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Neo World Order  作者: 超銀河☆千輩
第一章 「星々を喰らう蛇」
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「星々を喰らう蛇」 - 4

屋上で転校生のマサルと会話するシーンです。

昼休みも残り15分となり、僕ら4人は皆昼食を食べ終えたし色々話せたので、教室に戻ろうとしていた。

僕らの学校は4階立てで、僕らの教室は3階にある。


イオリちゃんとマキは二人で購買部へ行った。

僕は3階の渡り廊下をジュンと話しながら歩き、数人の生徒とすれ違った。

けれど、マサルとはすれ違わなかった。


(マサルはどこにいるんだろう・・ うーん。)


僕が校舎の4階と3階の間に設置された大きなデジタルクロックで時刻を確認しようとすると視界の隅に人影が見えた。あれは・・マサルだ。

マサルが屋上で空に向かって携帯端末を向けて何かしている。


(もしかしてUFOとチャネリング?確かに学校周辺の上空は自家用VTOLも飛行禁止になってるから、UFOが呼べるかもしれないな)


ジュンやクラスの皆はマサルに対してあまり良い印象は持ってない。

マサルはいつも周りに壁を作って、必要最低限なコミュニケーションしか取らない。

それでも学業の成績は校内でもトップクラスだし、スポーツも万能だ。

校内の女子の一部にはファンクラブもあるとか。


僕一人で屋上に行って、これを機に話かけてみようと思い、ジュンに

「ジュン、ごめん。ちょっとトイレ行ってくる。先に教室戻ってて。」

と言い残して気づかれないように屋上へ向かった。


屋上へ向かう階段の終わりのところでマサルが誰かと話している声が聞こえてきた。

「・・・・・ 以上が今日の一回目の報告事項です。夜に二回目の報告をします。」

「奴らに気づかれそうになったらすぐに連絡しろ。バックアップはしてやる。以上だ。」


(誰と話しているんだろう・・)


僕が屋上のドアをくぐるときにはマサルは携帯端末をOFFにし、どうやら使っていた立体映像通信を終えたようだった。

立体映像通信は端末に向かい合った人物にしか通信相手が見えない。

セキュリティのためらしい。

僕の角度からは黒い影が消えていくところしか見えなかった。


「あ、マサル・・・・君。何してたの?誰かと通信?」

「君には関係ない。」

「ごめん。」

「僕に何か用か?」

「あの・・・・えっと・・・・実は・・・ さっきの「歴史」の授業のときに君の情報端末を偶然覗いてしまったんだ。ごめん。そのときにUFOのイメージが見えたから、君もUFOに興味があるかと思って。それで・・・」

「別に興味があるわけじゃない。」

「ごめん・・・・。」


本当は、マサルを誘う気など無かったがこう続けた。

「実は今度僕とジュンとイオリちゃんと別のクラスのマキちゃんの四人でヨシノブ先生を説得して、一緒にオールドジェネレーションの元居住区に歴史の勉強に行こうと思ってるんだ。UFOを見るのが本当の理由なんだけどね。マサル君がUFOに興味あるなら一緒にって思ったんだけど。」


そう言い終えたとき、マサルの顔色が変わった。

「あそこはダメだ。いいか、絶対に行くなよ!」

「どうしたんだい?急に」

「危険なんだ!」


マサルの態度が変わったことを不思議に思っていると、マサルが僕の肩を掴み、少しの間顔を伏せ、次に顔を上げるとおかしなことを言い始めた。

「なぁ・・・ ユキヒト・・・ やっぱりお前・・・ 記憶を消されているのか?俺のことを覚えてないのか?イオリちゃんも俺のことを・・・」

「記憶を消される?一体何のことだい?君とは今日初めてまともに口を訊いたんじゃないか。」


マサルは少し考えた後、辺りを見回して何かに気づき、

「すまない、聞かなかったことにしてくれ。」

と言って足早にその場を立ち去ろうとした。


(変なヤツだなぁ・・ 馴れ馴れしいし・・・)


そしてマサルが屋上のドアのところで、いつのまにかそこにいたジュンとすれ違った。

その時にジュンが何かマサルに言ったみたいだが、僕にはジュンが何を言ったのかが分からなかった。


マサルの姿がこちらから見えなくなり、ジュンが僕の方へ歩いてきた。


「おーい、トイレに行くとか言っといて、優等生と何話してたんだ?」

「何でもないよ。ちょっと勉強のこととか・・・ね。」

「そうか。それより今日中にヨシノブ説得して、予定立てようぜ。」


この時ジュンが屋上に上がってきたことにちょっと違和感を感じたけど、きっと僕のことを探しに来たのだろう。

僕らは話ながら屋上を後にした。

まだまだ続きます。

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