第8章 二人の週末
金曜日の夕方。一足先に仕事を終えた亜美は、予約をしていたホテルにチェックインを済ませ、部屋でのんびりとしていた。
いつもネットでホテルを探し、色々なところに泊まっていたのだが、
克彦の仕事が終わるのが遅い事もあり、だいだい克彦の会社の近くにすることが多かった。
今回のホテルも克彦の会社のすぐ近くに決めた。
亜美は5時過ぎに仕事を終えてから電車で移動してきたのだが、
それでもまだ6時にもなっていなかった。
「う〜ん、暇だな〜。」
コンビニで買ってきた雑誌をペラペラとめくりながら、亜美は時間を持て余していた。
10時を過ぎた頃、やっと克彦から電話がきた。
「今、仕事終わったよ。」
「お疲れ様〜。まっすぐご飯食べに行く?それとも一度ホテルに来る?」
「う〜ん、お腹空いてるから、まっすぐご飯の方が良いかな。」
「良いよ。じゃ何処にしよっか?」
「俺の会社の方に向かって来てくれる?前にも行った居酒屋覚えてるよね?そこで良い?」
「OK!じゃ、すぐに向かうね。克彦のほうが先に着くと思うから先に入ってて。」
亜美がお店に着くと、克彦は、お通しのえだまめを食べながら、
生ビールを美味しそうに飲んでいた。
「亜美は何飲む?」
「私も生。」
「すいませ〜ん。生もう一つ。」
「食べ物は適当に頼んじゃったけど、他に食べたいものあれば・・・」
「けっこう頼んだ?」
「亜美も食べたいものあるかと思ったから、少なめかな。」
「じゃ、様子見て、足りなそうだったら注文しようかな。で、何頼んだの?」
「から揚げと玉子焼き、チャーハン、茄子焼き。あ〜あと、亜美の好きなあんかけ焼きそばも頼んどいたよ。」
「それって、十分じゃない??」
案の定、追加オーダーをすることなく、お腹がいっぱいになった。
お店を出て、手を繋いで、ホテルに向かっていると、
克彦が「デザートどうする?」と聞いてきた。
「私はお腹いっぱいで、もう入らないよ〜。」
「デザートは別腹って言うじゃん。」
「う〜ん、でも今日はもう無理かな〜。」
「本当に?一口も食べない?」
「一口ぐらいなら・・・?!」
ということで、コンビニに寄った。
克彦は甘党で、普段から、女の亜美以上にケーキ等をよく食べていた。
「えっ、そんなに買うの?」
「どれにしようか迷うから・・・どうせ亜美も食べるでしょ。」
「いやいやいや・・・本当にお腹いっぱいだから・・・。」
「そんなこと言って、絶対一つ食べれるって。」
「それにしても、多いでしょ〜。せめて2.3個に・・・」
「これ食べて、夜の仕事も頑張るから。ねっ。」




