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Neo World Order  作者: 超銀河☆千輩
第一章 「星々を喰らう蛇」
18/31

「星々を喰らう蛇」 - 18

戦闘シーンの続きです。

「あれは・・・。良子とクルーゼか。これで逃げ切れる確率が上がった。」


あれが、ミヅチという人型ロボット兵器だろうか。

モニタに青い機体と、灰色の機体が近づいて来ているのが見える。


ピピッという音がして、モニタに黒い髑髏の形のヘルメットをかぶった二人の顔が見えた。


「マサル、来たよ。」

「俺が弾幕張って時間稼ぐ、その間に燃料チャージしな!」

「ああ」


灰色のミヅチにはキャノン砲やおそらくミサイルランチャーと思えるものがついていた。

そして一斉にキャノン砲から光球が、ミサイルランチャーからミサイルが発射された。

僕らの横をかすめていったそれらが追跡してきている数機のVTOLに着弾したらしく、空中で爆発した。


前方に浮遊する黒い何かが見えてきた。


「よし、浮遊コンテナ確認。」


浮遊コンテナと呼ばれたものを見たとき、僕は「あっ!」と声を出してしまった。

横にいるイオリちゃんも驚いている。


黒くて浮遊する直方体、「浮遊コンテナ」と呼ばれたそれは、そう、僕が今日撮影しようと思っていた「黒いUFO」そのものだったのだ。


(兵器だったのか・・・・)


バジリスクは浮遊コンテナに近づき、コンテナからアームが出てバジリスクを固定した。

一瞬「ゴンッ」という音がして機体が少し揺れた。


「よし、ケーブル接続完了。良子、クルーゼ、チャージを開始した。エネルギー量30%から開始だ。

20分あれば、50%には到達できる。それから全速で撤退しよう。」

「おう、それくらいで弾切れだ。全弾使い切るわ。」

「シールド展開するよ!」


良子がそう言った後、浮遊コンテナの一部から何かが飛び出した。

ミヅチのモニタがその何かを追うと、それは空中で固定して広がり、VTOLや地上からの装甲車の砲弾を防ぎ始めた。


マサルが、竜二とコックピットで話し始めた。


「おかしいな。」

「何が?」

「俺たちはイオリちゃんとユキヒトを載せて、一方向だけを進んできたわけじゃない。途中で雲に隠れもした。」

「それで?」

「敵のトレースする軌道を確認して見ろ。正確に追いついてきている点だ。途中でこの機体に搭載している少量の視認妨害用ナノマシンも発射しているし、この機体だってステルス性能もある。」

「うーん・・・ て、ことは!」


イオリちゃんと僕は冷や汗が出た。

気づかれてしまったのだ。

さっき、ヨシノブ先生から言われて僕とイオリちゃんの体内のナノマシンの所在地情報通知機能をONにしていたことを。

だから、必ず僕らのいるところへ軍隊のVTOLや装甲車が追いかけてきていたということを。


「イオリちゃん、ユキヒト、悪いが二人の体内のナノマシンから所在地情報通知機能を破壊させてもらう。」

「くそっ、やらせないぞ、マサル!」

「やめて!家に帰れなくなっちゃう!」


イオリちゃんが泣き出した。

マサルが何かの機械をもって僕らに近づいてきた。

精一杯足で蹴ったり、体を動かして精一杯の抵抗をするが、二人とも組み伏せられ機械を当てられた。

痛みは何も感じなかった。

そしてマサルが僕とイオリちゃんのNライフモニターで、体内のナノマシンから所在地情報通知機能が消去されたことを確認した。


「うう・・・パパ・・・ママ・・・」

「父さん、母さん、ハルナ・・・。イオリちゃん・・守れなくて・・ごめん・・・。泣かないで、僕らは絶対家に帰ろう。」


イオリちゃんがゆっくりうなずいた。


「イオリちゃん、ユキヒト・・・、今の家族が本当の家族だと思っているのか・・・お前たちの本当の家族はマタノゴリアで」


ピーッ、ピーッという音が何度も鳴り始めた。


「マサル兄ちゃん、敵の機体が来る!」

「数は?」

「メインの軍事基地から離れているからだろうけど、一機だよ。速い!」

「機体照合・・・ 『コカトリス』か!?」


通信が入った。

髭を蓄えた男の顔がモニタに映し出される。


「フフフ、我が名はジュウベェ。統一政府軍極東方面専任独立部隊、ジュウベェ少佐である。

お前たちが我々から奪った機体を取り戻す命を統一政府から受けた。

投降するならば、パイロットの命の保障はしよう。

だが、戦うのならば容赦はせん。

取り戻すのが難しいならば破壊しろとのことだ。」

「お前たちのやり口は知っている。お前を倒してでも、逃げ切るさ。」

「戦う・・・ということだな。その心意気、敵であることが惜しいぞ。そして、その機体・・・『コカトリス』の二番機だな。上層部の報告通りだ。改造してあるとは。」

「今は『バジリスク』で、俺たちの機体だ。」

「ふん、蛇どもめ!蛇は古来より鳥に駆逐されるのだ!空を舞う偉大な神の使いにな!」

「ごたくはいい!かかって来い!」

「良かろう!」


『コカトリス』という機体が急速接近して浮遊コンテナを切り裂き、コンテナが爆発する。

浮遊コンテナが爆発する直前、僕らの『バジリスク』がアームとケーブルを外して空中へ飛び出す。


「竜二、敵の兵装は?」

「シールドと高周波ブレイドだけだよ。」

「なめているのか?」

「来るよ!」


『コカトリス』がかなりの速度で接近してきた。

マサルが剣撃を機体のシールドで防ぐがシールドごと機体の左前腕部を切り落とされた。


「くっ!こいつ、強い!」

「どうした!?口だけは達者だな。」


『バジリスク』が銃を打ち続けるが、残弾が空になる。

『コカトリス』は距離を空けて全弾回避した。

良子とクルーゼのミヅチも支援攻撃をするが、それさえも『コカトリス』は回避し、再び距離をつめてこちらに向かってくる。

続きます。

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