嫌だった。でも、相手は先輩だから、嫌な気持ちを押し殺して、僕は、「はい!」と言った。


「ありがとうな!4丁目の山本さんのとこな!頼んだぜ!今度焼き肉奢るからよ!」僕はバイクに乗り4丁目の山本さんの家に向かった。


「ピンポーン。 あれ? 留守かな?配達全部終わったらまた来るか。」僕は戻ろうとしたが、気付けば僕は、山本さんの家の庭に入っていた。「やばい」と思い戻ろうとしたその時山本さんの家のドアが目の前にあった。何故か僕はそのトビラを開けてみたいと思い始めた。なんの、考えもなく、そのトビラを開けてみた。目の前は、沢山の人が居るコロシアムの観客席だった。


「あれ?なんで僕はこんなところにいるんだ?」戸惑いを隠せない僕にあるおじさんが声をかけてくれた。

「お兄さん、ここに来るのは初めてかい? 男なら一度は憧れるもんさ。〈獣使い〉に! 」

「獣使い!?」僕は初めて聞いたはずの獣使いを何故か知っていた。昔僕にお母さんが良く読んでくれた本に〈獣使い〉と言う単語が良く出てきたからだ。


「今戦ってる〈セレナ〉って戦士いるだろ?あの戦士は無敗にしてこの国1の美戦士なんだぜ〜?」一目惚れだった。そう。 僕は〈セレナ〉と言う女戦士に憧れと、好意を抱いていた。

それと同時に僕も、〈獣使い〉になりたいと思った。

「おじさん! 獣使いにはどうしたらなれるんですか?」僕はその答えを知っていた。だけど、その本に書いてあったのだ。「僕は隣のおじさんに獣使いにどうすればなれるか聞いてみた。」と。


「獣使いになるには、まず獣を所持すること。そして、獣使い新人大会で優勝することだ。確か、大会は、来月の7日だったかな。」僕は楽しくて何かをした事が無かった。だけど今は、お母さんと描いた夢の世界を実現できると信じ、獣使いになる事を決意した。「ありがとう! おじさん。僕新人大会で優勝して獣使いになるよ! だから、獣ってどこにいるのか教えてください!」「ハッハッハ!!お前さんそんなデカイ事を言って獣を持っていないのか。分かった。特別に教えてやろう。ただし条件がある!まだ37歳だ! おじさんじゃなく、お兄さんと呼ぶんだ!」おじさん、いや、お兄さんの迫力は、獣使いのそれを超えていた。「わ、わっかりましたー…………」僕もまた、お兄さんの迫力に負け沈黙してしまった。


「何を黙っているんだ! 行くんだろ!? 獣を探しに! だったらこんなとこでゆっくりしてる場合じゃないわい!1ヶ月もないのに、何をトロトロ!」僕は、この世界の事をあえて聞かなかった。それは興味がないからではない。聞く必要がないからだ。何故なら、僕の居るべき場所はここだ! と悟ったからだ。「セレナさん待ってて下さい」「何を言っとるか!早く行くぞ。後、セレナさんは俺のもんだからな!」喋り方と自分を指す時に使う「俺」のギャップが凄すぎて言葉が出なかった。完全喋り方おじさんなのになぁ。と思いながらおじさんいやお兄さんに着いて行った。


「ここは獣士の教会と言ってな。獣使いになりたいものが自分に合った獣の卵を授かれるありがたい場所なのじゃ。」僕はこのお兄さんの喋り方の違和感に慣れてきたのか、いや、慣れたと頭に言い聞かせていた。


「僕も、獣を貰えるんですか!?」と驚いた用には言ってみたが正直お兄さんの喋り方の方が驚いている。


「そうじゃ!そうじゃ!すごいじゃろ!」「グハァ」3連のおじいさん言葉にもう身体が耐えきれなくなったのか、口から血が流れて来た。「おじいさん、速く、卵を下さい。」ついつい僕は、おじいさんと言ってしまった。「だから!!! おじいさんじゃない!おじさんからおじいさんに変わっとるじゃろが!お前さんの〜失礼にも程があるぞよ。」

「もうこれわざとやってるのか!?ぞよってお兄さんは言わないだろ!」とツッコんでしまいたくなるような言葉遣いとおじいさん言葉を使うときのお兄さんがキメ顔だった。


「速く卵く、だ、さい…………。」僕はいつの間にか気絶してしまっていた。「ここは?」「気がついたか! ここが俺の家じゃ!お前さんが倒れたから家まで運んで来たんじゃ。」

「僕は、確か、そうだ! あのとき意識が遠ざかって、気がつけばここで寝ていたんだ!」お兄さんはそうじゃろぉ?と言いたげな顔をしながらこっちを見ていた。「そうじゃろぉ?それは仕方のない事じゃ。」やっぱり言った。と思いながらお兄さんの言葉に引っかかっていた。「仕方のない事?どういう意味ですか?」僕はお兄さんのその言葉がどうしても引っかかって理解できなかった。


「それはあの教会で、妊娠の霧を無防備な状態で浴びていたからじゃ。」


「妊娠の霧!? 」僕はここに来て本当に驚けた。


「そうじゃお前さんは出産したんじゃ。この卵をな。おめでとう。よく頑張ったな! これでお前さんも獣使いになれる! しっかり卵を孵化させるんじゃぞ!お前さんの子を大事な!」僕は何かが込み上げて来るような感覚に襲われていた。「はい!ありがとうございます!!大切にします!」

「行きなさい。そして、大会頑張るんじゃぞ。応援しに行くからのぉ〜」最後の最後までおじいさん言葉だった。だけどいつの間にかそんな事も気にならなくなっていた。「はい! 頑張ります! ありがとうございました! お元気で! さようなら」僕はお兄さんの家を立ち去って卵を持って修行の旅に出た。




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