第9章 二人の週末:2
ガタ・・・ガタ・・・。
物音が気になったので、ベットに入ったまま、亜美が少し目を開けると、
「おはよう!」と、すかさず、克彦が近づいてきた。
「早いねぇ。今、何時?」
「7時ちょい過ぎ。」
「何時から起きてたの?」
「少し前ぐらいかなぁ。」
「せっかくのお休みなんだから、ゆっくり寝てれば良いのに〜。」
「いつもの癖で、目覚めちゃうんだよね〜。」
「ふ〜ん。私・・・もう少し・・・寝てても良い?」
亜美はまだ半分、寝ぼけているような状態だった。
「え〜まだ寝るの??」
「だってぇ・・・まだ早いじゃん。克彦も一緒にもうちょっと寝よ〜。」
その誘いに、克彦は素直にベットに戻ってきた。
そして、背中から亜美を抱きしめた。
克彦は「昨日の続きしよう!」と、朝から、すっかりその気モードに入ってしまっていたのだ。
「えっ、朝から・・・。」と、亜美は、軽く顔だけを後ろの克彦の方へ向けた。
すると克彦は、亜美の体をスッと仰向けにし、その上に乗ったかと思うと、ガシッと亜美の両肩を押さえ、
「朝は駄目っていう決まりはない!」と、熱く宣言!
しかし、全くそんな気になれない亜美は、克彦の妙な熱さを和らげるように、
「そんな風に断言しないでよ〜。また今日の夜で良いじゃん。」と、やんわり笑顔で返した。
だが、克彦も、そこで引き下がるような男ではなかった。
「起きるの待ってたのに・・・。・・・。・・・。」
「もう、そんな風にすねないの。ねっ!」と、
亜美は、子供を諭す様に、克彦の頭をやさしくポンポンと撫でてから、
また克彦に背を向けるような体制に向きを変えた。
それでもまだまだ克彦は諦めない・・・。
「駄目?」
「・・・・・。」
「駄目??」
「・・・・・。」
「元気いっぱいなのになぁ。」
「・・・・・。」
「今の俺なら、昨日の夜以上に、亜美を喜ばしてあげられるのになぁ・・・。」
「・・・・・。」
「元気だよ!!」
「・・・・・。」
全く相手にしてくれないが亜美に対して、
克彦は、独り言をブツブツと繰り返しながら、徐々に徐々に、行動に移した。
「ちょっと・・・。」
「良くしてあげるから・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」