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第6章 友人

久しぶりにまーちゃんと会うことになった。

克彦と付き合うようになってからは、休みとなると、

克彦と過ごすことがほとんどになっていたからだ。


まーちゃんから「付き合い悪くなったんじゃな〜い?」と、まずはご挨拶がわりに、グサリ。

「ごめん。ごめん。」

「まっ、上手くいってるってことだね。」

「お陰さまで・・・。」

「そうだ、後で、健二も来るって。」

「あ〜健二、元気なの??私、すごい久々かも。いつぶりぐらいだろ??」


健二は、なにかと力になってくれる、頼れる奴で、

亜美にとって、まーちゃん同様に、大切な大切な友人の一人。


「亜美が、最近あまりかまってくれないから、

二人でご飯食べに行ったりすることが多いんだよねぇ〜。」

「声掛けてくれれば、全然良いのに・・・。」

「また、そんなこと言って、誘っても断るんでしょ。彼と予定が・・・とか言ってさぁ。」

「そんなことないよ〜。まーちゃんに誘われれば・・・。」


やっぱり、まーちゃんと飲むお酒は美味しい。

気心が知れているので、楽だし、なんと言っても、楽しい。


女二人で盛り上がっているところに、「お〜お疲れ。」と、健二がやって来た。

「亜美、彼氏、出来たんだって?どんな奴??」

「ん〜どんな・・・。やさしいよ。」

「外見は?誰似??」

「それがさ〜」と、まーちゃんが口を挟んできた。

「まーちゃん。人は外見じゃ〜ないの。心が大事なんだから・・・。」

「て〜ことは、ひどいのかよ。」

「ひどいって程じゃないと思うけど・・・」

「亜美が、そう思いたい気持ちも分かるけど・・・。」

「もう、まーちゃん。」

「健二にも、写メ、見せてあげなよ。」


携帯を取り出し、写メを健二に見せると、

始めはノリノリで携帯を覗き込んできた健二だったが、

言葉を失ってしまったようで、それから、遠慮がちに

「そう、人は外見じゃないから。」と、諭すかのように、

ポンと軽く、亜美の肩を叩きながら言った。


しばらくすると、まーちゃんが「ちょっとトイレ」と席をはずした。


「健二は最近どうなの?相変わらず、ギター弾いてるの?」

「あ〜仕事、忙しくてな。まっ、たまに弾いてるけど。

そうだ、亜美、青いベンチって曲知ってるか?」

「知らな〜い。誰の曲??」

「知らないならいいんだ。」

「え〜、どんな曲?有名なの?教えてよ〜。」

「今の俺の心境を歌ってるような曲だな。」

「ふ〜ん。なんかよく分からないけど・・・そうなんだぁ。」


そこへ、「何?何?何の話してたの〜」と、まーちゃんが戻ってきた。

「あっ、まーちゃん、青いベンチって曲、知ってる??」

「知ってるよ。亜美、好きなの??」

「そうじゃなくて、健二の今の心境なんだって・・・」

「おい、亜美!」と慌てて、健二が止めた。

すると、まーちゃんは「ふ〜ん。」と、意味ありげに、ニヤッとしたかと思うと、

何事もなかったかのように、最近のまーちゃんセレクトのおすすめ曲の話を始めた。


「じゃ〜次、私も、トイレ行ってくる。」と、今度は、亜美が席をはずした。


「健二、分かってると思うけど、そんなんじゃ亜美には、伝わらないよ。」

「まぁ〜な・・・。それより、なんだよ、あれ?!亜美はあれで良いわけ??」

「それがさぁ、ハゲてるって知らなかったらしいよ〜。」

「はぁ?分からないわけないじゃん。あれ、けっこう酷いよ。」

「帽子、被ってたんだって・・・ずっと。で、付き合い始めて、初めてのお泊りの時に

ご対面して、亜美も、かなりびっくりしたらしいよ。笑えるでしょ。」

「笑えるっていうか、詐欺じゃん。」

「ほんと、ある意味、詐欺だよねぇ〜。」


そして、3人は、楽しいお酒を深夜まで楽しんだのだった。









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