兄が死んだ
良い子ちゃんのお兄ちゃんが死んだ。
幼稚園の頃の、お兄ちゃんは親に媚を売って生きていた。
息苦しくないのかなと僕は思ったものだが、お兄ちゃんは嬉しそうだった。
小学校の頃のお兄ちゃんは、先生と親に従順に生きていた。
自分の意思はないのかなって思っていたけれど、お兄ちゃんは楽そうだなぁとも思った。
中学の頃の兄は、部活で全国大会に行った。
更に、生徒会に入って皆のリーダーになった。
僕は、この人楽しいのなって思った。
高校に入る前、兄は壊れた。
無気力になって、勉強しなくなった。
親の声にも答えなくなった。
僕は、こいつは終わったなと思った。
兄は糞みたいな高校生活を送ったようだった。
糞は底辺大学に入った。
兄は大学をやめた。
僕は糞野郎だと思った。
事の真相は、親が兄を就職させるためにやめさせたのだった。
昔から意思がないのかと思っていたが、やはりこいつには意思がなかったのだった。
兄は死んだ。
なんで、こうなったのかと残して死んだ。
僕からしたら、最初からお前はこの世にいなかったんだよ。