17.アレスは見た!
アレスが、アテナを雪に送り届けて、慎がいる部屋に着くと、そこでは壮絶なベッド回避戦が行われていた。
「俺がソファーベットで寝るんだ。」
郷が抜け駆けして、ベットに行こうとすると、それを慎と隼人、守が阻止する。
「ずるいですよ。」
守が郷を抑えながら、文句を言う。
「そうだ、俺がソファーで寝る。」
隼人が叫ぶ。
「何言ってる、俺だ。」
慎が負けるものかと叫び返した。
「いったい、何をやっているんだ?」
アレスが不思議に思って、四人に声をかけた。
「アレス、いいところに来た。後の三人を抑えろ。」
慎はそう命じると、ソファーを奪取するために、四人を払いのけようとした。
「アレスを使うなんて、ずるいぞ、慎。」
隼人が文句をいう。
「そうだ。」
郷も同意した。
「それなら、僕だって。」
何を思ったのか、守がガイアを呼び出した。
「守、お前なんで、そんな・・・。」
郷の叫びは、途中までしか、言えなかった。
「ガイア、どうした?」
「アポロン兄さん。守がソファーベットで寝たいみたいなの。」
ガイアがうるうる顔で、アポロンを見上げる。
「なんだと、それじゃガイアが、ソファーベットを使うことに、なるじゃないか。そんなことをさせる訳にはいかん。俺がソファーベットに寝るから、ガイアがベットに寝なさい。」
「だめよ、アポロン兄さん。それじゃ私が、隼人や慎と寝ることになるわ。」
「大丈夫だ。俺達三人がソファーベットに寝るから、ガイアが一人で、ベットを使えばいい。」
「ダメよ。その狭いソファーベットに、三人なんて寝られないわ。アポロン兄さんが、風邪でもひいたらどうするの。私がソファーベットに寝るから、アポロン兄さんがベットで寝てちょうだい。」
「ダメだ。女の子をソファーベットになんか寝かせられない。よし、ならガイアはアテナと一緒に寝なさい。私が送って行こう。」
「冗談じゃない。雪と守を一緒に寝かせられるか。」
慎が怒りだした。
「そうだ、南と守が同じ部屋なんて反対だ。」
『僕、別にかまわないけど。』
「アポロン兄さん、私はかまわないけど、いくら何でも、守はダメよ。」
「そうか、ずっとガイアのままなら、問題ないだろう。」
『うん、そうそう。』
守は思わない方向に、話が弾んで、内心ある意味で、ちょっとラッキーかもと思っていた。
「「反対だ。」」
慎と隼人がすかさず、反対意見を言う。
「それなら、俺と慎とアレスがソファーベットに寝るから、アポロンさんとガイアがベットに寝ればいいよ。」
隼人がアポロンを取り込みにかかる。
慎とアレスは、隼人のこの提案に、反対しようとして口ごもる。
『ここで下手に反対すると、守が雪と同室で寝ることになる。』
これには守と郷が、それぞれの守護者の中で、悲鳴をあげた。
『『お願いだ。それだけは、やめてくれー。』』
「ふむ、それはいい考えかもしれないなぁ。」
アポロンは隼人の以外な提案に、頷きそうになっている。
「ちょっと、待って。アポロン兄さん。」
『『そうだ、待って下さい。アポロンさん。』』
「私はもう、小さな子供じゃないから、一人で寝られるわよ。だから、最初の提案通り、私がソファーベットで寝るから、アポロン兄さんと慎、隼人がベットを使って、ちょうだい。」
「いや。しかし、ガイア。」
ガイアは、うるうる目でアポロンを下から見上げて、お願いした。
「アポロン兄さん。お・ね・が・い!」
「うっ、ぐっ・・・、わかった。」
結局、アポロンはガイアのお願いに屈服した。
慎と隼人をベットに放ると、自分もベットに上がる。
守はソファーベットを、最終的に死守することが出来た。
『ガイア、ありがとう。』
『気にしなくていいわ、守。私もさすがに、男の人と同じベットでは、寝たくないわ。』
『そうだね。』
守はガイアに心の中で笑いかけると、一人悠々とソファーベットで横になった。
一方、ベットでは、また、寝る場所を巡り、争奪戦が繰り広げられていた。
「なんで、あんなことを言ったんだ、隼人。」
アポロンから郷にもどった途端に、隼人に文句を言った。
「しかたないだろ。ああしないと守が南と同じ部屋に寝ることになる。お前は男として、一人だけ美味しい思いをするのを許せるのか?」
「うっ、それは・・・。」
郷が隼人に問いかけられて、口ごもる。
その間に慎は一番端を死守した。
「俺、ここで寝るから。」
アレスはいつのまにか小さい竜にされ、横にした枕の上に置かれている。
『なんで、俺は竜なんだ。』
『アレス、人間のままで、このベッドで寝たいのか。』
アレスは隣にいる郷と隼人を見た。
『・・・。』
『じゃ、そういうことで、おやすみ。』
最後は、隼人と郷が最後まで争っていたが、郷が突然アポロンになると、ガイアが見える位置で寝たいといったのが、決めてとなって、真ん中は隼人になった。
ちなみに、なんでこんな争いになったのかという根本の原因は、今日の朝方、雪とアテナによって壊された通路の修理が追いつかず、ベットを他の部屋から運ぶことが出来なかったことが主な要因だった。
なので、慎は強く言えず、守も同じ部屋にしてほしいと言ってしまった手前、同じく何も言えなかった。
郷は別の部屋にしてくれと言おうとしたところ、アポロンが出て来て、最後まで言えず。
隼人は周りの雰囲気から、一人だけ抜け駆けするわけにもいかず、冒頭のようなことになった。
四人は明日こそは、どんなことがあっても、全員、違う部屋で寝ようと、固く心に誓った。
次話より、不定期更新になります。




